庶民院(イギリス議会の下院)は、中国北西部のウイグル人などに対して大量虐殺が行われていることを初めて明らかにした。
新疆ウイグル自治区の収容所には、100万人以上が収容されていると推定されている。
議員総会で承認された動議は、英国に行動を起こすことを強制するものではないが、議会における中国政府への不満の高まりを示すものだ。
これに対して中国は、英国は「間違った行動を直ちに正すべき」と述べた。
これにより、英国の影の首相と呼ばれていたイアン・ダンカン・スミス氏は、英国議会はオランダ、カナダ、米国と肩を並べる歴史的な瞬間になるだろうと意向を示した。
イアン氏は、中国が言うところの「嘘と偽情報」を広めたとして中国から制裁を受けた5人の英国議会議員の一人であった。
討論会では、中国の制裁の対象となったもう一人の議員であるヌスガーニ氏が、「ジェノサイド」とは国家、民族、人種、宗教の集団を「全部または一部を殺害する意図を持つ行為だと述べた。
「ジェノサイドの5つの基準すべてが、新疆で起きていることに当てはまる」と述べた。
ガーニ氏によると、拘束された人々は「金属棒での殴打、電気ショック、鞭などの残忍な拷問方法」を受けているとのことだ。
また、ウイグル自治区の女性たちが避妊具を装着されていると述べ、ウイグル人女性の人権が侵されていることにも言及した。
在英中国大使館は、声明で次のように述べている。「一握りの英国議員による、新疆に『大量虐殺』があるという不当な非難は、今世紀で最も途方もない嘘であり、中国国民に対する非道な侮辱であり、国際法と国際関係を支配する基本的な規範に対する重大な違反である。中国は、中国の内政に対する英国の露骨な干渉に強く反対する」と述べた。
労働党の影の外務大臣と呼ばれたスティーブン・キノックは、「大量虐殺は無関心や不作為では決して対応できない」と主張して動議を支持すると述べた。
一方、政府は、ある出来事をジェノサイドとみなすことは、「入手可能なすべての証拠を考慮した上で、権限のある国内および国際的な裁判所が行うべき問題である」と主張し、動議に反対した。
政府が反対したにもかかわらず、閣僚が反対票を投じなかったため、動議は可決された。
外務省のナイジェル・アダムス大臣は、英国は国連を通じて中国への「圧力を強化している」と主張した。
今年初め、カナダ、欧州連合(EU)、英国、米国は、中国での人権侵害に抗議して、中国政府関係者に制裁を科したところだった。
中国は、虐待の疑いを否定し、収容所はテロと戦うための手段であると主張している。