第2章 カンボジア-投資環境

経済

2000年代に入って以降、カンボジア経済は安定し始め、長期内戦からの復興を果たしています。また2010年頃から、中国やタイから生産拠点の一部をシフトする動きが見られ、チャイナプラスワンやタイプラスワンと呼ばれ、注目を集めています。

GDPと経済成長率

GDP成長率は2004年~2007年までの間は二桁成長を成し遂げました。アンコール遺跡群を中心とした観光収入、縫製業・農業の好調、住宅や工場などの建設ラッシュ、そして、外国投資や市中銀行の融資が増えたことが要因となっています。
2009年には、アメリカのサブプライムローン問題に起因した世界金融危機の影響により、縫製品の輸出や韓国などからの観光客の減少により経済が大きく落ち込みました。
この落ち込みからの回復力を示しているのが翌年の経済成長であり、再び6%程度の経済成長率を実現しました。その後も7%程度の経済成長を2018年まで毎年実現しています。その背景には、やはり、中間層の台頭や、所得増加による消費市場の拡大が要因として挙げられます。
出所:INTERNATIONAL MONETARY FUND, World Economic Outlook Database, October 2018201820年は推定値)

■国家財政

カンボジアでは、徴税が適切に行われていないことや投資法による免税措置(詳細は後述)が広範囲にわたることから、歳出を賄うほどの政府歳入がなく恒常的に財政赤字が続いています。2007年〜2008年では一時的に黒字に転じたものの、世界経済危機の影響を受けて翌年には再び赤字になり、18,307億リエルと過去最大の赤字となりました。以降も毎年財政赤字が続いています。国家の歳入と歳出は年々増加しており、それに比例して毎年赤字も多少増えているものの、赤字の割合は減少している傾向にあります。
出所:INTERNATIONAL MONETARY FUND, World Economic Outlook Database, October 2018201718年は推定値)

■平均インフレ率と消費者物価指数

カンボジアのインフレ率は、政治社会情勢が影響し、1991年に最高の191.00%を記録しました。しかし、2000年以降、2008年の石油価格の上昇による25%を除いて、1桁台を保ち、安定しています。2018年は3.25%と推定されています。
出所:INTERNATIONAL MONETARY FUND, World Economic Outlook Database, October 20182018年は推定値)
また、消費者物価指数は2004年に86.89を記録し、2017年には169.87となり13年間で約2倍となりました。その後も右肩上がりで上昇しています。なお、中国やベトナムなどのアジア諸国と比べると、インフレ率は比較的低く推移しています。

■貿易

インドや中国での生産コストの上昇を受けて、カンボジアなどの低賃金が期待される国への衣料産業のシフトが全世界的な傾向となっています。ジェトロおよびカンボジア経済財政省によると、カンボジアは2017年の輸出総額は約110USドルで、前年より27.1%の増加となりました。また、同年の輸入総額は、約137USドルで、前年より11.3%の増加となっています。
カンボジアは輸出総額の約64%を衣類が占めています。その次に天然ゴムが2.3%となっています。これは、2016年より53.4%上昇しており、年々増加している傾向にあります。天然ゴムの輸出は主に中国向けとなっています。
出所:カンボジア経済財政省関税消費税総局
出所:2017年,IMF[Direction of Trade Statistics]
輸入総額の約54%を衣料原料が占めており、2017年の輸入額は約74億ドルで、衣料生産のために隣国のベトナムや中国から調達されています。近年ではタイからの輸入割合が増え、最も輸入割合が高い国となっています。
カンボジアの主要産業は縫製業ですが、原材料の国内調達が難しいため、主に投資適格案件(QIP)認可を取得している製造業が輸入しています。2018年時点では、建設原料の輸入が増加しています。これは、都市部での建設ラッシュによりオフィスビルやアパートメント、投資用マンション、商業施設などが次々と建設されているためです。カンボジアの建設省によると、20178月時点で2017年の上半期の投資額は前年比約27%となっており、49億4000万米ドルと言われています。また、国道などインフラの整備も理由となります。2018年5月にはアジア最大級と言われるイオン2号店が開店し、その他にも複数の商業施設が開業されています。今後も商業施設の開業予定やビルの建設が予定されています。
衣料原料や車両、建設原料の輸入は増加傾向である一方、石油製品の輸入は減少傾向にあります。カンボジアでは、2017年より製油所の建設が始められており、2019年半ばに年間処理能力200万トンのプラントが完成を予定されています。製油所が完成することで、石油製品の輸入がさらに減少すると見込まれています。
 
出所:カンボジア経済財政省関税消費税総局
出所:2017年,IMF [Direction of Trade Statistics]
対日本貿易に関しては、輸出入ともに増加傾向にあります。2009年までは日本に対する貿易収支は赤字となっていましたが、2010年以降貿易黒字となりました。そして2017年の日本の貿易統計(通関ベース)によると、カンボジアから日本への輸出額は約126千万USドルであり、前年比より4.4%の増加となっています。日本からカンボジアへの輸入額は約35千万USドルで、前年比より16.7%の増加となっています。
カンボジアの主な輸出品目は衣料や靴です。ニット製品を除いた布帛製品(スーツ、シャツなど)の輸出額は、約48千万USドルであり、前年比より2.3%の増加となっています。カンボジアの輸入品目は、建設機械や車両が中心となっています。
出所:財務省「貿易統計(通関ベース)」

■産業別動向

カンボジアの産業構成は、他国と比較して農業割合が高く、今後は工業、サービス業の占める割合が増加すると期待されています。
[農業]
労働人口の8割以上が従事している事業が農業です。農用地面積は国土面積の3割を占めています。GDPに占める割合が約25%であることから、農業はカンボジアの主要産業となっています。
主な農産物は、コメ、キャッサバ、とうもろこし、天然ゴム等があげられます。カンボジアの気候により、稲作は雨季作を基本として天水に依存しており、生産性は低い状況です。また、都市化が進んでおり、首都に人口が集中することで農業就労者が減ってきています。
農作物の輸出政策
「メコン川流域に住んでいれば飢え死にという言葉がない」と古来言われているように、多種類の米や食物が収穫できます。フン・セン首相の「カンボジアを世界のライスバスケット(米びつ)にする」という発言の通り、カンボジア政府は2015年までにコメの余剰を400万トン以上とし、少なくとも100万トン以上を精米して輸出するという目標を掲げていました。しかし、2016年には精米輸出量は54万トンとなり2015年以降目標には届いておらず、前年比0.7%増と足踏み状態となっています。
[工業]
カンボジアにおける工業は、2017年のGDPにて32.7%を占めています。なかでも縫製業は、最もカンボジア経済の発展に貢献しているといわれています。1997年にアメリカからの最恵国待遇の付与によりアメリカ向けの繊維縫製品の輸出が非課税となったため、外国投資の呼び水となりました。これにより、プノンペンを中心に安い労働力を求めて外国投資による縫製工場の建設が増加しました。
カンボジア工場改善プログラム
「カンボジア工場改善プログラム(Better Factories Cambodia)」とは、国際労働機関(ILOInternational Labor Organization)によって管理され、政府、カンボジア縫製業協会(GMAC: Garment Manufacturers’ Association in Cambodia)及び労働組合によって運営されています。ILOのチェックリストに基づいて500近い項目を縫製工場に対して抜打ち検査し、賃金、労働時間、騒音、労働契約、児童労働など多岐にわたって調査されます。これにより、生産性の向上や労働条件の改善へとつながっています。
縫製業は多くの雇用者を確保できる産業(労働集約産業)であるため、農業と同様に国の発展や貧困削減に貢献するものと期待されます。
[観光・サービス]
カンボジアにおいて、サービス業は好調で、経済成長を大きく支えています。2017年のGDP42.3%を占めており、カンボジアへの観光客数は年々増加しています。
カンボジアには、アンコールワット遺跡をはじめ世界遺産が多数存在し、貴重な資源の一つとなっています。観光地として、アンコールワット遺跡があるシェムリアップが有名ですが、首都プノンペンも多くの外国人訪問客が訪れる都市です。プノンペンは、フランスの植民地で「東洋のパリ」と呼ばれていたこともあり、その時代の街並みが残っています。また、キリングフィールドやトゥールスレインといったクメールルージュ時代の場所も観光地として有名です。
カンボジアを訪れる人の90%以上は観光目的とされています。2017年には、観光業での収益は36億ドルとなり、前年より約13%増加しました。外国人観光客は、同年560万人を達成し、2020年までに年間外国人訪問者数700万人を目標に掲げています。
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 【カンボジア現在の動向】

現在、カンボジアで盛んに投資が行われている分野が製造業、いわゆる縫製業や製靴などの労働集約型産業です。
これらの分野では、近隣諸国のタイやベトナム比較してもかなり安く労働者を確保することが可能であり、さらに労働者に対して社会保障手当等の負担義務が比較的低いことが、進出が盛んになっている理由といえます。また、農業、観光業、天然資源開発もカンボジア王国が投資を推奨している分野であります。
カンボジア政府は、今後の展開として、精密機器などの電子、電気分野、天然ガスや石炭などの資源開発分野について特に誘致を推奨しています。
カンボジア投資方法の最大の特徴は、もっとも進出ハードルが低い制度設計になっていることです。
基本的に、株主や取締役に現地企業の参加やパートナーシップの締結などは特に必要とされておらず、外国資本100%での設立も可能ですし、送金規制もほぼ制限がありません。このように国内、外国投資家ともに平等に取扱を受けることができます。資本金に関しては、約1,000USDから会社設立が可能であり(会社法144条)、資金的にもハードルが低い設計となっています。経済特区内に会社を設立する場合、優遇措置の適用もあり、法人税や輸出入関税、付加価値税などの免除を受けることも可能となっています。
また、雇用・労働に関する規制についても、縫製・製靴工場従業者を除いては、最低賃金などの規制がなく、他の東南アジア諸国と比較しても、それほど厳しいわけではないと理解しています。

現在、日系企業数は、カンボジア日本人商工会に加入している数を見ても、2007年に34社だったものの、2013年頃には約153社、2019年4月現在では、約261社まで増加しています。日系大手商業施設の進出、それに伴い特に中小、個人事業を中心として、サービス業の進出が相次いでおり、「製造業のカンボジア」に加え、「内需のカンボジア」に向け、着実に成長しつつあります。

 

 

投資環境

■金融(株式)市場

2011年7月11日に、カンボジア政府と韓国証券取引所がそれぞれ55%と45%の合弁により、カンボジアでは初となるカンボジア証券取引所(CSX: Cambodia Securities Exchange)が開設しました。

なお、「証券セクターに対する優遇税制に関する法令70号」によれば、上場企業は法人所得税の10%軽減(第4条)、利息・配当の源泉徴収税が50%軽減(第5条)の優遇措置が受けられます。

 

2012年4月18日に、プノンペン水道公社がカンボジアで初めて上場しました。2018年現在の上場企業は以下の通りとなります。

 

・ 2012年4月18日 プノンペン水道公社(PPWSA)

・ 2014年6月16日 グランドツイン・インターナショナル・カンボジア(GTI)

・ 2015年12月9日 プノンペン港湾公社(PPAP)

・ 2016年5月30日 プノンペン経済特区(PPSEZ)

・ 2017年6月8日 シアヌークビル自治港(PAS)

 

民間企業の中では、ASA公開有限会社、ハッタカクセカー(HKL)等の金融企業が上場を予定しているといわれています。

 

また、カンボジアでは中小企業が銀行から融資を受けることは難しいため、2015年9月に政府は成長市場(Growth Board)と名付けた市場を設置し、大企業よりも要件や資本制限を緩やかにして中小企業が株式を発行できるようになりました。しかし、2018年までに上場企業としてみなされている企業は、上記の5社にとどまっています。

 

さらに、2017年には社債発行に関する規制を定めました。そして同年には、カンボジア国立銀行が商業銀行やマイクロファイナンス機関による社債発行および株式上場に関する省令を交付し、金融機関も総資産の20%未満まで社債発行が可能となりました。

 

2018年には、カンボジアのマイクロファイナンス大手であるハッタ・カクセカーが世界銀行グループの国際金融公社の支援の下、同国初の現地通貨リエル建て社債発行をカンボジア証券取引委員会(SECC)に申請し、同年に社債の発行をしています。また、2018年6月よりオンライン取引プラットファームが開始され、より多くの投資家が手間なく取引ができるようになりました。

 

■為替レート

カンボジアは、ほぼUSドル化した経済となっており、都心部での買物では通常USドルを使用し、リエルは1USドル未満の支払や、農村部で使用されます。

 

過去10年分のカンボジアの通貨であるリエルの動きを見てみると、2010年から2012年にかけてリエル安の傾向にありましたが、2013年以降はリエル高の傾向となっています。海外直接投資の増加、各国による経済協力に伴う通貨流入などが、リエル高の要因と考えられます。

3月末の税金の納付期限と収穫期におけるコメの買い付けによりリエルが必要となるため、季節的なリエル高の要因となっています。

なお、為替レートは、2018年10月現在、1円=約36リエルとなっています。

 

■外国直接投資(FDI)

カンボジア投資委員会によると経済特別区(SEZ)外での2017年の外国直接投資(FDI)の総額(QIP認可ベース)は、約20億9千万USドルとなり、前年より9.6%減少しました。投資額のほとんどが中国によるものです。2017年には約14億3千万USドルを投資しており、前年より95.8%の増加になっています。これは、シェムリアップ空港移転に伴う約9億6千万USドルの投資額も含まれています。

 

カンボジア経済特別区委員会のSEZへの進出案件(同様にQIP取得企業)を対象とした統計によると、2017年のSEZへのFDIの総額(QIP認可ベース)は約4億8千万USドルです。これは、前年より192.3%の増加となりました。同年のSEZへの投資は、件数ベースでシアヌークビルSEZ(18件)、プノンペンSEZ(13件)が多くなっていました。国別にみると、ここでも中国の投資額が目立ち、約3億4千万USドルとなり、同年の投資額のほとんどが中国になります。中国に比べて投資額は低いものの、2016年にはシンガポール、台湾、韓国のSEZへの投資実績がありました。

 

業種別では、観光業が2016年の投資額は919,000米ドルに対し、2017年には1,204,000米ドルとなり大きく伸びました。主要な観光地であるアンコールワット遺跡の入場料が同年2月に値上げされたにもかかわらず、同所の外国人訪問者数は2017年は約250万人で前年比12%増加となっています。2000年には47万人にでしたが、2017年には560 万人までに増加しています。また、工業ではる縫製・製靴分野への投資が増加しています。しかし、毎年の最低賃金の上昇により、今後の投資において懸念がされています。

 

■インフラ

[道路]

カンボジアの道路網は総延長約30,268kmであり、その内国道が4,695km(一桁番号の国道:2,052km、二桁番号の国道:2,643km)です。

主要な物流である道路インフラは、国道1号線,4号線,5号線がプノンペンと隣国やシハヌークビル港を通じて国際市場とをつなぐための重要なルートをなしています。2014年にはカンボジアの公共事業運輸省が高速道路網計画を発表していますが、2018年時点で高速道路はまだ存在していません。

国道4号線は、シハヌークビル港とプノンペンを結ぶ道路で、1990年代に整備され、多くの大型車両も通行しています。有料道路でしたが、2016年に料金所が撤廃されました。中国企業の支援によって、プノンペンとシハヌークビル間で高速道路の建設が予定されています。これは、アジアハイウェイ(AH)11号線の一部となります。2018年11月から工事の開始が予定されており、2023年に完成を予定しています。

カンボジアで最も注目される道路建設計画は、西はタイ・バンコク、東はベトナム・ホーチミンシティを結び、国内ではプノンペンを通って横断する、アジアハイウェイ(AH)1号線です。このルートは東南アジアの海沿いの3カ国を横断する幹線道路という意味で第2東西経済回廊や南部経済回廊と呼ばれています。

カンボジア国内では、ベトナム・ホーチミンやその郊外の港湾をつなぐ工業団地のバベットとプノンペンを結ぶ国道1号線と、タイとカンボジアをつなぐ工業団地のポイペトとプノンペンからを結ぶ国道5号線の2ルートがあります。また、国道1号線はカンダル州とプレイベン州の州境ネアックルン地区でメコン川により分断され、川を渡るにはフェリーを利用するしかありませんでしたが、日本の協力で整備が進められ、2015年4月にネアックルン橋(通称つばさ橋)が開通しました。

 

タイ-ベトナム間を陸路で結ぶと海路より大きく時間短縮できますが、カンボジアを陸路で通過する際に関税が必要となるなどネックもありました。しかし最近、日本の運送会社が保税輸送ライセンスを持っている地元運送会社と提携してタイ-ベトナム間のサービス提供を開始するなど、第2東西経済回廊が経済回廊として機能しはじめています。また、2018年3月の大メコン圏(GMS)首脳会合でアーリーハーベスト措置の実施が合意され、同年6月より「一時許可書類(TAD)」を携行する車両は、GMS加盟国間で車両の乗り換えをすることなく相互通行が可能になりました。しかし、この措置では各国500台までしか越境交通ライセンスを持つことができなくなっており、どこまで輸出入の自由ができるのかは不明瞭となっています。

 

プノンペンの道路インフラでは、2016年より信号機の設置が日本の援助により進められています。市内64か所の信号機を付け替え、36か所に新設されます。この合計100か所の信号機が交通管制センターとネットワークで繋がり、交通状況を監視し渋滞や事故の減少を図っています。

 

[鉄道]

カンボジアの鉄道は、北線と南線の2つの路線が存在します。北線はプノンペンとポイペトを繋ぎ、南線はプノンペンとシハヌークビル港を繋いでいます。内戦以前から存在し、内戦によって駅舎などが破壊され、その他、地雷や洪水などの問題があり、長年十分に機能していません。また、運行本数が非常に少なく利便性に課題があります。

 

2005年には、ダイヤの改正がなされ、北線は1日3本、南線は1日1本の列車が設定されました。旅客列車は、北線のみで1週間に1回に削減されました。南線は旅客減少が激しく、山賊に襲撃されるなどの治安問題があったため、2004年に打ち切られています。

2016年には、北線での旅客列車の運行が再開されました。2018年4月4日から、シソポンからタイとの国境にあるポイペトまでの列車の運行も再開され、プノンペンからポイペトまでの直通列車も再開されました。

 

また2018年4月10日に、プノンペン国際空港までの支線が開業されました。

 

将来的にはシンガポールから中国雲南省の省都「昆明」まで延長予定の、ミッシング・リンクと呼ばれるプノンペン-ベトナム国境間の鉄道建設が計画されています。2011年7月に開催された第4回日メコン外相会議において、日本、ラオス、ミャンマー、ベトナム、タイ、カンボジアの代表らは、ミッシング・リンクへの対応を含むメコン地域のインフラ整備について協議しました。この計画は中国の資本によるものであり、完成後にはカンボジアと中国との距離が一気に縮み、モノとヒトの大移動が可能になります。

 

2015年には、アジア開発銀行が中心となって大メコン圏地域戦略の提唱を行い推進しています。この戦略はカンボジアに大きな影響を与えており、域内の道路のリンクが重要であると注目されています。技術研究所の設立を目指し国際基準に対応できる技術者集団を作ること、職業訓練施設の設立による知識と技術力の標準化などを行っており、人材登用制度の呼びかけも想定されています。

 

[水運]

カンボジアの内陸水運のネットワークはメコン川とその支流、トンレサップ川、バサック川から構成されています。雨季においては全長約1,750kmですが、乾季には船が通行できる距離は全長約580kmに減少します。

 

河川港で物流を支える主な港はプノンペン港です。プノンペン港は、カンボジアとベトナム国境のカアムサムナー(Kaam Samnar)から100km、南シナ海への出口であるチュウテイアウ(Cuu Tieu)から332kmに位置しています。この港は、プノンペンとベトナム・ホーチミン市を結ぶ役割を担っています。

その他に内陸河川沿いの主な港は、以下の6港があります。

スタントレン(Stung Treng) 港 : クラティエ港から1,280キロのメコン上流
クラティエ(Kratie)港 : コンポンチャム港から121キロのメコン上流
トンレベト(Tonle Bet Port)港 : コンポンチャム州、プノンペンから106キロのメコン上流
ニークロアン(Neak Loeang)港 : プリベン州、プノンペンから60キロのメコン下流
コンクニアス(Chong Khneas)港 : シェムリアップ州、プサール・クロム港から190キロのトンレサップ川上流
プサール・クロム(Phsar Krom)港 : プノンペンから100キロのトンレサップ川上流

 

2009年にベトナムでカイメップ・ティバイ港が整備され、それ以降、プノンペン港を使用する貨物も増えています。

また、2013年に中国の支援によってプノンペン新港が開港されました。プノンペン新港からは、ベトナムのホーチミン市もしくはその郊外にある港湾に運ばれます。また2018年には、プノンペン港で行われていた物流もプノンペン新港がその役割をなしており、中国企業によってプノンペン港の大規模再開発が予定されています。

カンボジアに存在する唯一の外港であるシハヌークビル港は1960年に建設された港湾で、プノンペンと国道4号線で結ばれており、カンボジア唯一の深海港です。シハヌークビル港湾公社が管理・運営をしており、2007年以降は日本の円借款によって整備がされています。シンガポールやホーチミン市を経由して、週14便の定期便が他国とカンボジアをつないでいます。取扱量は年々増加しており、コンテナでの輸出入、燃料の輸入が多くなっています。

シハヌークビル港以外にも、スレアンベル港、カンポット港、オクニャモン港等の小規模な港が存在しています。特にオクニャモン港は一般貨物を頻繁に取り扱っています。その他、プリ・シハヌーク州のスタンハブでの国際港、ケップ洲での観光港計画などがあります。

[空港]

カンボジアには2018年時点で11の空港があります。定期便が使える主な空港は、プノンペン国際空港とシェムリアップ国際空港のみとなっています。

プノンペン国際空港でプノンペンに乗り入れている飛行機の主な行き先は、バンコク、ホーチミン、クアラルンプール、広州、上海、香港、ソウル、成田等となり、欧米への直行便はありません。

 

2001年にプノンペン国際空港は施設を新たに改修し、2015年から2018年の間に直行便が増えています。プノンペンと成田の直行便は、ANAが2016年9月より開設しました。また2017年には、複数の航空会社による他国とプノンペン間で直行便が運航されました。

2018年には、カンボジアアンコールエアー、スカイアンコール航空、バサッカエアー、JCインターナショナル航空、ランメイ航空、スモールプラネット航空、カンボジアバイヨン航空の7つの現地航空会社と37の国際航空会社が運航をしています。

また、カンボジア政府は2018年1月にプノンペン郊外のカンダル州タカマオ市にある2600ヘクタールの敷地に新たな国際空港を建設することを発表しています。投資額は15億USドル規模を想定しており、空港はシェムリアップ国際空港と同等の規模が見込まれています。これは、増加し続けている外国人観光客に対し、現在の空港だけでは受け入れきれないことと、長距離飛行を行う大型旅客機に対応するための空港の拡張も難しいことが理由として挙げられています。しかし、発表されてから着工自体に目処がたっておらず、建設は遅延し、完成予定も未定となっています。

 

[電力]

カンボジアで事業を行うには、ディーゼル及び重油を燃料とした自家発電機を利用しなければならず、電力不足が一つの悩みとなっていましたが、2011年12月、カンボジア最大の水力発電であるカムチャイ・ダムが操業を開始しました。中国の資本により建設されたこのダムは、2.8億USドルを投じられ、総出力は195メガワットとなっています。

 

政府は更に、2019年までに合計2,045メガワットの電力を供給できる9つのダムを完成させる予定で、今後、電力不足は徐々に解消されていくものと思われます。

2011年3月に発生した東日本大震災により、原子力発電に対する不安が世界中に広がりました。安全と環境を両立できる水力発電の大規模導入例として、カンボジアのダム建設計画は、国内のみならず国外からも大きな注目を集めています。

一方地方では依然として24時間供給は保証されておらず、品質も信頼性に欠けるのが現状です。2007年のカンボジア電力開発計画では、電力需要は2020年まで急速な増加を辿ると予想され国営企業であるEDC(Electricite du Cambodge)は2020年までに全ての村で、2030年までにはその他の農村地帯においても70%の地域に電力を供給する計画をしています。

 

鉱工・エネルギー省の報告書によると、2017年の総エネルギー生産量は2,283メガワットで、2016年の2,115メガワットから増加していました。総生産量の43%が水力発電、23%が石炭火力発電、11%がディーゼル発電、3.6%がバイオマス発電、18%が輸入電力です。

 

[通信]通信手段は、徐々に国民全体に行き渡ってきています。固定電話の使用率は2009年で0.4%であったのに対し、2012年には3.9%になりましたが、2012年以降は携帯電話の急速に普及により固定電話の使用率は年々低下しています。

 

出所:カンボジア電気通信規制機関(Telecommunication Regulator of Cambodia ,TRC)

一方、携帯電話の普及率は2009年に44.8%であったのに対し、2013年以降では130%以上と大きく増加しています。携帯電話加入者は、2015年に最高の約2,085万人に到達し、その後は下降しています。2018年4月時点での加入者数は約1,827万人となっており、同年のカンボジア人口約1,620万人と比較しても、非常に高い数値となっています。

 

出所:カンボジア電気通信規制機関(Telecommunication Regulator of Cambodia ,TRC)

主な携帯電話会社は、以下の6企業になります。

 

 

企業名 携帯キャリア
CamGSM Co., Ltd. 携帯キャリア「Cellcard」

消費者市場と企業市場どちらでもサービスを展開

Viettel (Cambodia) Pte. Ltd. 携帯キャリア「Metfone」

2010年にMobitelを買収

モバイルサービスのシェア46%を獲得

Smart Axiata Co., Ltd. 携帯キャリア「Smart」

加入者は750万人を超え、2億6,000万人以上の顧客を抱えるアジア最大級の電気通信グループであるAxiata Group Berhaの一員

Xinwei (Cambodia) Telecom Co., Ltd. 携帯キャリア「Cootel」

カンボジアで正式に4G技術を提供する最初のオペレータ企業

Cambodia Advance Communications Ltd. 携帯キャリア「qb」

2006年に通信ライセンスを取得、2008年3月にサービスを開始

South East Asia Telecom (Cambodia) Co., Ltd 携帯キャリア「Seatel」

2014年シンガポールにASEAN地域の移動通信およびISP投資家として設立

SEATEL Groupの子会社South East Telecom(Cambodia)Co., Ltd.(SEATEL Cambodia)を2014年に設立

 

日本とは異なり、携帯電話の利用方法は主にプリペイド方式となっています。9割以上がSIMカードを購入しての利用で、発行枚数は人口比で130%程度となっています。外国人のSIMカードの購入にはパスポートが必要となります。

 

インターネット環境も徐々に整備されています。カナダのInternational Development Research Center (IDRC)の支援をうけた郵電省が1997年に導入し、現在はCamNetという名称でテレコム・カンボジア(Telecom Cambodia)が運営しています。GMS情報スーパーハイウェイ・プロジェクトの一環として、カンボジア、中国、ラオス、ミャンマー、ベトナム、タイを結ぶ650kmに及ぶ光ファイバーケーブルの敷設が2009年7月に完了しました。2017年の3月にはカンボジア初の海底通信ケーブルが政府と民間企業の協力により実現しています。

インターネット加入者は、年々増加しており、2018年4月時点で約1,098万人が加入しています。郊外エリアのインターネット環境も整備が本格的に始まり、2018年にコンポンチナン州で整備が開始されています。2018年では全土で78%の普及率を達成しています。

 

出所:カンボジア電気通信規制機関(Telecommunication Regulator of Cambodia ,TRC)

 

Wi-Fi環境の整備も進み、空港、ホテル、アパートやマンション、カフェやレストラン、スパなど、飲食店や商業施設にはフリーWi-Fiが利用できるようになっています。政府は2020年までに都市部の100%、それ以外の地域70%を512kbps以上のネットワークで結ぶ目標を掲げています。

 

カンボジアには有線インターネット接続事業者が33社あり、無線などのモバイルインターネットの普及率と有線のインターネットの普及率は99:1となっています。そのため有線事業者は激しい価格競争に陥っており、回線設備に十分な投資をすることができず、混雑時間帯の回線不良など、通信容量増大に追いついておらず、また、劣化した通信ケーブルによる事故も発生しているなどの課題があります。

■人的資源

ポルポト時代の大量虐殺を背景に、カンボジアの人口ピラミッドは少しいびつな形をしており、30代以上の世代が極端に減少しています。過去の内戦により、有能な人材の喪失、法律を含む文献、インフラなど各方面での破壊、国土の自由な往来を妨げる埋設地雷、そして国連主導で成立した政府の統治能力の低さなど、さまざまな面で悪影響は確かにあります。

それでも20歳代以下の人口が喪失分を補う「若い国」として、現在著しい発展を遂げています。

 

出所:Population of Cambodia 2017 – PopulationPyramid.net

 

Worldometersによると、2018年5月時点において、人口は約1,620万人となっています。

 

全体の人口と都市部の人口(予測)

出所:Cambodia Population (2018) – Worldometers

 

カンボジアの賃金は年々増加傾向にあり、最低賃金は2018年時点で170USドルになっています。カンボジアの最低賃金は、製靴、繊維および縫製業界のみに適用されています。1997年は、月額40USドルであったことに対し、20年後の2017年には、月額153USドルに引き上げられています。

 

施行年 最低賃金額(USドル)
1997 40
2000 45
2007 50
2010 61
2013 80
2014 100
2015 128
2016 140
2017 153
2018 170
2019 182

 

最低賃金額は、労働法に基づいて、労働諮問委員会が政府に勧告する額によって決められています。毎年7月から検討を始め、10月には最低賃金額を決定し、翌年1月から施行するという流れになっています。コンセンサス方式が採用されていますが、決まらない場合は、投票による過半数以上によって決められています。場合によっては、首相の指示によって引き上げられる場合もあり、2015年から2019年では、フン・セン首相が委員会によって決められた額に5USドル上乗せし、それぞれの金額に決定されました。

また、2016年から最低賃金額を決める要素は、家族の状況、インフレ率、生計費という社会的基準、生産性、競争力の確保、労働市場の状況、各部門の利益率という経済的基準の7要素となっています。これはILO条約第131号という条約よって定められています。

 

今後のカンボジアの最低賃金は、上昇率は低下するものの、継続的に増加していくことが考えられています。

 

カンボジア人スタッフの月給は、ジェトロの調査によると、2017年から2018年1月では月額賃金は下記のようになっています。

<製造業>

作業員(一般工職) 170USドル
エンジニア(中堅技術者) 351USドル
マネージャー(課長クラス) 829USドル

<非製造業>

スタッフ(一般職) 387USドル
マネージャー 1,005USドル
店舗スタッフ(アパレル) 120〜180USドル
店舗スタッフ(飲食) 120〜220USドル

 

 

 

東南アジア諸国と比べると、カンボジアの賃金は比較的低いことがわかります。全人口の半分以上が25歳以下という若い労働力を供給でき、他のアジア諸国と比較した月額賃金を見ても安価なものとなっています。

しかし、作業員を除いた労働者の賃金は、より高額になってきているという実態があります。なんらかの公的資格を有しているだけで、非常に賃金が高くなります。日本語人材は、日本語能力試験(Japanese Language Proficiency Test、JLPT)でN3を取得している労働者は、月額賃金400USドル以上が相場となっています。

 

■その他の投資メリット・デメリット

[一特恵関税制度・特別特恵制度]

カンボジアは、先進国が供与する一般特恵関税制度(GSP:Generalized System of Preferences)の受益国の一つとなっています。

 

GSPとは、原産地ルールなどの条件を満たしていれば、受益国から輸出される物品に対して輸入関税が免除もしくは引下げられる制度です。下記が措置の内容になります。

項目 農水産品 鉱工業産品
対象品目 特定の品目を選定し,その品目に対して特恵関税を供与。408品目 石油,毛皮など一部の例外品目を除き,原則としてすべての品目に特恵関税を供与。3,151品目
特恵税率 個々の品目ごとに一般の関税率より低い税率を設定 ア 原則として無税
イ ただし,一部の品目は一般税率の20%,40%,60%,80%。
特恵停止方法 エスケープ・クローズ方式:国内産業に損害を与える等の場合に,政令で特恵適用を停止 エスケープ・クローズ方式:同左

出所:特恵関税制度、外務省

 

更にカンボジアは、特別特恵制度を受けています。これは、後発開発途上国(LDC:Least Developed Country)に該当するため、他の開発途上国に比べ追加的な優遇措置を受けることができます。この措置は2,431品目の特別特恵対象品目について、無税の措置を供与しています。

 

これにより、日本など先進国へ輸出する場合、タイやベトナム、中国に拠点を置くより、品目によっては、関税の面で有利になることがあります。

 

 

投資規制とインセンティブ

 

投資規制

禁止業種

政府発行の政令によって、不適格リストが規定されており、下記の事業については、外国企業による投資が禁止されています(投資法改正法の施行に関する政令111ANK/BK号附属1条)。
・ 向精神剤及び麻薬物質の製造・加工
・ 国際規則または世界保健機構により禁じられた有害性化学物質、農薬・農業用殺虫剤、及び化学物質を使用したその他の商品で、公衆衛生及び環境に影響を及ぼすものの製造
・ 外国から輸入する廃棄物を使った電力の加工及び生産
・ 森林法により禁止されている森林開発事業

出資比率の規制

カンボジアでは、他のアジア諸国のように出資比率に関する上限規制はありません。従って、上記禁止業種以外では、外国資本100%の現地法人設立が原則として認められています。これは、カンボジアでは地場資本の産業がほとんど存在しないため、保護すべき対象がないことが要因と考えられます。いずれにしても、外国資本に対して最も開かれた国の一つであるといえるでしょう。
ただし、公開会社形態(後述)の企業に対する外国資本の出資は49%までしか認められていません。

資本金に関する規制

新規登録の最低資本金は、銀行などの金融機関を除き400万リエル(約1,000USドル)です(会社法第144条)。ただし、投資優遇措置の申請を行う場合は、別途最低投資額が定められています(投資優遇措置の申請を行う場合の別途最低投資額は後述)。

外国企業の土地所有に関する規制

憲法44条において、外国企業及び外国人は土地を保有できないことが明記されています。そのため、外国企業は以下の表のいずれかの方法により土地を利用することになります。
なお、土地以外の不動産については、アパートやコンドミニアムなどの集合住宅について、2階より上層階部分について外国企業(個人)の所有が認められます。

外国人の雇用上限

カンボジア国民の雇用を守るため、外国企業は、原則としてカンボジア国民の雇用を優先させなければなりません。
ただし、カンボジア国内で人材の獲得ができない場合には、外国人管理者、技術者または専門家を雇用することができます(特別経済区政令11条)。改正投資法18条によれば、その上限は総従業員の10%までとされています。

外国為替規制

19979月に制定された「外国為替法(Law on the Foreign Exchange)」において、「公認銀行を通じたものであれば、外国為替取引に対しては制限しない」旨が規定されています。
[国外送金]
1USドル相当以上を送金する場合は、カンボジア国立銀行へ送金額の届出を行い、認可を得なければなりません(外国為替法17条)。
[外貨の持出し]
1USドル相当以上の支払、またはこれに相当する国内通貨を輸出入する場合は、税関へ申告をしなければなりません(外国為替法12条、13条)。
[資金の借入]
資金の借入については国内外問わず、居住者と非居住者の間で行うことができます。ただし、貸出と返済は、公認銀行を通して実施しなければなりません(外国為替法18条)。
[その他]
金や未カットの宝石等の貴金属を輸出入するためには、事前にカンボジア国立銀行へ届け出る必要があります。
また、1USドル以上、または1USドル相当の国内通貨を輸出入する際には、税関へ申告しなければなりません(外国為替法12条、13条)。

 

 

投資インセンティブ

カンボジア王国に対する投資に関する規則は、1994年のカンボジア王国投資法、2003年のカンボジア王国投資法改正法(以下、「投資法改正法」という)及び2005年の改カンボジア王国投資法改正法に関する施行細則(政令第111ANK/BK号)に規定されています。
インセンティブを受ける方法として、適格投資プロジェクト(QIPQualified Investment Project)による優遇措置、特別経済区制度及び特定分野に対する優遇措置など、さまざまな制度が用意されています。

■QIPへの投資優遇措置

適格投資プロジェクト制度は、雇用創出及び産業育成を目的とした制度であり、外資誘致政策の一つです。
適格投資プロジェクトの適用を受けるためには、カンボジア開発評議会(CDCCouncil for the Development of Cambodia)へ申請を行い、認可を得なければなりません。
認可を取得できれば、下記に記載している法人税の免税など、種々の優遇措置を受けることができるため、進出にあたっては、ほとんどの企業が利用を検討することになります。
[優遇措置の内容]
ワンストップ・サービス
継続的な投資促進サービスの向上のために、CDC内にカンボジア特別経済区委員会が設立されています。カンボジア特別経済区委員会の管理の下、投資プロジェクトの登録から日々の輸出入許可に至るまでワンストップ・サービスを提供することになっています。
法人税免除または特別償却の優遇措置
企業は通常20%の法人税を納めなければなりませんが、QIPの免税措置を受けた場合は、最長9年間の法人税免除を受けることができます。その内訳は、始動期間、3年間、優先期間からなります。始動期間とは、「最終登録証明書発行の日から利益を計上するまでの年」、または、「最初に売上を計上してから3年間」のいずれか短い方となります。優先期間(最長3年)は、投資業種と投資金額により認められる延長期間のことであり、個別案件ごとに当局が決定します。デメリットとしては、法人税免除を受けるために、毎年「義務履行証明書」を取得する必要があり、財務状況などの開示をしなければなりませんので、間接コストがかさむという点があげられます。
それでも、上記の通り最長9年間免税されることから、投資の際に是非活用したい優遇措置の一つといえるでしょう。
また、法人税免除の適用を受けない場合は、固定資産の40%の特別償却が認められ、製造・加工工程において使用される新品または中古の有形固定資産価額の40%について特別償却することができます。
輸入関税免除の優遇措置
QIPの優遇制度の目玉のもう一つが輸入関税の免除です。すべてのQIPに共通するものは、生産用設備、建設用資材の関税免除です。
国内志向型QIPDomestically oriented QIPs)は、生産設備、建設資材及び輸出品生産のための生産投入材に対して輸入関税が免除されます。国内志向型QIPは生産投入材について、申告ベースで輸入関税の還付を受けることができます。つまり、輸入の時点では課税されますが、直接輸出、または輸出産業に供給した場合は、輸出した商品の生産に用いた生産資材の数量に応じて、四半期報告書の審査を経て関税の免除が適用される、という仕組みになります。
輸出志向型QIPExport Oriented QIPs)については、生産設備と建設資材の他に、原材料、中間財、副資材の輸入関税が免除されます。輸出志向型QIPは、何%以上を輸出しなければならない等、具体的基準は定められておりません。
裾野産業QIPSupporting Industry QIPs)は、生産設備、建設資材、原材料、中間財、生産投入用副資材の輸入関税が免除されます。なお、製品を100%輸出企業に提供しなかった場合や輸出できなかった場合は、その部分について輸入関税及びその他の税金が課されます。
[優遇措置を受けるための最低投資額]
投資法改正により、投資優遇措置の対象が拡大、更に最低必要投資額の引下げが実施されました。これにより、中小企業でも、QIPによる優遇措置の恩恵を受けることができるようになりました。
業種ごとの最低投資額は、以下の表の通りです。

優遇措置不適格プロジェクト

下記のプロジェクトについては、優遇措置を受けることができません。
・ 各種の商業活動(輸入、輸出、卸売、小売、免税店)
・ レストラン、カラオケ、バー、ナイトクラブ、マッサージ店、フィットネスセンター
・ カジノ、賭博、観光、専門的サービス
・ 銀行、金融機関、保険会社、金融仲介業の通貨・金融サービス
・ 三ツ星を下回るホテル
・ 不動産開発、倉庫設備、駐車場
・ 新聞、メディアに関する活動(ラジオ、テレビ、報道、雑誌、映画、ビデオ製造等)
・ 水路、道路、空路による運輸サービス(鉄道分野への投資を除く)
・ タバコの製造
・ 自然林の木材を使用した木製品の製造・加工
・ 50ha未満の複合娯楽施設(ホテル、テーマパーク、スポーツ施設、動物園等を含む)

■QIPの申請手続

特別経済区(SEZSpecial Economic Zone)へ投資を行う場合は、CDC内に設置されたカンボジア特別経済区委員会に申請することで3営業日以内に投資条件付登録証が発行されます。これにより、QIP申請の認可が決定され28営業日以内に最終登録証明証が発行されます。その間は、カンボジア特別経済区委員会が関連省庁から必要なライセンスの取得を代行します。
特別経済区以外へ投資を行う場合において、優遇措置を受けるときは、カンボジア投資委員会へ申請しなければなりません。最終登録証明証の発行までの流れは、SEZへの投資と同様となります。

日系企業に対するサービス

CDCにはジャパンデスクが設置され日本人スタッフが常駐しているため、下記のサービスを受けることができます。
・ ビジネスモデルの構築(投資相談窓口)
・ QIP申請サポート
・ 会社設立サポート(人材、会計、法律、物流、現地調達、建設、不動産)
・ 増資、株主変更、通関、QIP更新などのアフターサービス
・ 投資セミナー実施支援
・ カンボジア視察実施サポート(各種ロジスティクス、視察アレンジ)
・ 日本カンボジア官民合同会議実施サポート

特定分野に対する追加優遇措置

QIPに対する投資優遇措置以外に、省令などにより下記の特定産業に対する追加的な投資優遇措置が規定されています。

特別経済区における優遇措置

現在、カンボジアには39の特別経済区があり、製造業のためにインフラが整備されています。特別経済区に入居している企業は、QIPと同様の優遇措置に加え、付加価値税(VATValue Added Tax)の免除を受けることができます。
ただし、工場建設時に支払った多額のVATを還付してもらえない企業が多いようです。カンボジアでは、一度支払った税金の還付を受けることが難しく、制度と実際の運用が異なることがまだ多いのが現状です。
[特別通関手続(経済省令No.734)]
国境から20km以内に立地する特別経済区に対しては、輸出入において手続の簡素化が図られています。
輸入については、国境の検問時に貨物内容のコピーを提示するのみとなっています。輸入申告書の提出及び税関によるコンテナの封印は不要であり、貨物は「シームレス・ルート」を通って輸送され、特別経済区入口で税関簡易申告書を提出した後に工場へ直送することができます。
輸出については特別経済区内で税関手続ができるため、輸出書類とともに貨物を国境へ輸送し、国境の検問所で税関輸出書類を税関職員に提出することで国外へ輸送することができます。

 

工業団地情報

■特別経済区

[概要]

カンボジアには特別経済区(SEZ:Special Economic Zone)が数多くあり、その地域内に工業団地があります。工業用の工場をバランスよく配置するために分譲された団地内には、工業用のエリアの他に、道路、排水路、中央廃水処理施設、洪水防止システム、電気、水道、電話などの公共施設やインフラが整備されています。

 

カンボジアでの工業団地の歴史はまだ浅く、2006年6月にポイペト特別経済区が第1号として認可され、2008年8月にはプノンペン特別経済区が稼働しました。

 

[特別経済区]

カンボジアは東南アジアの中心にあり、タイやベトナムへのアクセスの利便性から東南経済回廊の活用が期待されています。2018年現在において9カ所が稼働しており、建設中のものを含め47の特別経済区が認可されています。

ここでは、カンボジアにある47の特別経済区のうち、稼働している9カ所を中心に見ていきます。

 

 

[プノンペンSEZ]

所在地 : National Road No.4, Khan Posenchey, Phnom Penh
設立日 : 2006年10月27日
アクセス : プノンペン国際空港から8km
プノンペン中心街から約18km
開発地域 : 総面積は360ha
電力 : シンガポール資本との合弁会社Colben Energy PPSEZ Ltdが供給
自前の発電所も用意されている(11MW)
: 団地内浄水施設:最大供給能力14,900㎥/日
通信回線 : 14社が光ファイバーケーブルを敷設、4社が電話回線敷設
関連施設 : 銀行、ドライポート、日本食レストラン、中華レストラン、ベトナム料理レストラン、ミニマート、カフェ、フットサルコート、クリニック
借地料 : 70 USD/㎡(10% WHT込、10%VAT別):50年間のリース契約(無償更新可)
ただし、100%輸出会社はVAT免除
レンタル工場 : 250 USD/㎡/月(+10%VATと10%WHT)
電気料金 : 0.1898 USD/kwh
水料金 : 0.30 USD/ ㎥
管理費 : インフラ維持管理費用:0.06/㎡/月(+10%VAT)
ごみ収集費用:80~300 USD/月(+10%VAT)
賃貸状況 : 89社(日系47社)
関税 : 経済特別区内で通関手続が可能
その他 : プノンペン市内にある経済特別区で、日系企業の入居数は国内最多。日本人常駐

 

プノンペンSEZ(Phnom Penh SEZ)は、日系企業の他、中国、台湾、韓国、インドの企業が入居しています。2018年時点で、約90社が入居しています。カンボジアにある唯一の日系工業団地であり、他の工業団地よりも不動産賃借料等のコストは高いですが、インフラ設備・サービスの面ではかなり充実しています。日本人スタッフが常駐しているため、会社設立における各種申請から工場の生産開始までのサポートに万全が期されています。

シンガポール資本との合弁で設立された送電会社により、電力の安定供給を実現しています。団地内には浄水設備と下水設備が完備されており、その他、銀行、レストラン、ドライポート、コンビニなどの施設があります。

 

[シハヌークビル港SEZ]

所在地 : Terak Vithei Samdech Akka Moha Sena Padei Techo HUN SEN Sangkat No.3, Preah Sihanouk City, Preah Sihanouk Province
設立日 : 2012年3月1日
アクセス : プノンペンと国道3号線および4号線で結ばれており、プノンペンから230km
開発地域 : 総面積は63ha(うち販売区画面積は45ha)
電力 : 二つの石炭火力発電所より供給:150MW

ジェネレーター(予備):5MW

カンボジア電力公社より供給:10MW

: 地下水:2,000㎥/日(SEZ内にある4つの井戸を利用)※公共用水も利用可
通信回線 : 各通信会社の料金体系による
関連施設 : 銀行、貸オフィス、職業訓練センター、物流会社、CFS倉庫、レンタル工場、サービスアパート、工員寮、24時間セキュリティ体制完備
借地料 : 55〜65 USD/㎡:50年間のリース契約(1〜10ha、税別)

21〜24 USD/㎡:10年間のリース契約(3〜10ha、税別)
※面積と期間によって価格設定が異なる

 契約期間は最低10年から50年で、更新可

レンタル工場 : 3.5 USD/㎡/月(税別):2年契約、更新可
電気料金 : 0.165 USD/ kwh(2018年) 0.126kwh(2019〜2020年)

※カンボジア電力公社の料金に基づく

水料金 : 0.3 USD/㎥
管理費 : 10/㎡/年(+10%VAT)
賃貸状況 : 2社(日系2社)
関税 : シアヌークビル港に隣接しており、かつ経済特区内での通関手続きが可能で、輸出入通関業務の時間短縮と費用低減が可能
その他 : 日本政府の有償資金協力の下、日本企業の設計・建設により開発された良質なインフラ設備を完備した経済特区。世界に向けての多くの船便があるシアヌークビル港と直結されている。

自然災害がなく洪水による浸水リスクもない。

 

シハヌークビル港SEZ(Sihanoukville Port SEZ)は、プノンペンから南西へ約240kmの地点にあり、輸出志向型の企業の誘致を目的として設立されおり、日本の政府開発援助(ODA)を受けて開発されました。シハヌークビル港湾公社が運営しており、2016年に上場した企業です。

プノンペンから車で約3時間半、タイやベトナム国境へは約3時間の距離に位置し、国内での移動のみならず、シンガポール港と香港の2大ハブ港とも直接つながっているため、大メコン圏(GMS:Greater Mekong Subregion)の中でも南部経済回廊としての役割を果たしています。大型船が入港でき、カンボジアの海上輸送の拠点となっています。

海に面しており、海岸での海水浴や国立公園などが観光スポットとして知られ、五ツ星のソッカビーチリゾートなどの高級ホテルやレストランが街中にあります。また、ダイビング、クルージング、サイクリング、ゴルフ、カジノ、ナイトクラブ等のアミューズメントも充実しており、衣食住を充足できる環境が整っています。2009年8月には、ターミナルを整備するために71億7,600万円を限度とする円借款貸付契約が調印され、日本の建設会社による高水準のインフラを利用できます。

 

[シアヌークビルSEZ]

所在地 : Sihanoukville Special Economic Zone, National Road No.4, Sihanoukville City
設立日 : 2008年3月1日
アクセス : シアヌークビル港から12km

シアヌークビル空港から3km

プノンペンから212km

開発地域 : 総面積は1,113ha(うち500haは完成済)
電力 : 市内電力による供給:22MW(使用設備によって10MWに変更可能)

ジェネレーター(予備):4MW

: 12,000㎥/日(シアヌークビル市内とシアヌークビルSEZ独自による供給の総計)
通信回線 : 電話回線およびインターネット回線:Metfone、EZECOM、Online
関連施設 : ワンストップサービス、物流会社、建設会社、ホテル、銀行、レストラン、スーパーマーケット、職業訓練センター(クメール語、中国語など)
借地料 : 35 USD/㎡(税別):30年間のリース契約

45 USD/㎡(税別):40年間のリース契約

55 USD/㎡(税別):50年間のリース契約

※いずれも10%のVAT込み、WHTは各テナントが別途支払い

レンタル工場 : 21 USD㎡/月(10%のVAT込、WHTは各テナントが別途支払い)
電気料金 : 0.16 USD/kwh(カンボジア電力公社の料金に基づく)
水料金 : 0.50 /㎥
管理費 : 工場賃貸:0.066 USD/㎡/月

土地賃貸:0.044 USD/㎡/月

※いずれも10%VAT込

賃貸状況 : 125社(日系0社)
関税 : 経済特別区内で通関手続が可能
その他 : 中国系SEZ。中国江蘇州の開発企業の出資。10年以内に300社、8〜10万人が居住する都市の形成が目標。将来的には、観光客向けゾーンの開発や、病院・小学校などの建設を予定している。

 

シハヌークビルSEZ(Sihanoukville SEZ)は、国道4号線沿いに位置する経済特別区です。中国企業が出資していることもあり、日系はありません。シアヌークビル空港も近いため、将来は空港を利用することも考えられています。

 

[マンハッタン(スヴァイリエン)SEZ]

所在地 : Sangkat Bavet, Bavet City, Svay Rieng Province

プノンペンオフィス:No.62, Street 348, Sangkat Toul Svay Prey 2, Khan Chamcamorn, Phnom Penh

設立日 : 2005年8月
アクセス : ベトナム国境(バベット)から6km

ホーチミンまでベトナム国道22号線で86km

プノンペンまでカンボジア国道1号線で160km

開発地域 : 500ha
電力 : カンボジア電力公社より供給:25MW
: 地下水
通信回線 : 電話回線:Telecom Cambodia

インターネット回線:NTC、EZECOM、Mekong Net、Metfone、AsiaFort、Open Net

関連施設 : レストラン、ミニマート、銀行、ホテル
借地料 : 30〜35 USD/㎡(税別):50年間のリース契約
20ha、交渉可
レンタル工場 : 建物:200 USD/㎡/月(税別)

フリースペース(建物の周り):100 USD/㎡/月(税別)

電気料金 : 0.1654 USD/kwh
水料金 : 0.15 USD/ ㎥(+10%VAT)
管理費 : 0.04 USD/㎡/月(+10%VAT)
賃貸状況 : 27社(日系1社)
関税 : 経済特別区内で通関手続が可能
その他 : ベトナムの国境沿いの経済特別区

 

ベトナム国境地域に位置し、ベトナムの国道1号に通じる、このマンハッタン(スヴァイリエン)特別経済区(Manhattan [Svay Reing] SEZ)は、日本企業にとって必要な設備が整った工業団地の基準を満たしたものの一つとして注目されています。

 

[タイセンバベットSEZ]

所在地 : Tai Seng Bavet Special Economic Zone, Bavet Commune, Bavet City, Svay Rieng Province

プノンペンオフィス:Building 56, Preah Monivong Street, Sangkat Wat Phnom, Khan Daun Penh, Phnom Penh

設立日 : 2012年12月2日
アクセス : ベトナム国境(バベット)から12km

ホーチミンまでベトナム国道22号線で92km

プノンペンまでカンボジア国道1号線で154km

開発地域 : 総面積は200ha
電力 : カンボジア電力公社より供給
: 地下水
通信回線 : 電話回線およびインターネット:Metfone、NTC、EZECOM、Si maxx
関連施設 : 銀行、レストラン、ミニマート、寮、ガソリンスタンド
借地料 : 18〜20 USD/㎡(税込):50年間のリース契約
レンタル工場 : 20 USD/㎡(税込)
電気料金 : 0.165 USD/kwh(+10%サービス料)
水料金 : 地下水利用のため、無料
管理費 : 無料
賃貸状況 : 5社(日系3社)
関税 : 経済特別区内で通関手続が可能
その他 : ベトナム国境沿いの経済特別区

部材・部品の輸入、完成品の輸出ではホーチミンの港を利用

 

マンハッタン(スヴァイリエン)SEZの国道を挟んだほぼ真向かいに位置しています。

 

[ドラゴンキングSEZ]

所在地 : National Road No.1, Chantrea District, Bavet City, Svay Rieng Province

プノンペンオフィス:No.99 Preah Norodom Blvd(41), Level 1, Phnom Penh

設立日 : 2012年12月2日
アクセス : ベトナム国境(バベット)から12km

ホーチミンまでベトナム国道22号線で92km

プノンペンまでカンボジア国道1号線で152km

開発地域 : 総面積は200ha
電力 : カンボジア電力公社より供給
: 地下水
通信回線 : 電話回線およびインターネット回線:Metfone、NTC、EZECOM、Si maxx
関連施設 : 銀行、レストラン、ミニマート、寮、ガソリンスタンド
借地料 : 18〜20 USD/㎡(税込):50年間のリース契約
レンタル工場 : 20 USD/㎡(税込)
電気料金 : 0.165 USD/kwh(+10%サービス料)
水料金 : 地下水利用のため無料
管理費 : 無料
賃貸状況 : 5社(日系3社)
関税 : 経済特別区内で通関手続が可能
その他 : ベトナム国境沿いにある経済特別区。輸出入ではホーチミンの港を利用。

 

[シャンドンサンシェルSEZ]

所在地 : South side of the National Road No.1, Bavet City, Svay Rieng Province
設立日 : 2011年
アクセス : ベトナム国境(バベット)から18km

ホーチミンまでベトナム国道22号線で100km

プノンペンまでカンボジア国道1号線で148km

開発地域 : 総面積は220ha
電力 : カンボジア電力公社より供給

ジェネレーターは各テナントが用意

: 地下水
通信回線 : 電話回線(携帯電話のみ):Metfone

インターネット回線:Seatel、Asia Fort

関連施設 : なし(ホテル、レストランを建設中。通関手続きはベトナム国境で実施。)
借地料 : 20〜25 USD/㎡(+10%VAT):50年間のリース契約
レンタル工場 : 24 USD/㎡/月(+10%VAT)
電気料金 : 0.1605 USD/kwh(市場価格により変動)
水料金 : 地下水利用のため無料

(ただし、土地賃貸の場合はテナントが建設時に井戸を掘る。工場賃貸の場合は、SEZにより井戸が準備される)

管理費 : 0.04 USD/㎡/月(+10% VAT) ※ただし、初年は無料
賃貸状況 : 8社(日系2社)
関税 : 経済特別区内で通関手続が可能になる予定
その他 : ベトナム国境沿いにある経済特別区。輸出入ではホーチミンの港を利用。

 

[ニャンコク コッコンSEZ]

所在地 : Phum Cham Yeam, Khum Paklong, Srok Mondul Sey Ma, Koh Kong Province
設立日 : 2006年
アクセス : バンコクから400km

プノンペンから297km

レムチャバン港から330km

シアヌークビル港から233km

開発地域 : 総面積は336ha
電力 : タイより供給:10MW

中国企業が建設した水力発電所(コッコン)より供給:246MW

: 7,000㎥/日
通信回線 : 電話回線:Metfone

インターネット回線:Metfone、EZECOM

関連施設 : ワンストップサービス、300〜500メートル先にホテル、カジノ、レストラン、賃貸住宅、寮
借地料 : 45 USD/㎡(税別):30年間のリース契約

55 USD/㎡(税別):30年間のリース契約

レンタル工場 : 交渉による
電気料金 : 0.19 USD(580バーツ)/kwh

※タイバーツで支払い(為替レート:1 USD = 約31バーツ)

水料金 : 0.48 USD(15バーツ)/ ㎥

※タイバーツで支払い(為替レート1 USD = 約31バーツ)

管理費 : 0.045 USD/㎡/月(+10% VAT)
賃貸状況 : 5社(日系2社)
関税 : 経済特別区内で通関手続が可能
その他 : 沿岸部でタイ国境から2kmに位置する経済特別区

 

ニャンコク コッコン経済特別区(Neang Kok Koh Kong SEZ)は、コッコンという地域で、タイの国境に近い場所にあります。カンボジアの財閥L.Y.PGroupが開発しました。電力や水は、タイから購入しています。経済特区にはタイ人担当者などもおり、タイからの進出には、タイ拠点の人材の活用が可能といった利点もあります。

 

[サンコーポイペトSEZ]

所在地 : Phum Phsar Kandal, Sangkat Phsar Kandal, Poi Pet City, Banteay Mean Chey Province
設立日 : 2012年
アクセス : タイ国境(Aranyaprateth)から7km
開発地域 : 敷地面積:83ha

第1期販売面積:21ha

第2期販売面積:32ha(予定)

最終販売面積:172ha(予定)

電力 : カンボジア電力公社より最大30MW供給
: ポイペト市の水道水(ANCO社経由)供給量:最大4,000㎥/日
通信回線 : インターネット回線:NTT Communications 光ファイバー
関連施設 : 職業訓練センター、会員制クリニック、レストラン街、ホテル、住宅など(予定)
借地料 : 50 USD/㎡(税別):50年間のリース契約
レンタル工場 : 第2期開発での建設予定

2018年時点で、賃貸倉庫(4,320㎡)(賃料 47USD/㎡/月、税別)と、豊田通商運営のレンタル工場がある

電気料金 : 0.16 USD/kwh
水料金 : 0.5 USD/ ㎥(実際の支払いは、2,000 KHR/㎥で計算)
管理費 : 0.05 USD/㎡/月(土地リース契約面積で計算、+10% VAT)
賃貸状況 : 10社(日系8社)
関税 : 経済特別区内で通関手続が可能
その他 : タイ国境に隣接しているため、タイプラスワン企業に最適。タイのトラック・トレーラーが直接経済特区まで乗り入れることができる。輸出には、タイのレムチャバン港を利用。

 

サンコーポイペト経済特別区(Sanco Poi Pet SEZ)は、バンテアイミエンチェイ地域で、タイの国境に非常に近い場所にあります。Sanco Cambo Investiment Groupが開発しました。レンタル工場はまだ存在していませんが、今後開発中の場所で予定しています。豊田通商がテクノパークを運営しており、その中で運営している日系企業もいます。

 

参考文献

・ JETRO
・ 国際協力銀行
・ ASEANセンター
・ BTMU ASEAN TOPICS
・ Economy Watch
・ Ministry of Economy and Finance
・ 外務省
・ PhnomPenhSecuritiesPLC.
・ global BS&D
・ International labour Organization
・ あいち産業復興機構
・ Better Factory Cambodia
・ Royal Government of Cambodia“FinancialSectorDevelopmentStrategy2006-2015”
・ Securities and Exchange Commission of Cambodia
・ NNA.ASIA
・ philSTAR.com
・ JICA
・ 国土交通省
・ 日本国外務省
・ MORNINGSTAR.
・ Cambodia Electricity Sector
・ United Nations Development Programme Cambodia Energyand Environment Programme”
・ US Census
・ Council for the Development of Cambodia
・ Cambodia SEZ
・ Sihanoukville Port SEZ
・ Manhattan(Svay Reing)SEZ
・ INTERNATIONAL MONETARY FUND, World Economic Outlook Database, October 2018
・ カンボジア経済財政省関税消費税総局
・ 2017年,IMF[Direction of Trade Statistics]
・ カンボジア電気通信規制機関(Telecommunication Regulator of Cambodia ,TRC)
・ Population of Cambodia 2017 – PopulationPyramid.net
・ Cambodia Population (2018) – Worldometers

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