SEAにおけるeコマースイネーブラーの進化とその必要性について

Endurance Capital創設者であるべスリン・クリストファー氏たちは2012年初頭、5カ国でLazadaをスタートさせた。当時、「Amazonのeコマースモデル」を、ネット通販が発展していなかった地域に輸入することを目指していた。当時のAmazonは、外部の販売店に開かれたEコマースマーケットプレイスではなかった。そのため、東南アジアでLazadaを立ち上げる際には、このモデルを再現しようとした。 しかし、ダイナミックな地域でゼロからeコマースのリーダーを育てるという、ジェットコースターのような旅を始めて約18ヵ月後、彼らはビジネスモデル全体が間違っていることに気づいた。そして、より拡張可能で収益性の高いビジネスモデルは、Amazonの在庫ベースのeコマースモデルではなく、アリババのTmallやTaobaoに具現化された市場ベースのビジネスモデルであることに気付いた。 その日から、べスリン氏たちはビジネス全体をリセットし、クローズドシステムや在庫ベースのeコマースプラットフォームではなく、マーケットプレイスを目指した。それは、Lazadaがより速いペースで、注文ごとの収益性で規模を拡大できるようになっただけでなく、アリババによるLazadaの買収という点で最終的に一致するための重要な要素となった。 アリババはLazadaの買収により、「フロントエンドに特化したeコマースイネーブラー型市場を立ち上げた。基本的にアリババは、Tmallなどの中国の大規模なeコマースマーケットプレイスとともに成長してきた認定eコマースイネーブラーのエコシステムを再現しようとしていた。中国のイネーブラとしては、BaozunやLily & Beautyなどがよく知られている。Lazadaは、ブランド、流通業者、小売業者に代わって、仲介役としてマーケットプレイスのeコマースアカウントを管理できるようにプラットフォームを開放した。これにより、フロントエンドeコマースイネーブラーの東南アジアのエコシステムが誕生した。