フィリピンで更に強まる税務調査?!フィリピン2020年度BIR優先プログラムの発表!!

今回は「2020年度BIR優先プログラムの内容」についてです。

日系フィリピン子会社の税務コンプライアンスチェックにあたって、「今後のBIR(税務署)の動向はどうなのか」は関心の高いところでしょう。

それを知る手掛かりの一つとして、BIRは毎年1月、この一年優先的に実施する項目を纏めたプログラム(Priority Programs)を発表しています。

先日、例年より一足早く、2020年BIR優先プログラムが公表されましたのでご紹介します。

2020年の優先プログラムでは、2019年5月に公表されたBIRの5ヶ年戦略計画(BIR Strategic Plan 2019-2023)を反映した内容となっており、徴税目標の達成のほか、フィリピン政府が目指す方向性(事業環境の改善、情報保護の強化)を盛り込んだプログラムとなっています。

 

その中で大きなポイントは、3つあります。

税務調査(BIR Audit)の更なる強化

2020年度優先プログラムには合計で20の項目が掲げられる中、2019年と変わらず「税務調査の強化」、「課税ベースの拡大」に主眼が置かれています。

BIRの徴税目標(税務担当官のノルマ)は、毎年右肩上がりで伸びている中、近年多発している税務調査ですが、今後も引き続き徴税目標達成のため厳しい税務調査が行われることが予想されます。

 

移転価格の優先順位

近年、移転価格の法整備が進むインドネシアやタイなどASEAN諸国と比べて遅れているフィリピンですが、これまで移転価格文書にかかる通達や事前確認制度(APA‐Advance Pricing Agreement)などの移転価格関連の整備は行われていませんでした。

一方で、2019年8月に「移転価格調査ガイドライン(RAMO No.1-2019)」が公表されましたが、移転価格調査に関しては本優先プログラムでは触れられていません。

移転価格調査の今後の動向については、日系企業にとって非常に関心の高い論点ですが、一般的な税務調査の強化項目に含めているのか、移転価格の優先度合いが下がるという意味なのかは不明ですが、社内での移転価格文書化への対応含めBIRの動向を注視する必要があります。

 

VAT還付などの審査プロセス迅速化

税制改革第一弾(TRAIN)で規定された「電子請求書・電子領収書、電子売上報告システム」に関連して、BIRは企業の売上等の情報をリアルタイムで把握出来る効率的な仕組みの構築を進めるとしており、タイムリーで適切な税収確保が出来る体制を目指す意向があるようです。

しかし、従来から審査プロセスに膨大な時間がかかっているVAT還付・租税条約等のBIRルーリング・CAS(コンピューター会計システム)登録などに関しての個別の言及はないため、企業側にとって本優先プログラムにより実務的な運用がどの程度改善されるのかは不透明といえます。

 

という事で、今後ますます税務調査への対応がフィリピン日系企業にとって一つの経営リスクとなっていく中で、2020年3月27日、弊社東京オフィスにて「フィリピン税務調査セミナー」を開催します。

お時間ある方は是非ご参加ください。

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