【シンガポール】COVID-19状況報告及び対策一覧(11月15日更新)

【状況報告】「回復フェーズ3、年内開始か」

コロナウイルス感染経路断絶措置、サーキットブレーカーを解除し、徐々に経済活動を再開してきているシンガポールは、6月18日に始まった回復フェーズ2以来の大掛かりな変更、回復フェーズ3に入ろうとしています。

フェーズ3では、これまでとは違った規模のグループ活動、結婚式など大人数での施設利用、これまで危険視され禁じられてきたナイトクラブ等娯楽ビジネスの再開、国境封鎖解除などが予定されています。実質的には、安全対策措置を取り、必要な検査を要所要所で行うという点以外は、コロナウイルス発生以前の経済活動に戻すことを意味しています。

政府がこのフェーズ3に入るための条件としているのは、以下三つの基準です:

・接触者追跡アプリ「TraceTogether」の利用拡大(全住民の70%が基準とされています)

・安全対策規則の遵守(順守しないビジネス等の排除も意味します)

・検査能力の強化・高速化(高速かつ正確な検査方法が広く用いられることが求められます)

2020年11月に入ってからは、入国者以外は新規感染者が報告されない日々が続いており、政府の安全対策は確実に成果を出していると言えます。今後、国を挙げて経済活動を再開するために、規則を遵守しないビジネスを排除することも辞さない構えが見て取れます。

 

日星間の状況

感染経路断絶措置サーキットブレーカーを解除、徐々に経済活動を再開していくとして、6月18日よりフェーズ2に入っていたシンガポールですが、先日8月13日に日本の茂木外相とシンガポールのヴァラクリシュナ外相との会談がもたれ、9月18日から商用訪問を受け入れる方向性で合意が持たれました。

具体的には、これまで就労許可を含めた長期滞在許可を保持する外国人に対し、入国後14日の外出禁止措置を設けることを条件に入国を許可する方針で、それ以外の訪問者については許可されない状態でした。

9月18日以降はこの長期滞在許可を保持しない外国人に対しても、特定の場所以外訪問しない期間を14日を設けることが条件に、商用訪問を受け入れることが検討されることになりました。

詳細は以下の通りです:

1.日本人長期滞在許可保持者のシンガポールから日本への出張

https://www.mofa.go.jp/a_o/na/page22e_000928.html

 

1.1.基本情報

・対象者:日本人長期滞在許可保有者(EP、DP、S-Pass、PEP、EntrePass、LTVP)

(※シンガポール人/永住権保持者の場合は旅程(Schedule of Activities in Japan)の提出は不要)

・日本滞在中の病院滞在等をカバーするため、個人の医療保険に加入する

・LINE、COVID-19 contact tracing、およびMapのアプリケーションをインストールする

※日本到着後、空港でもチェックされる

・以下の場合は違反者となり、その後の申請が却下される

  • 14日間のLINEによる健康状態の報告を怠った場合
  • 検査結果で陽性と判定され、保健所の調査を受け、COVID-19 contact tracingを使用していなかったことが判明した場合

 

1.2.申請の流れ

・シンガポールから日本への出発14日前まで、毎日体温を測って記録すること

※37.5度以上の熱や呼吸器官の異常、倦怠感があれば、出張は取り消す

※シンガポール滞在期間が14日以内なら免除

・記録を事前に提出する必要はなく、航空機内で質問表(Questionnaire)に記載する

・在シンガポール日本大使館で宣誓書(Written Pledge)の写しと行動予定表(Schedule of Activities in Japan)を提出し、カバーレター(Cover Letter)を取得する

・カバーレターで指示された通り、出発の72時間前までにPCR検査を受検する

・PCR検査で陰性の結果が出たら、証明書として原本とその写し持参する(書面が必要)

・必要書類(下記)を持参してシンガポールを出発、日本へ入国する

・入国後14日間は受入会社側に毎日健康状態を報告、受入会社はLINEで出張者の健康状態を日本語で報告する(出張者本人がLINEで日本語で報告できる場合は自分で行う)

・健康労働保険省指定のCOVID-19 contact tracingのアプリケーションをインストールし、入国後14日間稼働させておくこと

※ダウンロード:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/cocoa_00138.html

・出張者はMapのアプリケーションで日本入国後14日間所在地の記録をつける

※詳細:https://www.mhlw.go.jp/content/000652555.pdf

 

1.3.必要書類

・宣誓書(Written Pledge):原本2部

※ダウンロード:https://www.mofa.go.jp/files/100094421.pdf

・行動予定表(Schedule of Activities in Japan):原本2部

※ダウンロード:https://www.mofa.go.jp/files/100094422.pdf

・カバーレター(Cover Letter):原本またはデータ

※シンガポールへ再入国する際に提出が求められるため、所持することが必要

・PCR検査結果:原本およびその写し

※検査結果はフォーマットが違ってもよいが、英語で以下の内容が網羅されていること:

  • 個人情報(氏名、パスポート番号、国籍、生年月日、性別)
  • 検査機関の正当性、結果、検査データ採取日、検査結果確定日、検査結果発行日
  • 検査医療機関情報(名称、所在地、医師氏名、医師署名)

※検査結果等はデータで受領することも可能だが、日本到着に際しては書面で提出する

 

2.日本からシンガポールへの出張の場合

https://safetravel.ica.gov.sg/japan/rgl/requirements-and-process

2.1.基本内容

・用語は以下の通り:

  • 保証人(Sponsor):政府機関またはシンガポール法人による保証人申請が必要
  • 受入法人(Host):受入側政府機関または法人、シンガポール法人の場合は上記保証人(Sponsor)と同一
  • SafeTravel Pass:日星ビジネストラック申請サイト(https://form.gov.sg/#!/5f43764f9b0ffc001135ead4)
  • 日本政府提供のPCR検査:サイトにリストアップされた機関で提供される検査https://www.meti.go.jp/press/2020/07/20200703002/20200703002-1.pdf
  • 行動制限旅程(Controlled Itinerary):入国後14日間につき、事前に提出し承認されるための旅程(実質、宿泊施設とビジネス実行場所のみ)、フォーマットに沿って記載する(https://safetravel.ica.gov.sg/files/controlled_itinerary_sample.docx
  • アプリ(Mobile Application):政府機関指定のアプリ2種:TraceTogether(https://www.tracetogether.gov.sg)およびSafeEntry(https://www.safeentry.gov.sg

・日本居住者(Resident in Japan)にのみ適用

・出発は東京(成田、羽田)と大阪(関空)のみ

・申請は出発から7~20営業日以内

・週次で人数制限あり

・申請後の申請内容変更(訪問場所の追加など)は不可

 

2.2.条件

・個人情報取り扱いに合意すること

・条件に適う場合のみ承認、規則が守られなければ承認の取り消し、将来の申請は不許可

・シンガポール入国日前(当日を除く)に14日間日本に滞在していた事実があること

・フライトおよび宿泊施設の情報は事前提出が必要=申請前に予約することが必要

・宿泊施設は住宅(Residence)不可、個別トイレのある個室に限定される

・SafeTravel Passで事前申請を行い、承認が得られたら、以下を提出:

  • 72時間以内に受検し陰性と証明された、日本政府機関の提供するPCR検査の結果
  • シンガポール内での旅程(宿泊施設とビジネス実行場所のみ)
  • フライト番号と到着時間詳細

・上記と別に、到着日から3日以内に、健康状態および滞在場所の記録をSG Arrival Card上で提出していること

・出張者がシンガポール滞在中にTraceTogether等アプリが使用可能な端末を保持していない場合、受入法人(Host)により端末が提供されること

・滞在日数が15日を超えない滞在の場合、日本帰国前のPCR検査は免除

 

2.3.出張者向け注意事項

・SafeEntry passのスクリーンショットを保存すること

・当局からの電話またはSMSによる出張者位置確認に即座に応答すること

・規則の違反者には出張者滞在許可(Visit Pass)の取消、および将来の申請が不許可になる

・出発時に以下の書類の提出を求められる(書面、データ可):

  1. 承認後のSafeTravel Pass
  2. ビザ(必要な場合)
  3. PCR検査の陰性証明書
  4. 日本への帰国時のフライト、および空港までの移動についての証明

・到着時、入国管理局(Immigration)でも上記(a. ~ d.)の書類を提出(書面、データ可)

・到着後にも自費でPCR検査を受検する

・空港から宿泊施設まで、受入法人(Host)の手配した交通手段で移動する

・到着後のPCR検査の結果を宿泊施設で待つ

・万が一行動制限旅程外に行く必要が発生した時は、受入法人(Host)に事前に通知する

・以下、行動規則を遵守する:

  1. TraceTogether and SafeEntryのアプリをダウンロードする
  2. 一日2回、朝夕に、体温、呼吸器官の状態などを受入法人(Host)に報告する
  3. 万一行動制限旅程外に行く必要が発生した時は、受入法人(Host)に事前通知する
  4. 社用車、ハイヤーされたタクシーを除いて、公共交通機関を使用しない
  5. 職場などビジネス実行地でも、MOMのSafe Management Measuresを遵守する
  6. Safe Management Measuresに則った商用の会食を除き、出張者は単独で食事をとる
  7. ミーティング出席者は自己を含めて10人までに限定する

・帰国後、アプリ使用のため受入法人(Host)により提供された端末は出発前に受入法人(Host)に返却されること

・出張者個人の端末の場合、シンガポールから帰国した後少なくとも14日間はTraceTogetherのアプリをアンインストールせず、また万が一その後のPCR検査で陽性の結果が出た場合には、日本に帰国後少なくとも14日間はデータの更新を続けること

 

2.4.受入法人(Host)向け注意事項

・受入法人(Host)は指定アプリの使用を含め、出張者の規則の遵守を監視、保証すること

・違反者が出た場合には当該出張者の滞在許可は取消、その後の申請は却下される

・受入法人(Host)は空港から出張者の宿泊施設までの移動手段を確保する

・万一出張者が申請された旅程以外の場所に行くことになった場合、受入法人(Host)は保証人(Sponsor)政府機関または通商産業省(MTI)に、可能な限り早期に連絡する

・出張者が陽性と判明するか、その疑いが出た場合は、受入法人(Host)は保証人(Sponsor)政府機関または通商産業省(MTI)に可能な限り早期に連絡する

・出張者に端末を提供した場合、出張者が帰国後少なくとも14日間はTraceTogetherのデータを維持し、万が一その後のPCR検査で陽性と判定された場合、帰国後少なくとも14日間はデータのアップロードを続ける

・受入法人(Host)と出張者は強制帰国や帰国前の拘留にかかる費用を含め、規則に違反した場合の費用を共同で負担することに了承する

 

なお、現在は以下の条件付きで、多くの経済活動が再開されています。

  • 外部で人が集まるのは5人まで可
  • 自宅に人を招いて集まることも5人まで可
  • ソーシャルディスタンス(1m以上の間隔維持)の取り組みは継続
  • 飲食店での店内食、フィットネス、家庭教師、個人レッスン等は再開可
  • 小売店、公園、スポーツ施設、プール、ゴルフコース、遊園地、ボーリング場などは再開可
  • 同好会などは登録の敷地内で会合実施可
  • 予防措置履行の上で、養護施設の訪問可
  • 高齢者に対する健康施設、伝統中国医療、美容、中高年向け活動施設は段階的に再開を指示
  • マスクの着用、セーフディスタンシングは引き続き実施が必要
  • 宗教的集まりなど、リスクの高い活動は控える
  • 高齢者は引き続き自宅待機を継続
  • 飲食店でのライブ音楽の提供、10:30以降の酒類の提供は厳禁
  • カラオケ施設、バー、ナイトクラブ、映画館、劇場、図書館、博物館、その他文化施設、娯楽施設は再開不可
  • その他インドア/アウトドアのアトラクションについても再開は検討中
  • ショッピングモール、その他小売業については人数制限を実施する
  • その他、オフィスワーカーなどは、可能な限り在宅勤務を行う

 

また、同時に海外からのシンガポール入国も許可される幅が増え、6月18日以降、就労許可を持つ従業員に関し、含む以下の国からの入国が許可されるとしています:

  • オーストラリア(ヴィクトリア州を除く)
  • ニュージーランド
  • ブルネイ
  • 中国(マカオを含む)
  • 台湾
  • 韓国
  • ベトナム

ただし、入国前には専用オンラインフォームで申請して入国許可を取得する必要があり、また、そこでswabテストを受けることを了承することになります(S$185程度)、また、入国後には14日間の外出禁止措置が取られます。

日本、香港、オーストラリア・ヴィクトリア州を含む、上記以外の地域からの入国も可能ではありますが、入国に際しては上記swabテストに加え、外出禁止期間を隔離施設で過ごすことが求められます。また、その費用(S$2,140程度)は当該従業員または雇用者の会社が支払うよう求められるため注意が必要です。

背景としては、日本国内で感染者数が再度急上昇を始めたことを受け、7月20日以降、日本からの入国者に対して警戒が強まったことがあります。

 

国内の概況(11月15日時点

 

感染者数:58,119人

死亡者数:28人

 

シンガポールは3月以降、入国者を制限、原則的に外国人旅行者・労働者の入国をゼロにすることで、国外から輸入される感染者をゼロにしていました。

国内ではサーキットブレーカー(感染経路断絶)の措置が取られ、住民は徹底的に外出を制限されていましたが、外国人労働者の集中する複数の宿舎(ドミトリー)で集団感染が起き、徹底された検査で連日数百人の新規感染者が報告されたため、感染者数ではASEAN地域の中でも高い数字となっています。

8月10日でこのドミトリー居住者の検査が概ね完了し、新規感染者数は100人程度に抑えられるようになりましたが、それ以外での感染者も引き続き発生し続けており、厳しい管理体制が続けられています。

一方、高齢者の多い社会の割には死亡者数は抑えられており、徹底した感染抑え込みの対応と、高度な医療体制が生存者を増やしています。

 

経済的な影響も深刻になり始めていることを受け、サーキットブレーカーは6月1日までで解除、その後は段階的に国内の活動を正常化させていくことが決まっています。

 

現在のPhase 2はできる限りすべての業種で正常に経済活動を再開させつつも、クラスター感染の起こりやすいタイプの活動を一律制限し、段階的に集団が生じる施設も解放していく予定です。

 

Phase 3はCOVID-19の特効薬やワクチンができるまでの間で、一定程度の感染拡大防止措置を講じながら、基本的にはすべての経済活動を再開させるというものです。その後は一切の制限がなくされることになっています。

 

経済対策としては、2020年度予算として「復興と連帯の予算(Resilience and Solidarity Budget)」が追加で打ち出され、Job Support Scheme(JSS)による従業員給与補助、各企業や個人を助ける家賃補助を目的とした補助金支給が続いています。

倒産企業数はこれまでかなり低く抑えられており、失業者数も急増はしていませんが、産業によっては回復にまだ相当長期間を要するとみられるところもあり、慎重な経営判断が求められます。

 

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情報確保のために

 

シンガポールに関する情報は、以下のような政府機関のホームページ掲示、政府機関に登録して受け取るメール通知などで見ることができます。

 

・ビジネスに対する制度全般についてはGoBusiness(https://covid.gobusiness.gov.sg/)

・国内一般情報については厚生省MOH(https://www.moh.gov.sg/covid-19

・労務については人的資源省MOM(https://www.mom.gov.sg/covid-19

・ビジネス支援についてはEDB(https://www.edb.gov.sg/en/news-and-events/news/edb-advisory-on-the-covid-19-coronavirus-disease-2019-for-businesses.html

・税務についてはIRAS(https://www.iras.gov.sg/irashome/web/pages/latestUpdatesListing.aspx

・企業コンプライアンスについてはACRA(https://www.acra.gov.sg/announcements/acra’s-support-measures-and-guidance-for-businesses-during-covid-19

 

また、スマートフォンアプリ、WhatsAppによる政府の通知サービスも構築されており、以下のサイトから登録することで毎日情報を受け取ることができます:

https://www.form.gov.sg/#!/5e33fa3709f80b00113b6891

 

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サーキットブレーカー(感染経路切断措置)解除に向けて:

 

シンガポール政府の認める「重要サービス従事者(Essential Service Provider」を除いて、原則すべての企業に従業員の出勤、外出を控えさせ、テレワーク(Telecommuting)を強制する措置、サーキットブレーカーが続いていましたが、6月1日をもって解除されました。

その後は段階的に経済活動が再開されることになっており、6月2日からはフェーズ1として、フェーズ2、フェーズ3を経て、完全に正常化されることが企画されています。

現在は政府サイトGoBusiness(https://covid.gobusiness.gov.sg/)にて、コロナウイルス拡散防止の取り組み、企業の義務などが網羅された情報が提供されており、基本的にはその指示に従うことが求められています。

特に、感染者拡大防止のために企業と個人が行うべきとされている対応が二つあります:

1.Safe Entry:建物や部屋など住所のついた場所にQRコードを設けて訪問者が逐一その出入りを記録するもの

2.TraceTogether:各人がBluetoothで他人との接触をモニターし、いつだれが誰と接触したか記録するもの

いずれもスマートフォンを通してインターネットの技術を最大限に利用したモニタリング方法ですが、アプリとしてはTraceTogether一本に集約され、常にBluetoothをつけておくことで接触を記録、同じアプリでQRコードを読み取ってSafeEntryも実行できるように工夫されています。

 

EPを取得して日本からシンガポールに赴任する場合、現行のルールでは以下のような流れでEPを取得することになります。

 

1)企業によるEP申請

myMOM Portal(https://www.mom.gov.sg/eservices/services/mymom-portal)という専用サイトが立ち上げられ、EP/S-Passの申請に関してはこちらで実行することが必要です。

元々のポータルサイト、EP Onlineでの申請の際には求められなかった情報として、上記JobsBank等シンガポール住民用の求人広告の掲載情報を詳しく記載する欄が設けられ、また当該EP発行対象の外国人がシンガポール法人の関係会社に属する人材かどうかも申告することになりました。

関係会社の従業員である場合、本国関係会社における組織図を提出する必要が生じ、簡易なものでも上司部下の関係を図示してPDF/JPEGファイルなどでアップロードすることになります。

 

2)IPA~入国申請

申請内容に問題がなければIPAが発行されます。

これをもって、MOMのサイト(https://form.gov.sg/#!/5e3cbabee41f590012014e91)で入国申請を行い、入国日を確定させます。

入国申請では、入国後14日は外出禁止(Stay Home Notice)措置を受けることとなること、その間、政府の指定する施設(概ねシンガポール政府の借り上げた有名ホテル)で過ごすことになること、同外出禁止期間中にPCR検査(現地では「Swab test」と呼ばれます)を受けること、その全てが会社または本人負担(合計で約S$2,200~S$2,700程度)で行われることを、了承する必要があります。

また、入国期間は申請日の翌日から30日後までの期間で選択できますが、選択した日の前後1日ずつを加えた、合計72時間の時間枠で入国することが求められ、2日以上入国日をずらすことはできません。

 

3)入国~外出禁止措置

入国時、上記外出禁止措置の対応については厳重に注意がなされます。

従前は機内で入国カードとして受け取り記載していたDisembarkation Cardが廃止され、オンラインで申請、発行されるオンライン入国カード(SG Arrival Card)の方式に代わっています。

専用サイト(https://eservices.ica.gov.sg/sgarrivalcard/)で「Foreign Visitors」の側を選択し、必要情報を記入します。

入国後は速やかに専用施設に移動し、「Homer」というスマートフォンアプリをダウンロードして、14日間自分の健康状態を記録することになります。

ここで重要なのが、シンガポールでSMSを受け取れる現地の携帯電話番号を入手していることが必要である点です。コンビニでパスポートを見せればプリペイドカードを購入することはできますが、入国後にコンビニまで行くことができないケースもあるため、会社と協力して事前に手配しておくことが推奨されます。

 

4)顔写真・指紋登録~カード受け取り

外出禁止措置、およびPCR検査で問題がなければ、14日目の正午に外出が可能になります。

会社側にEPの発行を依頼し、オンライン(https://www.mom.gov.sg/eservices/services/make-an-appointment)でアポイントメントを取得して、顔写真・指紋登録を行います。

このEP発行(EP Issuance)の際、該当のEP対象者は既に住居を確定している必要がありますが、会社で契約する場合を除き、外出禁止期間中に手続きすることは難しい点にも注意が必要です。

顔写真・指紋登録が完了すると、「3週間以内にカードを配達する」というメモが手渡されますが、基本的には従前と同じく、5営業日(ちょうど一週間後)で配達されるケースがほとんどです。なお、シンガポールでの就労は通常、シンガポールの法人等から給与所得を受け取ることを意味しますが、SGDでの給与受け取りに必要な個人銀行口座の開設に関しても、従来必要であった就労許可のカードを免除し、Notification Letterを持参して事情を説明すれば開設してもらえるところが出てきています。

 

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シンガポール政府による経済対策

 

国内の人の動きが封じられれば、消費が落ち込み、生産が途絶え、経済成長は鈍化し、大量の失業者を生み出すであろうことは、十分に予想されます。

シンガポール政府はこれに対し、まず企業を存続させ、従業員の雇用を維持することが、国の経済を保つ最も重要な措置だと認識しました。

 

2020年度予算案で64シンガポールドルの経済支援パッケージを打ち出したのに続き、補正予算として484シンガポールドル、更にその後51シンガポールドルを投入する計画を発表しています。

以下にその主な配分方法を挙げます:

 

1.Job Support Scheme(雇用援助スキーム)

シンガポール国籍/永住権保持者の従業員を抱える企業に対し、月額給与(CPF申告金額を基準にする)の一定割合をIRASから払い戻す経済対策です。

払戻しは直接企業の銀行口座に充てて行われ、CPFの申告が行われていれば、特に手続きは必要ありません。

 

援助の割合は業種によって以下の3つに区分されています:

A.航空業、観光業、ホテル業:75%

B.飲食業:50%

C.上記以外の全業種:25%

 

上限は一人当たりS$4,600とされており、四半期ごとにまとめて振り込まれます。

初回については全業種75%まで割合が引き上げられ、2020年2月の従業員の給与金額から計算して、4月の15日に振り込まれました。

 

この全業種75%までの割合引き上げ措置は、サーキットブレーカーの6月1日までの延長を受けて5月も継続されることが発表されました。

 

さらに、これまで対象となっていなかった株主かつ取締役である従業員(Shareholder-Director)についても、2019年度の収入でS$100,000未満の部分については、JSSが適用されるようになりました。

 

2回目は5月の給与金額から計算して7月中旬に支給されること、3回目は8月の給与金額から計算して10月中旬に支給されることが、それぞれ決まっています。

 

2.Enhanced Wage Credit Scheme(拡張型昇給補助スキーム)

国民の教育水準と生産性を高め、所得の増大を推進しているシンガポールでは、企業にも昇給を積極的に行うよう呼びかけられています。

 

今回のCOVID-19による経済の停滞が懸念される中でも、この動きは継続しており、基本月給S$5,000までのシンガポール国籍/永住権保持者の昇給については、その15%を政府が負担し、12か月分の負担分が翌年3月に払い戻されることになっています。

 

こちらは手続きが必要なスキームであるため、詳細も把握して申請をすることになります:

https://www.iras.gov.sg/IRASHome/Schemes/Businesses/Wage-Credit-Scheme–WCS-/

 

3.各種税金の緩和

内国税務局(IRAS)の施策として、以下の援助が差し出されています:

 

A.法人所得税(CIT)支払いの延長(4月~6月分が7月~9月へ、その後も3か月後ろ倒し

B.個人所得税(IIT)の申告期間の延長(4月15日までの期限が5月末へ)

C.固定資産税(Property tax)の免除(30%~100の免除、同金額はテナントへ還元)

D.家賃減免NEAHDBSLAなど所管のテナントには1~3か月分の家賃が免除)

E.外国人雇用税減免(3~5月分の同金額が免除、S$750ずつの還元が行われる)

 

4.資金調達援助

主にスタートアップ企業の財政援助を行ってきているEnterprise Singaporeが、企業一般がローンを組むための援助を、以下の要領で打ち出しています:

 

A.Enterprise Financing Scheme:S$10,000,000までのTrade Loan、およびS$1,000,000までのSME Working Capital Loanにつき、政府側がリスク負担の90%を引き受ける

B.Loan Insurance Scheme:デフォルトを起こした場合の担保として使えるローン保険を特定の銀行と組む場合、その保険料の80%を政府が負担する

C.Temporary Bridging Loan Programme:2020年3月までに申請されるS$5,000,000までのローンについて、政府側がリスク負担の90%を引き受ける

 

ただし、上記ローンの対象は30%以上の株式がシンガポール国籍/永住権保持者に保有されているような企業に限定されており、すべての企業が対象ではないため注意が必要です。

 

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労務関連

 

国内でも経済の停滞が決定的となった状況下で、シンガポール政府は矢継ぎ早に雇用に対する指針を発表しています。

 

全国賃金評議会(National Wages Council)は3月30日、賃金ガイドラインを打ち出し、企業は労働組合に加入しているか否かを問わず、また管理職であるか否かを問わず、以下の優先順位で可能な限り従業員の雇用を守るよう呼びかけました:

 

  1. 給与以外のコスト削減、余剰人員の活用を検討する
  2. ビジネスコストを削減するため、政府支援を最大限活用し、労働変革を推進する
  3. 給与の削減を行う
  4. 最終手段として、ガイドラインに基いた責任ある方法で解雇を実施する

参考(ガイドライン全文):https://www.mom.gov.sg/newsroom/press-releases/2020/0330-national-wages-council-2020-2021-guidelines

 

上述のJob Support Scheme(JSS)など、給与面ではかなりの支援がもたらされますが、オフィス家賃やその他固定費をカバーする売り上げがあげられない場合には、雇用を維持するのも難しくなります。

 

政府からは最後の手段として実施すべきとされていますが、整理解雇(Retrenchment)を実施することで、少しでも負担を軽くするという判断が必要になるかもしれません。

 

ただし、4月~5月については原則としてすべてのシンガポール国籍/永住権保持者の給与に75%のJSSが設けられているため、同金額以上の給与が従業員に支払われない場合、また無給休暇を取らせる措置や整理解雇を行って従業員の給与がゼロになった場合は、企業側に問題があるとみられる可能性があります。

 

この点、従業員が「政府からの補助金を分配していない」と訴えを起こすと、MOMが調査を実行、場合によっては今後のJSSを受け取れなくする措置も取られると発表されています。

 

一方、COVID-19が原因で解雇された従業員(シンガポール国籍/永住権保持者)については、月額S$800の政府援助が最大で3か月支給されることになっています。

 

解雇に踏み切る場合にも、こうした事情を考慮したうえで、従業員と話し合って合意した雇用解除とすることが望ましく、合意の証として条件を明示した書面に従業員の署名を取り付けるなどすることが推奨されます。

 

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会計・監査関連

 

上述のサーキットブレーカー措置により、在宅勤務などが課されている状況下では、スケジュール通りに会計作業などを完了するのも難しいという配慮から、会計監査、財務報告、個人所得税税務申告等の期限の猶予が拡大されています。

 

1.法定申告期限の延長

2019年12月末が会計年度末の企業については、その財務報告書の提出に際して、以下のように猶予が拡大されています:

 

年次株主総会(AGM)および年次会計報告(AR)の期限延長

元々のAGMの期限 AGMの期間(延長後) ARの期限(延長後)
2020年4月16日~4月30日 2020年6月15日~6月29日 2020年7月15日~7月30日
2020年5月1日~5月31日 2020年6月30日~7月30日 2020年7月31日~8月29日
2020年6月1日~6月30日 2020年7月31日~8月29日 2020年8月30日~9月29日
2020年7月1日~7月31日 2020年8月30日~9月29日 2020年9月30日~10月30日

 

2.書類対応の実情

会計・監査・税務の作業を引き受ける会計事務所などの法人は、サーキットブレーカーの実施後、原則として自宅勤務となっています。

 

紙面の確認が必要なところでは書類の受け渡しに遅れが生じる可能性もありますが、2018年以降、殆どの書類が電子コピーの確認で済まされることになり、メールなどデータのやり取りで監査も完結するところが多く、自宅勤務であってもほとんどの会計事務所では滞りなく作業が実施されています。

 

また、問い合わせ対応こそ遅くなる場合があれ、税務署も通常通り営業していることから、GSTや源泉所得税(Withholding Tax)の申告は遅滞なく行うべきと考えられます。

 

※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報をもとに、最新の注意を払って作成しておりますが、最新情報等アップされましたら、随時内容を更新させて頂きます。

 

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近藤 貴政 (Kondo Takamasa)

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