第2章 バングラデシュ-投資環境

投資環境

■ビジネス環境の現状2018

世界銀行と国際金融公社(IFC)が、2018年10月31日に「ビジネス環境の現状2019」を共同で発表しています

バングラデシュは、このランキングの総合順位が190の国と地域中176位で、2017年版の177位より1ランク上がっています。各項目で順位が高かったのは「投資家の保護」で76位でした。これは、主に株主に対する情報開示や、少数株主の保護、取締役の責任の範囲などが評価されています。一方、「契約の履行」の順位が最も低く、裁判手続には多くの手間と時間がかかることが指摘され、また、「電力調達」も「契約の履行」同様低い順位となっています。

 

 

【ビジネス環境ランキング】

 

 

 

■ わが国製造業企業の海外事業展開の動向

国際協力銀行(JBIC)は2017年11月に、アンケート調査結果「わが国製造業企業の海外事業展開に関する調査報告(第29回/2017年版)」を公表しています。このアンケートは、海外事業に実績のある日本の製造業企業の海外事業展開の現況や課題、今後の展望を把握する目的で、1989年から毎年実施されているものです。

 中期的(3年程度)有望事業展開先国として2015年には20位にランクインしてバングラデシュが注目され始めましたが、2016年、2017年はトップ20位から外れています。しかし、中堅・中小企業においては2016年の21位から2017年16位へとランクアップしています。

■ 直接金融(株式)市場

バングラデシュにはダッカ証券取引所とチッタゴン証券取引所の2つの取引所があります。主な指数は、DSEX、DSES、DS30の3つです。

 ダッカ証券取引所(DSE:Dhaka Stock Exchange Ltd.)はダッカ市の中心部に位置しています。ダッカ証券取引所は1954年に設立され、1956年から取引が開始されました。2018年11月時点で578 銘柄が上場されており、市場の時価総額は440億USドルです。

ダッカ証券取引所の中核指数であるDSAX(Dhaka Stock Exchange General Index)は、近年上昇傾向を続けており、2017年11月には史上最高値の6322.52ポイントを記録しました。その後、やや値を下げ、2018年4月現在5747.14ポイントとなっています。

チッタゴン証券取引所(CSE:Chittagong Stock Exchange Ltd.)はバングラデシュの第二証券取引所として1995年に設立されました。2017年6月時点で303銘柄が上場されています。

 

 

【ダッカ証券取引所の株価の推移(DSEX)】

 

 

■ 為替レート

バングラデシュの為替管理制度は、2003年から変動為替相場制を採用しています。バングラデシュ中央銀行は、国内経済への悪影響を避けるため、極端な為替レートの変動については市場介入を実施し、市場を管理しています。

2012年をピークとしてタカ安となっていましたが、その後、円に対してはタカ高で推移し、USドルに対しては再びタカ安基調で進行しています。

 

【為替レートの推移(USドル/タカ)】

出所:XE

※2019年5月31日現在、1USドル=84.61タカ 1タカ=0.0118USドルです。

 

 

【為替レートの推移(円/タカ)】

出所:XE

※2019年5月31日現在、1円=0.77タカ 1タカ=1.29円です。

 

 

■ 外国直接投資額(FDI)

2000年代前半から外国直接投資(FDI)は着実に増加を続け、バングラデシュ経済の近代化において重要な役割を果たしています。

海外直接投資額(フロー)は、21世紀初頭には3億USドル程度でしたが、2010年代には10億USドル台となり、2016年には23億3300万USドルと過去最高を記録しています。この金額は、インドの20分の1程度に過ぎませんが、南アジアにおいてはスリランカやパキスタンを上回っています。

しかし、バングラデシュの海外直接投資額(フロー)を対GDP比で見てみると1.7%(2015年)に過ぎず、国際的には非常に低い水準です。投資環境が未整備であることが、経済規模に比して海外直接投資額が相対的に低い要因の一つ考えられており、このことはポテンシャルの高さを示しているとも言えます。

※国際収支ベース、ネット・フロー

出所:国際貿易開発会議(UNCTAD)

国・地域別の海外直接投資額(ストック、2016年現在)上位10か国は、アメリカ(23.1%)、英国(10.9%)、韓国(7.9%)、オーストラリア(6.2%)、シンガポール(6.1%)、オランダ(5,5%)香港(4.7%)、マレーシア(4.5%)、マルタ(3.3)となっています。日本は2.5%で11位です。

近年の海外直接投資の動向をフローで見てみると、従来から投資額の多かった米英に加え、シンガポールからの投資が際立っています。2016年は、通信分野のバングラデシュ・エアテルへの大型投資案件があったシンガポールが急増して6億7,300万USドルとなりトップ、次いで英国、アメリカとなっています。英国は金融部門への投資が盛んで、アメリカはシェブロンのガス田開発などエネルギー部門が大きく貢献しています。シェブロンのガス田開発に関しては、中国企業への20億USドル規模の売却交渉が進められており、決まれば中国がシンガポール、英、アメリカを抜き、バングラデシュの最大の投資国へと躍進する可能性があります。

業種別では、2016年の投資額は、ガス・石油が25.7でトップ、縫製業が17.5%、銀行が13.3%、通信が9.0.%、電力が5.6%と続きます。上記のアメリカ、英国、シンガポールが、それぞれガス・石油、銀行、通信分野への投資を拡大させたことが反映される形となりました。

また、バングラデシュの花形産業である縫製業などの輸出加工産業は、チャイナ・プラスワンとしても注目されています。しかし、多くの企業が輸出加工区(EPZ)へ進出してきたものの、利便性の高いEPZ には空きがないなど、インフラ未整備が投資にブレーキをかける一因となっています。輸出目的としたEPZのさらなる整備とともに、所得水準の上昇にともない急拡大している国内需要をメインマーケットとした軽工業の立地確保など、製造業の立地となるインフラ整備が急務とされています。

日本でもバングラデシュに対する関心は高まっており、投資額、進出企業数ともに増加しています。従来は、ユニクロ(ファーストリテイリング社)などにみられるように縫製業など輸出加工の生産拠点としての進出が主流でしたが、近年は、病院経営など国内需要をターゲットとした技術集約的な投資の動きもみられます。

【国・地域別海外直接投資額[ストック、実行ベース] (2016年)】

 

【国・地域別海外直接投資額[フロー、国際収支ベース] 】

 

【産業別海外直接投資額 [ストック、実行ベース] (2016年)】

 

■配当の促進

2019年7月1日の税法改定により、上場企業を対象に、資本準備金及び利益剰余金の合計額が払込資本金額の70%を上回る場合には、その金額に対して10%課税されることになっています。企業が利益を留保するのではなく、配当として投資家へ利益を還元し、投資家からの再投資を促していることが伺えます。

 

■ 日系企業の進出状況

バングラデシュへの日系企業の進出は、日本国内市場の縮小、円高、生産コストの増加などの条件が重なっていた1990年代後半に活発化しました。

縫製業・繊維関連企業が多く、2002年には大手ファスナーメーカー(YKK)が現地生産を開始しています。また、ユニクロ(ファーストリテイリング社)が、2008年に現地企業と合弁会社を設立し、バングラデシュでの調達・生産を開始したことが大きな話題となりました。

2010年には、エイチ・アイ・エス(H.I.S.)が旅行業の日系企業として初めて現地法人を設立しました。2011年には、きのこ生産大手の雪国まいたけが、ソーシャルビジネスとして知られるグラミン銀行グループと九州大学との合弁企業を設立し、農村でのもやしの料栽培を始めました。さらに、同年には医療用機器大手のニプロが製造販売のための合弁会社を設立しています。

進出企業の業種は縫製業からさらなる業種の広がりを遂げており、今後はさらなる多角化と進出企業の増加が期待されています。バングラデシュに進出している日系企業数は269社(2018年5月現在)となっています。

 

 

■ 日本とバングラデシュの貿易

 日本の主な輸出品目は、輸送用機器(26.3%)、鉄鋼(26.1%)、機械(23.7%)、電気機器(4.2%)、精密機器(2.1%)で、日本の主な輸入品目は、衣類(73.4%)、履物(6.3%)、革製品(4.3%)、ホームテキスタイル製品(3.6%)です(2017年)。輸入品目は圧倒的に衣類が占めており、その半分がニット類です。

■ インフラ

世界経済フォーラムが行っている、「世界競争力レポート(The Global Competitiveness Report) 2018」によると、バングラデシュのインフラの総合評価は140カ国・地域中103位です。南アジアの主要国を見てみると、インド(58位)、スリランカ(85位)、パキスタン(107位)となっており、パキスタンと並んでインフレ整備の遅れた国であるとみなされています。また、チャイナ・プラスワンの国々でいうと、ベトナム(77位)、ラオス(112位)、カンボジア(110位)というランキングとなっています。

バングラデシュの各インフラの評価は、道路128位、鉄道42位、港湾86位、空港78位で、輸送インフラの総合評価は99位でした。また、電力103位、携帯電話110位となっています。(2018)

バングラデシュでのインフラの整備は、日本のODAや世界銀行等の支援により進められてきた部分が多く、2000年代後半までは5割程度でした。しかし、公共行政として政府の財政出動による部分やPPPの進展によりFDIによって進められているインフラ部門が増えており、援助依存率は37%(2018年現在?)程度となっています。

ただし、道路や電力といった基礎的インフラ整備はいまだ不十分であることも事実で、これが経済成長の足枷となっていると考えられているため、バングラデシュにおいてインフラの整備は最重要課題とされています。

[ 道路 ]

バングラデシュは、日本の4割程度の面積に1億6,365万人(2018現在)が住む人口密度が非常に高い国で、道路は国内輸送や人の移動のためのもっとも重要なインフラです。バングラデシュ国内には、運輸省が管理する国道、地域間幹線道路、地方道などの公道が21,302 kmあり、その他の道路を含めると30万㎞以上にもなると見られます。公道の舗装率も1割程度と低いことや、道路メンテナンス状況の悪さなど課題が大きいと言われています。

また、バングラデシュは国土の大半がパドマ川(ガンジス川)、メグナ川、ジョムナ川などの大河の下流域の低地に位置しているため、これらの大河によって国土が分断されています。従来から、主要河川に架かる橋梁が不足していることによる道路の連続性の欠如が輸送の大きなネックとされてきましたが、現在いくつかの巨大橋梁建設プロジェクトが進んでいます。世界銀行や日本のODAによって進められているダッカ近郊パドマ川に建設中の道路・鉄道併用橋建設、首都ダッカと第2の都市チッタゴンを結ぶ国道1号線に架かるカチプール橋、メグナ橋、グムティ橋の修復と第2橋梁建設などで、これらのプロジェクト完成によって地域間道路輸送効率が飛躍的に向上するものと期待されています。

都市交通に関しては、世界でもっとも人口密度が高い都市の一つである首都ダッカの激しい交通渋滞が大きな課題と言えます。バングラデシュでは出生率の高さに加えて、農村から都市部への人口流入が加速しており、特にダッカ首都圏域の人口増加率は年率2.91%(2000年~2011年)と高く、2020年には2,000万人になるとの予測もあります。また、経済発展にともなう交通量の増加と、乗用車、オートバイ、バス、ミニバス、リキシャ、歩行者などが混然と車道を通ることや、慢性的な駐車場不足による違法駐車車両の多さなどが交通渋滞に拍車をかけています。政府は、こうした状況を改善すべく、「都市交通戦略計画(Strategic Transport Plan)」を作成し、2025年までに70本以上の道路整備や高速都市鉄道(MRT)などの公共交通機関の整備を行う計画を進めています。

【バングラデシュの主要道路網】

 

[ 鉄道 ]

バングラデシュには2,460 kmの鉄道網があり、ほとんどがイギリス植民地時代に敷設されたものです。歴史的な経緯から、インドのコルカタへつながる西部は1,676㎜の広軌で、東部はミャンマーなどと同じ1,000㎜の狭軌(メーターゲージ)となっています。1971 年の独立以降、鉄道に対すてほとんど投資が行われなかったため長らく老朽化が進み、主要輸送手段はトラック、バスなどの道路交通へとシフトしてきました。また、東西の軌道規格が異なることに加えて、大河に鉄道用橋梁がなかったことによって、近年まで東西の鉄道は完全に分断されていました。

その後、20世紀後半にはアジア開発銀行や日本のODAなどにより、鉄道施設整備が進められるようになります。1998年には鉄道・道路併用橋である全長4.8㎞のジョムナ大橋(ボンゴボンドゥ橋)が開通、デュアルゲージ(広狭併用軌道)を用いて西部路線がダッカ近郊まで乗り入れるようになり、現在ではインドのコルカタへの直通列車が運行されています。さらに、2016年には中国企業によってパドマ大橋を含む西部の鉄道整備プロジェクト受注が決定、ダッカと西部主要都市クルナ、そしてインドの西ベンガル地方へのアクセスが大幅に改善されると見られています。

また、東部地域の鉄道整備も進められています。首都ダッカとバングラデシュ第二の都市で国際港湾を擁するチッタゴン間には320㎞の鉄道路線がありますが、バングラデシュ経済の成長とともに同区間の鉄道輸送需要が年々拡大しており、重要性は増しています。2007年に調印された日本のODA(129億円)などにより、ダッカ-チッタゴン間の一部複線化など鉄道路線近代化と輸送力アップが進められています。ダッカ-チッタゴン間に関しては、高速鉄道建設が検討されるなど、今後も両都市のコネクティビティ強化の行方が注目されるところです。

都市交通に関しては、首都ダッカの深刻な交通渋滞解消が最優先課題とされており、 ダッカ戦略的交通計画(Dhaka Strategic Transport Plan)に基づいて、都市高速鉄道(MRT: Mass Rapid Transit)とバス高速輸送(BRT: Bus Rapid Transport)が整備中です。日本のODAによって進行中の南北路線であるMRT6号線20.1㎞や東西路線である5号線を含む6路線が計画されています。

 

[ 港湾 ]

バングラデシュの貿易量は21世紀に入って急増し、今後コンテナ貨物取扱高は、2014 年の177 万 TEUから 2040年には940 万 TEUにまで増加するとの予測もあり、国際港の重要度が非常に増しています。また、国内輸送に関しても、大河のデルタ地帯に位置するバングラデシュでは河川輸送が活発で、大小多数の河川港があります。さらに、船舶解体や造船がバングラデシュの主要産業の一つであることなども特徴的です。

主要な国際港は、バングラデシュ最大の港湾であるチッタゴン港です。西南部の中心都市クルナの外港としてモングラ港がありますが取扱高は少なく、バングラデシュの輸出入の9割以上という圧倒的な量がチッタゴン港で取り扱われています。南アジア圏では、スリランカのコロンボ港、インドのジャワハルラル・ネルー港(ムンバイ)やムンドラ港、パキスタンのカラチ港などと並ぶ重要港と言えます。

しかし、チッタゴン港にはいくつかの課題があります。カルナプズリ川の河口から10㎞ほど入ったところにある河川港のため水深が9.0~11.5mと浅く大型船舶が接岸でないこと、2016年にはすでに貨物取扱許容量を超えているとされており、新ターミナルを建設予定ですが港湾用地が狭く限界があることなどです。さらに、2016年 に港湾従事者のストライキが発生したこともあり物流の遅延が問題となることがしばしばありました。

  もうひとつは、チッタゴンの南30㎞に位置するマタバリ港です。水深15.3mの深海港ですので、大型船舶の利用が可能です。日本のODAによる「マタバリ超臨界火力発電所」の建設などとともに、チッタゴン東南部の地域総合開発計画の一環として開発が進められており、チッタゴン港との補完としてのみならず、エネルギーと物流のハブ機能をもった新港となることが期待されています。

 バングラデシュ政府は、「第7次5か年計画(2016年~2020年)」においてチッタゴン港の拡張に加えて、新規の港湾開発を進めています。

 ひとつは、ダッカから南西に約250㎞に位置するパイラ深海港です。2016 年8月に一部開港し、2023 年に完成予定です。将来的な貨物取扱許容量はチッタゴン港の5倍以上と想定されており、バングラデシュの主要港となることが期待されています。ただし、遠浅な地形であるため、浚渫にかかる費用と技術的課題があるとの指摘もあります。

[ 空港 ]

 バングラデシュの航空旅客数は2010年代に入って急速に増加しています。2010年には180万人強でしたが、わずか5年後の2015年には2倍以上の400万人近くにまでなりました。

 ダッカやチッタゴンなど主要都市に国際空港がありますが、ダッカのハズラット・シャージャラール国際空港は、バングラデシュ空港旅客数の約75%が利用する最重要空港です。ハズラット・シャージャラール国際空港では、2035年には2,200万人になるとの予測もあります。そのため、現在使用されている第1国際ターミナルと第2国際ターミナルに加え、日本政府の768億円の円借款による第3ターミナルの建設プロジェクトが進められています。

 

【バングラデシュの航空旅客数の推移】(単位:千人)

 

 

[ 電力 ]

バングラデシュの電化率は、1990年代には2割以下でしたが、その後順調に上昇し2014年62.4%にまでなっています。しかし、都市部では90.7%、農村部では51.4%と大きく開きがあることが課題とされています。また、電化率の向上とともに、経済成長にともなう電力消費量の増加は著しく、21世紀に入って3倍以上になりました。発電所建設などによって発電設備容量、発電量ともにやはり3倍以上増加しているものの、急速な消費量の増加に電源開発が追い付いていない状況が続き、電力供給は安定的とは言えない状況が続いています。そのため、頻繁に起きる停電に備えて自家発電設備を整備するなどの対策をするオフィスや工場も多数あります。

バングラデシュは天然ガスの生産国で、発電設備容量の65%をガス火力発電が占めており、石油火力発電と合わせて85.6%と高い割合となっています。しかし、既存の天然ガス田の埋蔵量は豊富ではなく枯渇の危機にあるため、新規ガス田開発に加えて、エネルギーミックスの多様化が急務とされています。

このため、バングラデシュ政府の最優先課題のひとつとして複数の電源開発計画プロジェクトが進行中です。ダッカから北へ120㎞に位置するルーパーでは、ロシアの支援によってバングラデシュ初となる「ルーパー原理力発電所」が着工しており、2022年までに操業予定です。計画通り2基が完成すると200万kwの発電容量となります。チッタゴンの南30㎞位置するマタバリでは、日本の107億円にのぼる円借款を含む「マタバリ超々臨界圧石炭火力発電事業」が進んでおり、完成すると総電力供給容量の18%に相当する規模とされています。さらに、送電網が不要な小規模太陽光発電の開発、インドやブータンから電力輸入をする計画なども進められています。

バングラデシュでは国内初となる原子力発電所の建設が開始されています。首都ダッカから西約140kmのルプールに位置し、ロシアの原子力企業であるアトムストロイエクスポルト社製のロシア型加圧水型原子炉改良型(120万kW×2基)が納入されます。2017年11月、初号機となる1号機の建設が開始され、2018年7月8日にはルプール2号機の設計及び建設許可が原子力規制当局(BAERA)より下りています。運開予定は、1号機が2023年、2号機が2024年となっています。

 

【電力需給の推移】(単位:GWh)

 

【電源別発電設備容量】(単位:MW、%)

 

[ 通信 ]

固定電話は、多くの開発途上国や新興国と同様に普及は進まず、バングラデシュでは1%以下のまま推移しています。一方、携帯電話は急速に普及が進んでいます。21世紀初頭には1%にも満たない普及率でしが、2009年には3割、2012年には5割を超え、2016年には81.5%となっています。同年の契約数では1億3,598万件で、日本での同年の契約数が1億6,685万件であることと比較してみると、いかに巨大な市場であるかがわかります。

携帯電話市場は、テレノール(ノルウェー)とグラミン銀行の合弁であるグラミンフォンがトップシェアで4割強、マレーシア系資本のアシアタと、ロシア系資本のBanglalinkがそれぞれ2割強となっており、この3社で市場の9割近くを占めています。2008年には、NTTドコモがアシアタの株式の30%を取得しています。また、国有のTeletalkは、いち早く3Gサービスの認可が与えられるなどの便宜が図られてきましたが、一桁台のシェアと伸び悩んでいます。

 一方、バングラデシュでの携帯電話保有率は83.4%で、中でもスマートフォンに至っては携帯電話保有者の30%を占めると言われています。(2016年時点)バングラデシュにおいては、携帯電話のオリジナルの製品は生産しておらず、使用される携帯電話の多くは、中国・韓国・インド・アメリカ・日本製のものです。最近は、4Gが導入され始めてきたことでネット回線が早くなるなどインターネット環境が改善されてきています。

 

 

 

■ 人的資源

バングラデシュの人口構成の特徴は、約7割が40歳未満という若い世代であること、平均年齢が24.7歳(日本は45.5歳)と若いことです。また、65歳以上の人口はわずか6.4%となっています。合計特殊出生率は低下傾向にあるものの2.2(2018年推計)といまだ高水準にあるため、今後しばらくは人口増加が続くものと見られています。国連の人口推計では、2050年までにバングラデシュの人口は2億人に達すると予測されています。

労働力面での優位性は若年労働者の獲得が比較的に容易であること、マーケット面での優位性は消費意欲の強い若い購買層が拡大していることなどがあげられます。

 

【バングラデシュ人口ピラミッド(2018年)】

 

 日系企業を対象としたジェトロのアンケートを基に製造業の現地労働者の年間の労務費を比較してみると、バングラデシュは他のアジア諸国と比較して、もっとも安価な労働力が獲得できるという優位性を持っていることがわかります。法定最低賃金(EPZ以外)は2018年に月額5,3000タカから8,000タカ(1万400円)へ引き上げられましたが、他のアジア諸国と比べてなお高い競争力があるといえます。

 バングラデシュ人は一般的に愛国心が強く、社交的・友好的で、おおらかな性格が多く、仕事においては自発的には行動しない傾向があるように見られていますが、指示にはきちんと対応する、几帳面な性格など、工場での品質管理に適しているといえるでしょう。また、日本は最大のODA国ということもあり、国民の多くが親日的であるということも日本企業にとっては有利な点となります。

【アジア諸国の賃金比較(年間実負担額)】(単位:USドル)

 

■その他の投資メリット・デメリット

[ バングラ投資のメリット ]

バングラデシュは1.6億人以上の人口を抱え、近年の経済発展により1人当たりGDPも伸び、中間所得層も既に10%以上に増えているといわれ、巨大な潜在的消費地として期待されています。バングラデシュ統計局公表(BBS)の2018年家計収支調査(HIES:Household Income and Expenditure Survey)によると、バングラデシュの貧困率は、2005年に40%、2010年に31.5%、2016年に24.3%、2018年に21.8%と改善されています。人口大国バングラデシュにおける中間所得層拡大は国内マーケットポテンシャルの高さをもたらしていると言えます。

ビジネスパーソン・知識人の多くは英語が堪能であり、英語人材の輩出国としても注目を集めています。公用語はベンガル語ですが、主要な政府機関や金融機関は英語で資料を公表しており、英語は実質的な第二言語として、広く使用されています。インドで人件費高騰が続けば、バングラデシュの人材活用が注目されると考えられます。

また、2016年6月のダッカ・レストラン襲撃人質テロ事件にみられるように、バングラデシュでもイスラム過激派による被害が相次いで報じられていますが、バングラデシュ国民の約90%がイスラム教(スンニ派)で国内の宗教的対立が比較的少なく、宗教分野でのカントリーリスクは中近東や北アフリカのイスラム国に比べて低いといえます。

さらに、地理的に東南アジア・中東・欧州と比較的近いため、グローバルな貿易拠点としての可能性も期待されています。

[ バングラ投資のデメリット ]

バングラデシュ進出企業の多くは、同国の安い人件費に魅力を感じて進出しますが、実際には原料調達コストや輸送コストなど人件費以外のコスト、それに費やす時間などについても検討する必要があります。

製品輸出の主要港であるチッタゴン港は、混雑やストライキなどによる荷積み遅延が頻繁に発生しているため、輸送のスケジュール管理が困難となり、企業からは不満の声が上がっています。

その他、法制度が未発達であるため、行政手続はとても遅く、賄賂を求められるケースもあります。また担当者による解釈の違いにより、確認作業に多くの手間がかかることも少なくありません。これもビジネスの弊害となっています。

 

 

また、バングラデシュは5月から9月の雨季は降水量が多いため、洪水が発生しやすく、特に4月から5月、10月から11月の乾季と雨季の変わり目にはサイクロンが発生し、洪水被害に拍車をかけることになります。このことは同国の経済発展の大きな足枷となっています。

バングラデシュと日本との降水量を比較してみると、バングラデシュの雨季1カ月当たりの降水量は例年300㎜を超えます。雨の多い日本における梅雨よりも多量の降雨が約5ヵ月間続くことによって、毎年のよう洪水が発生しており、国際河川を共有するインドなど周辺国との協調した洪水対策が期待されるところです。

 

 

 

Latest News & Updates

【バングラデシュの今年度の経済成長について】

<GDP成長率の今年度予測>

今年度(2016年7月~2017年6月)の経済成長率は、IMF(国際通貨基金)とADB(アジア開発銀行)の予測では6.9%、WB(世界銀行)の予測では6.8%となっています。これは、昨年度の経済成長率7.05%を若干下回る数字となっています。バングラデシュは昨年、成長率7%代達成と中間所得層入りを果たし、国内でも大きく報道されました。バングラデシュ政府は、今年度の目標成長率を7.2%に設定しており、2年連続での7%代成長を掲げています。

IMFはバングラデシュのさらなる経済成長には政府が教育、技術・テクノロジー、インフラへの投資を増やし、生産性を上げることが必要であるとの見解を示しています。

 

<テロ後のバングラデシュ経済への影響>

今期は7月にISによるレストラン襲撃テロが発生し、経済成長への影響が懸念されました。テロの影響を受けた業種は主に小売・レストランなどのサービス業です。特にテロ直後は、売上が前年の同時期の50%以下に落ち込んだテナントもあるようで、これは2013年~2014年の国政選挙に伴う情勢不安時以上の落ち込みでした。一方で、その他の産業への影響は現時点では限定的です。2016年7月度の衣料品の輸出量は過去9カ月で最低レベルとなりましたが、これは7月にイスラム教の長期休暇であるイード休暇が重なったためで、テロの影響による減少ではないとの見方が強いです。現時点では以前と変わらずバングラデシュへの衣料品製造発注が増えているという繊維製造企業もあります。治安状況は決して良いとは言えないものの、安価で豊富な労働力にビジネスチャンスを見出す企業は多いようです。

 

【バングラデシュ 2016年(7月)-2017年(6月末)国家予算案】

2016年(7月)‐2017年(6月末)のバングラデシュGDP成長率は7.05%と予想され、一人当たり国民所得は1,466USD増加すると予想されている。ここ10年は約6%の成長率を維持しており、今期はさらに大きな成長を期待している。第7次5ヵ年計画に従い、持続的な経済成長・貧困削減・雇用創出を目標として掲げている。2041年までに先進国に名を連ねることを目標とし継続的な成長戦略を立てている。

 

‐農業・食糧

農業部門は堅調に成長し、低コストでハイリターンが見込める産業構造となってきた。前年は2.6%の成長を達成し、大型の出荷センターや、加工センターもできている。栄養供給面においても、牛乳、卵、肉の供給が増え健康水準も高くなった。食料保管の技術も向上し、食糧不足地域に供給することも可能となった。

 

‐電力、エネルギー

2016年5月までで電気供給量は14,539MW(一人当たり電気供給量371KW、同国居住者の76%が電力供給を受けている)となっている。現状、送電システムの整備が追い付いていない状態であり、行き届いていない地域、また安定した電力供給も課題として挙げられている。

 

‐交通、インフラ

同国においては交通網の整備は最優先事項として挙げられている。輸出入の増加に対して、交通網の整備が遅れていることが、物流の遅れ、それに伴う経済発展を遅らせている。政府も橋梁、高速道路の老朽化した交通網の整備、また建設を進めている。主な進捗としては、パドマ橋の建設が進み一部で開通になったこと、同国とミャンマー結ぶ道路の整備が始まったことが挙げられる。さらに2016年2月、64kmに及ぶ鉄道も運転が始まった。昨年の実績としては、12の新しい橋梁の建設と、58の橋梁の修復が完了した。

 

‐情報技術

2016年4月までに携帯電話、インターネットのユーザーはそれぞれ1億3000万、6200万まで増えた。SIM/RIMを個人登録する制度も始まり、インターネット犯罪に対する対策も始まっている。

 

‐教育

今まで学校がなかった1,125の村で学校が設立された。初等の公立学校には34,895名の教員が配置され、新たに3,000名の教員を採用する予定となっている。奨学金給付されている学生は1300万に上る。VIクラス(中等教育)では380万名程の奨学生がおり、そのうち75%が女性である。

 

‐健康・家族

携帯電話でのヘルスケアサービス“health portal”が無料のサービス開始。13,126のクリニック・病院が現在のところオペレーションを行っており、235の施設を新たに開設する計画をしている。

 

‐女性や子供に対する取り組みの改善

女性の経済活動への参加に対する注目から、マイクロクレジットや各種職業のトレーニングが増加している。育児をしながら働いているおよそ12万人もの女性に手当が支給されている。

 

‐児童

2015年に初めて、‘Thoughts on Child Budget’というタイトルの児童に関する報告書が提出された。今年は、‘Blooming Children: Prosperous Bangladesh’というタイトルで7つの関係省庁から情報が発信される予定となっている。14歳未満の児童労働が150~200万人程存在するといわれている。その多くはインフォーマル・セクターや家業に従事するが、この実態を改善するために以下のアクションをとる。

・実態調査

・児童に対する無償の食糧供給

・児童労働からの脱却、教育機会の付与

 

社会保護

まず政府は社会的弱者の現状の把握から始めている。これまでに行った調査、障害者データベースによれば2016年3月までに、150万人弱のハンディキャップを持った人達がいる。

 

‐環境・気候

政府は‘National Environmental Policy 2016’を定め、環境問題、汚染の問題に取り組む。4,000ものレンガ工場に新技術が導入され、大気汚染の軽減を図っている。また1,000もの廃棄物処理施設が稼働し、さらに500の施設も建設されている。

 

‐観光

観光セクターに10億TKの投資を計画しており、コックスバザールにインターナショナルスタンダードの観光・娯楽施設をつくることを予定している。プロジェクトには5つ星のホテルの建設も含まれ、PPPのもと質の良いサービス構築を目指す。

 

‐貿易

同国からの輸出に対し450億TKのインセンティブを設け、輸出を助長する。特にその中でも、縫製、既製品産業においては今後も同国の産業を牽引する役割を持っていることから、50億TKのインセンティブが与えられる。

 

‐住宅

首都ダッカにおける2016年~2035年に及ぶ都市化計画(Detailed Area Plan)が始まっている。現在24,697の住宅が建設中であり、中・下流層のための住居18,732戸がダッカのウッタラで建設中である。

 

‐年金

現状、全体の5%である公務員、残り95%のうちの8%に当たる雇用者のみが年金を受け取っている。将来的には拠出年金を全労働者へ適用していく計画であるが、具体案は未だ出せれておらず前進していない。

(統計局)*2016年4月まで

 

インフラ整備への拡充により、海外直接投資が伸びていく見通し。輸出では特にUSAとヨーロッパが多い。また、物価上昇率(インフレ率)の緩やかな下降による実質賃金の上昇と、バングラデシュ国籍の国外労働者からの同国への送金は、国内消費を飛躍的に伸ばし、より大きく経済が成長していくと期待されている。2016-2017年のGDP成長率のターゲットは7.2%と設定されている。

 

国家予算構成

2016-2017年の国家予算では約3兆4,000億TKで前年度予算の28.7%の増加を予測している。ただし、前年度も2016年6月の時点で、2,300億TKの下方修正があり、本予算についても若干過大試算されているとの見方もある。

 

(財務省)

国家予算の中で、年間開発プログラム枠に割り当てられた予算は、全体で前年度比の21.6%増だが、教育・健康分野、交通・インフラにおいてはそれぞれ約39%、約50%の増加をし、この予算の比重の置き方からも今年度の政府のターゲットが読み取れる。

 

(財務省)

年間開発プログラムを含むすべての国家予算の各省庁への配分の上位ランキングにおいても詳細が確認できる通り、教育、交通・インフラへの政府の取り組みの強化が伺える。

 

労働状況

バングラデシュ統計局(Bangladesh Bureau of Statistics)によると2010年~2015年の間に470万人が新たに雇用された。男性、女性社員の給与格差は減少したものの、労働人口における就労人数は未だ少ない。特に女性に至っては、34.1%程しか就労できていない状況である。予想ではこれから5年間で、女性雇用者は10%増加し、これは毎年1%のGDPの成長に貢献すると考えられている。

 

民間セクターの投資状況

2021年までに2万4,000MWの電力供給を達成する。2019年までにダッカにおいて、高速道路・複数の要所への橋梁の設置を完了させる。バス交通網(Bus Rapid Transit)、メトロを発達させる。Public-Private Partnership Act, 2015が施行され、すでに6つプロジェクト(総額15億US$)が始動している。また今年度5つの新PPPプロジェクトが予定されている。新たに46の経済特区が設置され、すでにこのうちの数ヵ所では国内外からの投資がすでに始まっている。さらに、日本・中国・インドのために経済特区の用地を確保している。

 

税率、税金コンプライアンスについての主な変更点

・2015年7月の税法改正で、会計年度を7月1日から翌年6月30日に統一する改正があったが、2016年6月29日の改正で、外国企業については会計年度統一免除とされた。

・タバコ関連事業に対する税金が25~35%だったのに対して、45に変更された。

・同国経済を牽引し、多くの雇用を生み出している既製服(Ready-made garment)産業に対して、法人税が35%から20に変更された。

・ロイヤリティ等のサービス提供による収益に係る源泉税が10%から12に変更された。日本への支払の際は、二国間租税条約が適用されるため10%となる。

・都市部への人口流入による居住スペース不足から、狭い住居を購入する納税者に対し、源泉税率の引き下げを行う。

・中小企業に対する免税適用の上限額が300万TKから360TKに変更された。

・税務申告期日が毎年9月30日より1130に変更された。

・2012年に定められた新付加価値税法は2017年の7月1日から施行され、付加価値税率が15になる。

・ビスケット、パン、靴、旅行代理業、力織機等のVAT免税措置が廃止された。

・冷蔵庫、エアコンの製造、食用油に対するVATインセンティブを2017年まで延長する。

・繊維の染色、プリント、艶出しの工程に係る事業はVATが免除される。

・VAT譲許税率が適用される22のサービスの税率が変更された。例えば、建設業が5.5%から6、交通にかかる石油製品が2.25%から4.5、その他の運輸業が7.5%から10、オフィス賃貸、取り付けサービスが9%から15にそれぞれ変更された。

・米の輸入関税10%から25に変更された。

・携帯電話の情報関連サービスへの補足税が3%から5に変更された。

・ミルク関連取引に対する補足税が20%から10に変更された。

・二輪車組立の関連セクターでの補足税が、45から20に変更された(ただし、2年間の制限付き)。

 

特定サービス業種の差し止め命令取り消し】

 

2012年にバングラデシュ最高裁判所は、以下のサービス業8業種に対する登記の差し止め命令を出していましたが、2016年3月付けで解除されています。

 

<サービス業8業種>

アパレル調達事務所、貨物運送業者、輸入代理店、配達(クーリエ)サービス業者、海運会社、利益目的の教育機関、広告代理店、航空・鉄道の販売総代理店

 

<差し止めとなった経緯>

建設業、ホテルレストラン業、保険、コンピューター関連企業等のように大規模な投資によりバングラデシュ経済を促進している業種と異なり、前述の8業種には1,000USD~10,000USDほどの少額の直接投資が多く、バングラデシュの雇用促進、経済成長に必ずしもメリットをもたらしているといえないという理由で、投資差し止めが行われていました。

 

<差し止め解除の影響>

このような外資規制の解除は日系企業にとってメリットといえますが、今回の差し止め解除の影響は限定的と考えられます。利益目的の教育機関に関しては、2012年以降「Academic」「school」といった事業目的を定款に記載することはできませんでしたが、実務上は「Consulting」「Culture Center」といった事業目的で定款登録を行い、教育関連事業(日本語学校や塾など)を行っている外国企業もあるのが現状でした。調達事務所や輸入代理店などについても、現地で「アパレル商社」の意味で使用される「Buying House」での登記はできない状況でしたが、「Import and Export」など類似する単語を使用すれば登記は可能であったため、事実上は登記差し止めが機能していない状況でした。さらに、アパレルの調達事務所に関しては、LC開設や決済について規制が別途設けられており、商社形態での進出にはまだ様々な参入障壁があります。

 

また、差し止め解除の通達の中では、今後サービス業への最低資本金50,000USDを設けることについても示唆されていましたが、バングラデシュでは外国人が就労許可を取得する際には50,000USDの送金証明書の提示が求められることから、実際には50,000USD以上の投資を行うケースがほとんどです。

 

今回の差し止め解除により、貨物運送業者などを中心に日系企業の進出が加速する可能性がありますが、前述の通り登記差し止め解除の影響が限定的であることや、2016年7月のテロの影響もあり現在直接投資に慎重な企業が多いことから、大幅な外国投資促進にはつながらないように思われます。

 

 

投資規制とインセンティブ

バングラデシュ政府は経済及び技術発展のため、投資にあたっての煩雑な手続を排除し、法人税の免除などの優遇措置を受けることができる輸出加工区(EPZ)を設けるなど、積極的な外資誘致を行っています。一方で、自国の産業保護と雇用確保のために、規制業種を設け、現地人の雇用義務を厳しく規定しています。
このように、バングラデシュ政府は一定の規制を設けることで、外資の導入促進と自国の産業育成及び雇用確保の双方を達成し、バングラデシュ経済の発展に結び付けようとしています。

■ 関連法規

[1980年外国人民間投資(促進及び保護)法]
1980年外国人民間投資( 促進及び保護) 法(The ForeignPrivate Investment( Promotion and Protection) Act of 1980)は、バングラデシュにおける外国民間投資の保護と促進のために策定されました。
同法において、保護及び規制の対象となる「外国資本」は、「外国籍の人物またはバングラデシュ以外の国に設立された会社によってバングラデシュに投資された資本」と定義しています。ただし、外国政府及び政府機関による投資は除外されます。
[その他の関連法規]
バングラデシュで事業を行う者は、以下の法律(及び規制)にも準拠して活動を行わなければなりません。

■免税製品項目

2019年7月から2024年6月の期間に新法人を設立した特定の製造業について法人税の免税が発表されています。免税率は、製造エリアにより異なります。

【主な免税対象】

・医療品

・農業機器

・れんが

・二輪車

・避妊薬

・基礎電子部品

・自転車(自転車の部品を含む)

・バイオ肥料

・バイオテクノロジー

・ボイラー(ボイラーの部品含む)

・圧縮機

・コンピューターハードウェア

・家具

・電化製品

・殺虫剤

・農薬

・革、革製品

・LEDテレビ

・バングラデシュ産の野菜/フルーツの加工

・石油化学製品

・繊維機械

・ティッシュ

・玩具

・タイヤ

・政府官報により通知された業種  等

【免税内容】

<エリア①>5年間の免税

Dhaka、Narayanganj、Gazipur、Chattogram、Rangamati、Bandarban、Khagrachariを除くDhaka、Mymensingh、Chittogram県

<エリア②>10年間の免税

Rajshahi、Khulna、 Sylhet、Barishal、Rangpur (City Corporationの管轄区を除く)、Rangamati、Bandarban、Khagrachari

■免税インフラ項目

2019年7月から2024年6月の期間にインフラの建設については下記のような免税措置が設けられています。

<対象インフラ事業>

・深海港

・高架高速道路

・輸出加工区(EPZ: Export Processing Zone)

・高架道路

・ハイテクパーク

・ICT及びソフトウェアテクノロジー区

・ITパーク

・大規模水処理設備

・LNGターミナル

・携帯電話基地局

・モノレール

・高速鉄道

・再生可能エネルギー

・海港及び河川港

・高速道路及び橋

・地下鉄

・廃棄物処理 等

■ 業種による規制

[禁止業種]

以下の業種への外国資本による投資は禁止されています。

武器・弾薬・軍用機器、原子力、植林・森林保護地区の機械的方法による木材伐採、紙幣印刷・造幣

[規制業種]

現在のところ、明確な規定はなく、規制業種についての質問に対するバングラデシュ投資庁(BIDA:Bangladesh Investment Development Authority)当局の回答は非常に曖昧であり、場合によっては交渉により決定されることもあるため、進出の際、最新の情報を取得することが必要です。

事前に政府許可が必要なもの

深海での漁業、銀行・金融業、保険業、電力関連、天然ガス・石油・精油・石炭関連、その他鉱物資源関連、大規模インフラ事業、ガス・鉱物資源を原材料とする中規模及び大規模企業、通信サービス、衛星放送サービス、航空旅客・輸送業、海運業、港湾建設、Voip/IP電話サービス、沿海部で採取される重金属を利用する産業等

出資比率に規制がある業種

海運・物流業については出資金額、出資比率についての規制があり、海運は49%、物流業は49%が出資上限となります。

最低低資本金規制がある業種 

原則、最低資本金の規制はありません。ただし金融業に対しては、次の通り最低資本金の規定が設けられています。なお、非公開会社であっても、払込資本金が4億タカを超えた場合は公開会社に変更しなければならず、払込資本金が4億タカに達した日から6カ月以内に実施しなければなりません。

 

出所:JETRPO

商務省による規制業種

アパレル調達事務所、貨物運送業者、輸入代理店、国際宅配便(クーリエ)サービス業者、 海運会社、営利目的の教育機関の設立、広告代理店、航空・鉄道の販売総代理店の8業種が規制業種(登記差し止め対象)となっています。

該当する業種の場合は、事前に商業登記所と協議する必要があります。100%外資及び合弁の現地法人設立の認可を得ることは非常に困難になっています

[土地所有による規制]

外国企業であっても、法人であれば土地を所有することができます(外国人個人は不可)。ただし、輸出加工区については土地の取得は不可のため、使用料を支払って長期(30年)使用権を取得する形式となります。

なお、土地を購入する際は以下の手続が必要になります。

・ 土地総額の3.0%~5.0%相当の収入印紙の購入
・ 土地総額の3.0%~5.0%相当の税の納入
・ 土地総額の1%~4.0%相当を登記手数料として預託

各EPZの使用料は以下の通りです。

■ 外国為替規制令による規制

[外国為替管理の法的根拠]

 バングラデシュでは、「外国為替規制令1947(2009改訂版)」を中心として、「輸出政策令2015~2018」、「輸入政策令2015~2018」、「バングラデシュ銀行 外国為替取引ガイドライン」等により規制を設けています。外国為替及び外国証券による取引、通貨及び金の輸出入に関して規定しています。

[外貨の持込み]

 5,000USドル以下のバングラデシュ国内への外国通貨の持込みは自由に行うことができます。また、入国時に外貨申告書(FMJ書式)にて税関当局へ申告することで、5,000USドルを超える金額を持ち込むことができます。持ち込んだ外国通貨は申告を行うことで自由に引き出すことができます。

[外貨預金]

 企業は外国通貨を預金するための外貨建口座を開設することができ、口座残高は海外へ送金することができます。(法人格の場合のみ)また、タカ口座を自由に開設運用することもできます。

外貨保有率制限

 輸出加工区以外の企業は、輸出で得た外貨の50%のみを外貨建預金口座に預け入れることができます。ただし、輸入率の高い製品(国内付加価値の低い)、商品輸出(縫製品や電子製品など)は10%、サービス業者は5%までしか保有することはできません。輸出加工区内の企業は、輸出で得た外貨の100%を外貨建口座に保有することができます。

[海外への送金]

 バングラデシュでは、海外送金に関して様々な規制があります。給与、利子、配当、ロイヤリティ等の海外送金が一定の規制のもとで可能です。

給与の海外送金

 政府に許可された契約における額の75%までです。

配当金の海外送金

 配当金の国外への送金については、原則バングラデシュ銀行の事前承認は不要です。配当金を非居住者に対して送金する場合、取引銀行に対して申請書及び以下の情報を添付して申請を行います。

・ シリアルナンバー

・ 株主の氏名、国籍、現住所

・ 株式登録される住所

・ バングラデシュ銀行の

・ 支払先非居住者株主のリスト

・ 持株の数量及び価格(株式種類別)

・ 株式の割当/譲渡の日付

・ 配当金額

・ 配当にかかる所得税/特別税額

・ 海外送金可能配当金額

・ 備考

ロイヤルティ、テクニカルノウハウ料等の海外送金

 ロイヤルティ、テクニカルノウハウ料、技術支援費等を送金する際、BIDAにて『Industrial』のステイタスで登録されている必要があります。また、事前の承認を得なければなりません。

・送金先の制限

 多くの場合は親会社への送金ですが、送金先への制限はありません。

・送金金額の制限

 中央銀行のガイドラインによれば送金金額に上限はありませんが、運用上は前年度売上額の6%が上限になるケースが多いです。バングラデシュ政府は移転価格税制の適用に力を入れており、今後は国外送金額について独立企業間価格と照らし合わせ、送金額の妥当性が証明できた段階で送金を認められるという流れになりまそうです。

・技術支援料の送金時に発生する源泉税

 バングラデシュの税法上、前払い法人税という制度が存在し送金時に受け取り側に対する源泉税が発生します。租税条約の適用を受けないため、20%の源泉税を控除した後に送金が可能です。

・ロイヤリティの送金時に発生する源泉税

 租税条約の適用を受けるため、10%の源泉税を控除した後に送金が可能です。

・税務の側面

 BIDAでの登録、許可を得た後に国外送金が可能になりますが、ロイヤルティ、テクニカルノウハウ料、技術支援費等について税務上費用否認される可能性があります。送金額が年間の利益額の8%を超え税務署より損金不算入とされた場合には35%課税されるため事前に予算を確認することをおすすめします。

その他の海外送金

 その他、海外への送金について、バングラデシュ銀行の事前承認の要否は次の通りとなっています。

 

[借入規制]

外国からの借入(Foreign Loans)

バングラデシュの企業(現地企業、外国企業、ジョイント・ベンチャー)が運転資金を調達する際は、多くの場合、親会社からの調達となりますが、あくまで別の事業体となるため、支店・駐在員事務所のように「運転資金」という名目で送金を受入れることはできません。その場合は、短期借入金、長期借入金、資本金(資本準備金)、サービス対価のいずれかの名目で受け入れる必要があります。

短期親子ローン(償還期間が1年未満)について、特別許可なくローンの受入れ、元金の返済が可能です。また、短期親子ローンについては、中央銀行が無利子を推奨しており、多くの企業が無利子の親子ローンを運用しています。(償還期間が1年以上の長期ローンについては、事前許可が必要となります。)

ただし、このローンを組むためには会社登記ステータスが “Industrial Status(工業ステータス)”である必要があります。輸出加工区内の企業であれば、通常Industrialステータスとなっていますが、輸出加工区外の企業は、BIDAでIndustrial Statusを選択する必要があります。BIDAには、Commercial:Status(商業ステータス)も存在するため、Commercial Statusを選択した場合は、ローンを組むことができません。

返済期間が一年を超える場合は、BIDAもしくは輸出加工区庁及び中央銀行の許認可を取得する必要があります。許認可を取得しない場合は、返済ができません。

親会社からのローンの金額や利息について、バングラデシュ中央銀行は規則を設定してません。しかし、バングラデシュ政府は国外へ外貨が出ていくことを望まないため運用上は利息を6%未満にすることを推奨している傾向にあります。

 

 

 

国内での借入(Local Borrowings)

 バングラデシュで操業する企業は、製造業、非製造業を問わず、通常の顧客関係(banker-customer relationship)に基づいて、現地通貨での運転資金、及び長期借入金の借入を行うことができます。なお、銀行からの借り入れの際には不動産等の担保を要求されるため、ルール上国内での借入が可能であっても現実的には難しいのが現状す。

 EPZにおけるジョイント・ベンチャーは、海外から得られる外貨建短期融資の額まで現地通貨での融資を受けることができます。

 

■ その他の規制

[現地人の雇用義務]
 バングラデシュ国内で外国人が就労する場合、BOIに対し就労許可証の取得を申請しなければなりません。また、この許可申請時には、現地人の雇用義務についての審査基準があります。目安として、製造業では外国人1名につき20名以上、サービス業では外国人1名につき5名以上の現地人スタッフを雇用しなければなりません。
 なお、バングラデシュ国内で外国人の雇用を希望する民間企業は、事前にBOIから許可を得る必要があります。外国人雇用のためのガイドラインは、次の通りとなります。
・バングラデシュによって認められた国の国民が雇用することが許可される
・外国人の雇用は、当局によって許可された産業に限られる
・外国人の雇用は、現地の専門家を確保できない職業に限られ、18歳以下の者は雇用の対象とならない
・新規雇用及び契約延長は、企業の取締役会により決定される
・内務省による人物審査をパス通過すること
・EPZで働く駐在員のための就労許可証の取得(EPZに会社を設立している場合はEPZに、それ以外の場合はBOIに就労許可証を申請)
[労働法関係]
10人以上の従業員を雇用する製造業企業は、2006年労働法に従い、工場査察官(The Office of the Chief Inspector of Factories)の審査、登録が必要となります。
労働法は工場での安全性を確保し、労働条件を規制する主要な法律であり、その他にも、賃金支払法や工場法など多数の法律が存在します。

■ 投資インセンティブ

バングラデシュ政府は国内への投資を奨励するための法律を定め、政策を実施しています。基本法として、1 9 8 0年外国投資法(Foreign Private Investment Act of 1980)、 2009年産業政策(TheIndustrial Policy of 2009)があり、税金の免除や投資家の保護を定めています。また輸出加工区についての投資を定める輸出加工区法(The Export Processing Zone Act)を規定しています。
優遇対象や内容については、担当者によって回答が違うことも多く、体系的に把握するのは困難な状況となっており、現段階で判明している情報を記載しています。
[輸出加工区(EPZ)における投資優遇措置]
バングラデシュには、現在8つの輸出加工区(EPZ:ExportProcessing Zone)があり、これまでに32カ国が既存のEPZに投資しています。
EPZは、輸出加工区庁(BEPZA)が輸出貢献産業への国内及び外国の投資を促進するため開発した特別区域で、現在バングラデシュには8カ所設置されています。ここでは、企業の生産活動に適したインフラを整備し、輸出入品の関税免除や10年間の所得税免除などのインセンティブの供与、投資家への事務・支援サービスなどを提供しています。
バングラデシュ輸出加工区庁(BEPZA)を通じて、輸出加工区(EPZ)への投資についての最新情報を入手することができます。

対象業種

EPZに入居するためには、投資案件につきBIDAの認可を受けていなければなりません。現在のところ、農産品加工業、繊維産業、紡績業、繊維機械製造業、衣料品製造業、衣料品関連業、革製品、IT産業、製薬業、軽工業、セラミック製品、メラミン製品、プラスチック製品、衛生用品、鉄鋼、コンピュータ・ハードウェア、石油化学、農業機械、化学品、造船などが対象といわれていますが、バングラデシュにとって有益であると判断されれば、投資内容により認可を受けることができる可能性があります。

対象地区

現在、8つのEPZがあります。ダッカやチッタゴン周辺の利便性の高いEPZには十分な空きスペースがないなどの問題がありますが、これ以上のEPZの増設はないと公式に発表されています。それに代わって、バングラデシュ経済特区庁(BEZA)は全国に10ヵ所の経済特区(SEZ: Special Economic Zone)を発足させており、今後15年以内に100箇所におよぶSEZの設置を目指しています。

【EPZ対象地区】
【EPZの概要(2017年)】(単位:百万USドル、人)

優遇の内容

1. 法人税の減免

2012年1月以前の投資は10年間の免税を受けることができましたが、2012年1月以降の投資については、最初の2年間が100%免税を受け、以後は5年目まで段階的に減免を受けることができます。

2. その他の恩典

EPZ内の企業に対しては、法人税減免の他、以下のような恩典が与えられます。また、その他にも各種行政手続も通常に比べて容易になり、インフラが整っているというのも、バングラデシュにおいて操業する上では大きなメリットとなります。

・ 建設資材輸入税の免税

・ 機械、オフィス備品、スペアパーツ等輸入税の免税

・ 原材料、完成品の輸出入免税

・ 二重課税排除

・ 配当課税の免除

・ 一般特恵関税制度(GSP)の利用

・ 機械や工場の増加償却

・ ロイヤルティ、技術料の送金(売上の6%まで)

・ 資本金の100%本国送金可能

・ 外貨建借入のバングラデシュ銀行事前承認不要

・ 国内外の投資上限なし

・ 外貨預金の許可(非居住者)

・ 地場資本との合弁企業、地場資本出資企業に対する外貨口座運用を許可

■ EPZ内外を問わない投資優遇措置

[奨励業種]

バングラデシュへの投資に対する奨励業種は、輸出志向産業、ハイテク産業、国産天然資源を活用する産業、国産原料に依存する産業など同国において盛んである労働集約型産業や、世界的に確固たる需要があり雇用を創出する産業が推奨され、特に輸出志向産業については、輸入資本機械に関する関税の減免などの優遇措置があります。

[優遇の内容]

法人税の減免

ダッカとチッタゴン地域(ダッカのナラヤンゴンジ、ガジプールおよびチッタゴンのランガマティ、バンドルボン、カグラチョリを除く)においては商業生産開始から5年間、ラジシャヒ、クルナ、シレット、ボリシャルなどでは商業生産開始から7年間の減免措置があり、民間電力会社については15年間の減免措置があります。

【EPZの免税率】

バングラデシュ全土にある計8か所のEPZの内、ダッカ、チッタゴン、アダムジーの免税率は下記の通りです。

バングラデシュ全土にある計8か所のEPZの内、コミッラ、イシュワルディ、カルナフリー、モングラ、ウットラの免税率は下記の通りです。

加速減価償却

新規投資について増加償却を適用することができます。投資初年度は工場建物や機械装置価額の5 0%、2年目は30%、3年目は20%が適用されます。

【増加償却率】

関税の減税

輸出志向型企業の機械設備輸入に関する関税の減免

・ 生産量の80 ~ 100%を輸出する企業の場合、1%を適用

・ 生産量の80%未満を輸出する企業の場合、3%を適用

輸出志向型企業が原材料を輸入する場合の関税率減免税措置

・ 生産量の100%を輸出する企業のうち保税倉庫を持つ場合、免税

・ 生産量の100%を輸出する企業のうち保税倉庫を持たない場合、輸入時に一旦所定の関税を支払い、輸出後に還付を受ける

■ 地域情報

[ダッカ]

概要

バングラデシュの首都であるダッカは、都市圏域人口が1,700万人を超える大都市で、世界一の人口密度47,400人/㎢(東京は4,500人/㎢)を誇る過密都市として知られています。

多彩な歴史を持っているため、バングラデシュの政治的、文化的、経済的生活の中心地となっています。経済成長にともない中高所得階層の増加したため、海外のブランドショップ等が店舗を構えた大型ショッピングセンターが建設されるなど近代的な商業の発展が著しくなっていますが、一方で、小規模店舗や露天商など伝統的な小売商も健在です。旺盛な国内消費と急速な経済成長期にある混然とした途上国経済の様相を象徴していると言えるでしょう。

ダッカに住む外国人は、中心部に位置するグルシャン地区などの外国人住宅街のマンションを利用することが多く、手頃な価格で比較的安全な生活を送ることができます。しかし、近年の経済発展とダッカ首都圏域への人口流入増加によって、不動産物件の不足にともなう家賃の上昇も起こり始めています。

インフラの状況

ダッカ市内には舗装された都市道路網がありますが、慢性的な渋滞が都市機能を大きく損なわせているとされ、総合交通インフラ整備の一環としてMRTとBRTが整備中です。また、他の地域へアクセスする高速道路とリンクしており、国営バングラデシュ道路交通公社(BRTC)が運行する定期高速バスによって、国内の他地域だけでなくインドのコルカタやアガルタラへのアクセスを可能としています。

空路でも同国最大の規模と国内外航空機発着数を誇るハズラット・シャージャラル国際空港があります。海路ではショドル・ガットと呼ばれる大きなターミナルがあり、同国最大の港を持つチッタゴンへの定期船もあります。

日本企業の活動

ダッカには、伊藤忠商事、住友商事、セイコー、東京三菱UFJ銀行、東洋エンジニアリング、豊田通商、日本郵船、丸紅、三井物産、三菱商事、ユニカ(UNIQA)、YKKバングラデシュなど数多くの日系企業が進出しています。

2011年に丸紅がバングラデシュ国鉄よりディーゼル機関車納入案件を受注、2017年には三菱商事・川崎重工連合がMRT6号線案件を受注、国際協力機構(JICA)を通じた日本政府による円借款の支援が進められています。これにより、ダッカにおける慢性的な交通渋滞が緩和され、鉄道輸送のインフラ事業を通してバングラデシュ経済発展への貢献が期待されます。

[チッタゴン]

概要

チッタゴンは企業の本社所在地としては国内最大級であり、バングラデシュの商工業の中心地となっております。世界で最も急速に成長している都市の1つであり、世界的に競争力のある経済特区を有しています。

チッタゴンはカルナプリー川(Karnaphuli River)の河口に近く国内最大の港を擁し、輸出入の主要な経路として国内外から投資が集まっています。

2014年6月、JICA(国際協力機構)はバングラデシュとの間で、過去最大規模の(総額約1,209億円)円借款貸付契約を調印しました。電力インフラの供給、農業生産性の向上、天然ガスの安定供給、都市インフラの改善、灌漑設備による洪水被害の軽減、上記5つの主な支援によるものです。チッタゴン周辺地域では、マタバリ超々臨界圧石炭火力発電所やLNGターミナル建設などの大型プロジェクトが進んでおり、チッタゴン地域経済発展への貢献のみならず、バングラデシュの人々の生活水準の向上に大きく寄与するものと考えられます。 

近年になって、中国の影響力も強くなっています。2013年度以降は、中国からバングラデシュへの製造業の投資が加速し、EPZにおいて最大の投資国となりました。また、2014年5月には両国の経済関係強化が合意され、今後ますます貿易、投資、人的交流は深化していくことが予想されます。

日本企業の活動

2000年代後半、急速な円高の進行により日本のニット衣料メーカーなどがチッタゴンに進出し日本向けの事業を順調に伸ばしました。また、大手縫製機械メーカーは、縫製技術や機械メンテナンスの訓練所の開設、技術者育成などに力を入れています。その後の円安にともない、日本企業による進出に慎重さもみられるようになりましたが、やはり南アジアの重要な生産拠点であることに変わりありません。

なお、チッタゴンには、マミヤ・オーピー、CBC、マルハニチロ水産、光波などの日系企業が進出しています。

参考文献

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