設立

■Q&A1

Q. シンガポールの会社機関に会社秘書役があると聞きました。この会社秘書役に就任するための要件などはあるのでしょうか。
A. 会社秘書役については、会社法上要件については定められておりません。ただし、慣習としてシンガポールの公認秘書役の資格を有する者が就任することとなります。この秘書役は自社で雇用するのではなく、シンガポールの秘書役会社に依頼するのが一般的となります。
それでは、会社秘書役の仕事というのは何かといいますと、会社の取締役会議事録を作成保管し、また年次報告書類などを作成しACRAへ登記することとなります。

■Q&A2

Q. シンガポールに会社を設立するにあたり、二つの銀行で口座開設しようと考えています。その際、資本金をそれぞれの銀行に分けて振り込みことは可能でしょうか。
A. 資本金を複数の銀行に振り込むことは可能です。
資本金の金額がシンガポールの銀行口座に振り込まれていることが重要であり、それが複数の銀行になろうとも問題はありません。
例えば、資本金$1,000,000とした場合、A銀行に$500,000、B銀行に$500,000と送金することは可能です。これは、1:1の比率でなくても可能です。
ただ、複数の銀行で口座開設する会社の多くは、一旦一方の銀行資本金全額を送金し、その後、他方の銀行に一部金額を送金しています。日本からの送金では海外送金手数料がかかるため、それを避ける目的かと考えられます。

■Q&A3

Q. シンガポールの会社では、現地取締役が必要と聞いています。会社設立時に取締役に就任する者が設立次第、当地へ赴任する予定ですが問題ありませんか。
A. ご認識の通り、シンガポールで会社を設立する場合、最低1名はシンガポールに住居を有する取締役がいなければなりません。日本企業の多くが設立時取締役はシンガポールに住居を有していません。ここでいう住居を有するとはシンガポール市民であるか、シンガポール永住権を所有している人となります。
そのため実務上、設立時には会社設立を依頼する会計事務所や弁護士事務所に名義上の取締役として現地取締役を置き、設立後取締役が就労ビザを取得した段階で、シンガポールの居住取締役として登記されることとなります。

■Q&A4

Q
 100万シンガポールドルの資本金で設立しました。この度、増資を検討しているのですが、USドル以外で増資しようと思っています。ただ、最初に設定した通貨でなければ増資できないとのことですが、これは本当でしょうか。
A
USドルでの増資も可能です。
ただし、当然USドルの法人口座を開設しそこに入金する必要がありますので、USドル口座を持っていない場合には不可能となります。
この場合、ACRAのBizfileには設立時のシンガポールドルでの資本金額と、増資時のUSドルでの資本金額の両者が記載されることとなります。

会計

■Q&A1

Q
会社の業績が厳しく、AWSが支払えそうにありません。AWSは払う必要があると聞きましたが、これは雇用法で義務なのでしょうか。
A

多くの会社において、1月から旧正月前までにボーナスを支給しているものかと思います。AWSは13ヶ月目の給与として、シンガポールでは支給されています。ただ、勘違いされている方が多いと思うのですが、AWSは決して義務ではありません。雇用契約等に基づいて支払われるものとなります。

ただし、商習慣として当然支払われるものだとシンガポール人のスタッフは考えていますので、もし支払う意志がないというなら、雇用開始時に十分に説明する必要があります。また、企業活動の状況においては支払えない年もあるかと思います。その際には、十分にスタッフと協議し、また説明を行い、誠意を持って対応することが必要となります。

税務

■Q&A1

Q.
弊社では本社から借り入れを行っており、利息の支払いにつき源泉税をシンガポールで支払わなければなりません。軽減税率を適用するためにはどのような手続きが必要でしょうか。
A.
租税条約に基づく軽減税率適用のためには、日本本社のCertificate Of ResidenceCOR)が必要となります。CORは管轄の税務署によって発行され、課税年度において1度提出すれば足ります。翌課税年度になれば、軽減税率の適用継続のため、再度最新のものを提出する必要がありますのでご注意ください。 CORのフォームは国によって若干異なるものとなりますが、日本税務署より発行されるものでシンガポールは問題ありませんが、他国で軽減税率を適用する際には、一度確認することが望ましいものとなります。

■Q&A2

Q
シンガポールから出向の際EPやCPFは払うのでしょうか。
A

シンガポール勤務≒SDLの申告・納付

通常、シンガポールに長期滞在して就労する場合にはEP(Employment Pass)を取得します。

この場合、完全に雇用者(Employer)の立場で行動するManaging Directorなどの地位にある人を除き、基本的にはすべての外国人が被雇用者(Employee)として認識されるため、SDL(Skills Development Levy)という一種の社会保険料を徴収されることになります。

これは、被雇用者と見なされるすべてのスタッフがSDF(Skills Development Fund)という福祉団体に支払う寄付金のようなもので、給与に応じて収入の0.25%が徴収されます(ただし上限はS$ 11.25)。

会社としてCPFを申告する際に、同じページからSDLを入力することで申告され、そこで入力される支払い方法に従って引き落としなどにより納付が完了します。

EP保持者のSDLは自動計算されないため、注意が必要です。

なお、この外国人の人数及び給与はEP申請時のEPOLに記載の情報を基にして計算されており、EP保持者が帰国し、EPをキャンセルした時点で計上されなくなる仕組みです。

■Q&A3

Q
シンガポールの消費税、GSTとは?
A
日本では消費税として知られる万人に課せられる税金、法人税や所得税が「直接税」と呼ばれるのに対して、「間接税」に分類されるこの種の税金には、日本国外では様々な名前がついています。
代表的なのはVAT(付加価値税)、GST(物品サービス税)、Sales Tax(売上税)、Commercial Tax(商業税)などですが、シンガポールではインドと同じく、GSTと呼ばれます。

労務

■Q&A1

Q.
Paternity Leaveが変更になったと聞きました。企業側としてどのように対応するべきでしょうか。
A.
2017年より、Paternity Leaveいわゆる父親の育児休暇の日数が1週間から2週間になりました。企業として、当然この情報を把握する必要があり、また就業規則等の情報が古くなっていないか確認する必要があります。当該休暇時における給与は会社が支払いを行った後、政府へ請求する仕組みとなっております。育児休暇取得後の請求を行うことを忘れない様にしてください。

■Q&A2

Q.
Maternity Leaveが変更になったと聞きました。企業側としてどのように対応するべきでしょうか。
A.
Maternity Leaveいわゆる産休ですが、これは子供の国籍等により期間がことなります。今回の変更はシンガポール国籍の子供を出産する場合のみとなります。 これまで、シンガポール国籍の子供を出産する場合においても、法的に結婚している場合は16週間、法的に結婚していない場合には12週間の産休が付与されていました。今回の変更では法的に結婚していない場合においても16週間の産休を付与することになりました。 16週間のうち、8週分は企業が、残りの8週分は政府が負担することになりますが、産休中は企業が給与を支給し、産休後に政府に請求することとなります。 産休を取得する従業員のステータスを確認し、対応していく必要があります。

■Q&A3

Q.
現在のEPの申請要件はどうなっていますか。新たに3名日本人を赴任させる計画なのですが、問題ないでしょうか。
A.
2017年1月から給与要件に変更がありました。これまでの最低給与はS$3,300でしたが、現在はS$3,600に上がっております。
その上で、以下が要件となっております。
  1. シンガポールで仕事のオファーがある
  2. マネージャー、管理職や特別なスキルを要する業務に従事する
  3. S$3,600以上の月額固定給
  4. 優秀な大学を卒業している(good university degree)、もしくはプロフェッショナルとしての適格がある、もしくは特別なスキルを持っている
非常にあいまいです。
まずは1についてですが、雇用先がなければEPを取得することはできません。雇用主がEPを申請します。2について、EPはあくまで役職者以上を対象としています。3.については、S$3,600あれば良いというわけではなく、職歴に応じた給与であることが求められ、現在日本人であれば、最低でもS$5,000は必要と考えられます。4.について、基本的に4大卒が求められ、世界ランキングの上位校であればあるほど望ましいと考えられます。
これはMOMより提示されている要件でありますが、シンガポールは当然シンガポール人の採用を求めております。
そのため、外国人割合の高い会社にはMOMから注意レターが届いているケースもあり、その場合、新たにEPを取得するのは難しいと言えるでしょう。
当初の質問ですが、3名の赴任者がEPを取れるかどうかは、その方たちの職種や経歴、そしてシンガポールの会社におけるローカル採用の割合を総合的にみて決定されます。非常にあいまいな制度ゆえ、どの会社も人員配置には気を遣う必要があります。

■Q&A4

 Q
シンガポールに家族で赴任、子供の学校は?
A,

子供から大人まで、シンガポールの学校で勉強をするために取得が必要な滞在許可、簡単に言えば「学生ビザ」です。

入国管理局(Immigration & Checkpoints Authority)の管轄で発行され、30日を超える長期滞在が必要な場合に取得が求められます。
ホームぺージ(英語):https://www.ica.gov.sg/

一方、30日以内の滞在で完結する短期留学やホームステイの場合は、短期滞在許可(Short-Term Visit Pass、いわゆる観光ビザ)を訪星時に取得すれば足りるとされています。

■Q&A5

Q
スチューデント・パスとディペンデント・パスとの違いは?
A.

ディペンデント・パス(扶養家族ビザ)は、主にEP、S-passなど、シンガポールで就業するためのビザを取得している人が、自分の家族を呼び寄せて生活するために発給されるビザです。

このためには就労ビザ所有者の固定給が月額S$5,000以上ある必要があります。生活費も高いので、現実的にそれくらいの給与は必要といえます。

さらに、配偶者と子供の両方を帯同する場合には、会社の規模が売り上げS$150,000以上、ローカルスタッフ4人以上という条件をクリアする必要が出てきます。

また、就労ビザを保有する個人が就労ビザ申請元の会社を退職する場合には、ビザの取消(Cancellation)を行う必要がありますが、当然に家族のディペンデント・パスも取り消されます。
取り消された時点でビザなし入国者と同じ、30日の短期滞在許可(Short-Term Visit Pass)に切り替わります。

これと比較して、スチューデント・パスは家族の就労に紐づいたものではないため、基本的には家族の収入や仕事によって制限をかけられることはなく、扶養者の就労が終了してしまった場合でも、継続してシンガポールに滞在することが許されます。

■Q&A6

 Q
アルバイトは可能?
A
シンガポールでは、以下の三つの条件に該当すれば、スチューデント・パスの保持者は休日に就労することが認められます。
・交換留学生でないこと
・14歳以上であること
・認定校で全日制の教育課程で登録されていることなお、認定校(The Approved Institutions)については以下のリンクをご参照ください:https://www.mom.gov.sg/passes-and-permits/work-pass-exemption-for-foreign-students

■Q&A7

Q
保護者は滞在できないのでしょうか?
A

ディペンデント・パスは就労ビザ保持者が必要ですが、それでは学生の保護者が付き添うことはできないのかといえば、実はもう一つのビザがあります。

それは、長期滞在許可(Long-Term Visit Pass)というもので、スチューデント・パスを保持する学生については、その母親または祖母にのみ、申請する権利が発生します。

こちらも学校ないし業者を用いて、保証人による申請を行う必要がありますので、ご注意ください。

その他、最初の1年間は就労が許可されないなど、学生につきそう場合の長期滞在許可にはいくつか特殊なルールがあります。

■Q&A8

Q
弊社では、試用期間中でのannual leaveやsick leaveを認めておりませんが、試用期間中のスタッフより、sick leaveの取得を要求されています。シンガポールの雇用法において、会社として認める必要はあるのでしょうか.
A
 シンガポール雇用法において、Sick Leaveの取得要件については試用期間であるか否かではなく、就業開始からの期間によって判断されます。
この期間は3カ月以上就労した社員に対し、この権利を与えなければなりません。そのため、上記スタッフの方が3カ月以上就労している場合には、会社はSick Leaveを認めなければなりません。多くの企業で試用期間を3箇月とし、これは延長されうると規定しているかと思います。更に、試用期間中にはSick Leave等の権利にこれを与えないと規定されていますが、試用期間が3箇月以上になった場合、会社は就業規則の規定に因らず与えなければなりません。

■Q&A9

Q
 シンガポール人の出向、CPFを持つのはどっちの会社?
A

シンガポール国籍・永住権保持者は、老後のための強制積立制度であるCPF(Central Provision Fund)に給与の一定額を拠出する義務があります。

従業員がシンガポール人の場合、会社が源泉徴収の形で定率(多くは20%)を差し引き、さらに会社自体の拠出額(多くは17%)を付け足して、毎月納付することが一般的です。

では、このシンガポール人が海外に出向し、国外の会社から給与を支給される場合はどうなるのでしょうか。
企業としてCPFの申告サイトにアクセスするにはシンガポール登記会社に与えられる個別企業登録番号、UEN(Unique Entity Number)が必要であり、国外の企業にはそれができません。

実は、CPFはシンガポールにおける個人所得税と同じ性質をもち、各人の所得がシンガポール国内を源泉とする場合のみ、徴収されることになっています。
したがって、海外に出向したシンガポール人は、その給与がすべて海外の労働に対する対価である限り、CPFの納付義務がないことになります。

特徴的なのは、上記納付義務は、たとえ当該シンガポール人が国内に居住しており、毎日マレーシアやインドネシアに国境をまたいで就労する場合でも、義務はないとされる点です。
日本の住民税と違い、所得の源泉に紐づけている点に注意しましょう。

なお、CPFは本来各人の将来のための拠出であるため、本人が自己責任で納付を希望する場合はSingPassを用いて自己負担額(多くは20%)のみを申告・納付することも可能です。

 

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