第1章 インド-序章 2020年度予算案と経済、税制

2020年度予算案と経済、税制

■直接税の変更点

[個人所得税]

2020年度予算案で、新たにAY2021-22より、

以下の個人所得税率が提案されました。

 

個人所得 (INR) 現個人所得税率

(追加税・教育目的税を含む実効税率)

新個人所得税率

(追加税・教育目的税を含む実効税率)

Up to 250,000
250,001 – 500,000 5.20% 5.20%
500,001 – 750,000 20.80% 10.40%
750,001 – 1,000,000 20.80% 15.60%
1,000,001 – 1,250,000 31.20% 20.80%
1,250,001 – 1,500,000 31.20% 26.00%
1,500,001 – 5,000,000 31.20% 31.20%
5,000,001 – 10,000,000 34.32% 34.32%
10,000,001 – 20,000,000 35.88% 35.88%
20,000,001 – 50,000,000 39.00% 39.00%
50,000,000 and above 42.74% 42.74%

年間総所得が 50 万ルピー未満の居住者に対して の1 万 2,500 ルピーの税額免除については、AY2021-22以降も、依然として認められております。

 

本予算案によって提案されました上記の個人所得税率については、

既存税率より低いものとなっておりますが、この新税率を適用する場合は、

現在認められている各種控除の適用が認められないこととなります。

 

各種控除を適用の上既存の税率を適用するか、又は各種控除を適用せず新たな税率を適用するかどうかは、毎年確定申告の際に選択をすることが認められております。ただし、事業所得を有し、一度新たな税率を適用する場合は、以降、古い税率を適用することは認められません。

 

新たな税率適用の際に認められない各種控除及び税額免除としましては、

以下が挙げられます。

 

  • 個人旅費手当(Leave Travel Concession:LTA)

 

  • 住宅手当(House Rent Allowance:HRA)

 

 

 

  • 特別手当(Specific allowances)

 

  • 標準控除(INR50,000まで)

 

  • 住宅ローン及び自己占有財産に対する支払利子、建物賃貸損失

 

  • Family pension目的のその他所得に対する控除

 

  • NPS(国民年金制度)に対する拠出(section 80CCD(2))以外の各種控除

 

日本人駐在員のケースは、新たな税率の適用の方が望ましい可能性が高いかと存じます。給与所得金額が高額となり、上記のような控除や免税がない場合は、新たな税率の適用が望ましいこととなります。

 

[法人所得税]

2019年10月1日以降に設立された内国法人(製造会社)については、

法人税率(追加税・教育目的税を含む実効税率)が17.16%になります。

 

(基本税率15%×追加税1.10×教育目的税1.04%=17.16%)

 

その他の内国法人については、

法人税率(追加税・教育目的税を含む実効税率)が25.17%になります。

 

(基本税率22%×追加税1.10×教育目的税1.04%=25.168%)

 

旧制度

 

 

対象企業

実効税率(追加税・教育目的税含む) (%)
売上高1000万ルピー以下 売上高1000マン以上1億ルピー以下 売上高1億ルピー超
2018-19年度の売上高が40億未満の内国法人(注記1) 26.00%

 

27.82% 29.12%
外国法人 (注記2) 41.60% 42.43% 43.68%

最低代替税率(MAT)は旧制度を使用する企業にのみ適用されます。

 

注記1: 売上高が1,000万ルピー超、1億ルピー以下の場合、追加税は7%になります。売上高が1億ルピー超の場合、追加税は12%になります。また、健康教育目的税は全てのケースで4%になります。

注記2: 売上高が1,000万ルピー超、1億ルピー以下の場合、追加税は2%になります。売上高が1億ルピー超の場合。追加税は5%になります。また、健康教育目的税は全てのケースで4%になります。

 

 

[外国法人の所得税申告の免除]

外国法人の所得が、配当、利子、ロイヤルティ、およびテクニカルサービスで構成され、源泉徴収税が所得税法115条(A)(1)に基づいて差し引かれている場合(すなわち、基本税率10%+健康教育目的税4%+追加税2%または5%)、

外国法人はインドで所得税申告を行う必要がなくなりました。

 

源泉徴収税が租税条約に基づく軽減税率で控除される場合、

(例えば、インドと日本間における租税条約 第12条に基づく税率10%などのケース、)外国法人は所得税申告をインドで行わなければなりません。

 

[テクニカルサービスにおけるTDS税率の削減]

TDSの控除率は、テクニカルサービス(専門サービス以外)の場合、

10%ではなく2%に軽減されました。(所得税法194J条)

 

[配当分配税(DDT)の廃止]

これまで、内国法人が配当決議によって配当金を支払う場合は、所得税法115条O項に基づいて、その配当金額に対して基本税率15%(追加税、健康教育税も別途課税)の配当分配税が課されておりました。

 

(一方でまた、配当金を受け取る側である株主は、所得税法10条(34)に基づき、非課税。)

 

配当分配税により、配当を行う内国法人は、税引前利益に対して法人所得税が課税されるのみならず、税引後利益から分配される配当に対してもまた配当分配税が課税されることとなっておりましたが、今回の予算案により、この配当分配税の廃止が決定いたしました。

 

配当を受け取る側の株主は、配当所得の20%の上限で支払利息に関してのみ配当収入に対する控除が認められます。(所得税法57条)

 

年間総配当金額が5,000ルピーを超える場合、企業はTDSを10%差し引くことになります。(所得税法194条)

 

■所得税申告期限の変更点

 

AY2021-22より、所得税法第44AB条に基づき税務監査が求められる企業及び個人の所得税申告が、以下の通り変更されることとなりました。

対象企業 旧期限 新期限
移転価格税制、非対象企業 翌年9月30日 翌年10月31日
移転価格税制、対象企業 翌年11月30日 翌年11月30日

税務監査報告書(Tax Audit Report)と移転価格報告書(TP Report)提出期限の変更について

 

AY2021-22より税務監査報告書と移転価格報告書の提出期限が以下の通り変更されております。

対象企業 旧期限 新期限
移転価格税制、非対象企業 翌年9月30日 翌年9月30日
移転価格税制、対象企業 翌年11月30日 翌年10月31日


■税務監査報告書適用範囲の変更点

 

現在、総売上高及び総収入が1,000万INRをこえる企業及び個人(専門職の場合は、500万INR)は、インド勅許会計士による税務監査の対象となっておりました。

 

しかし、本予算案より、以下2つの条件に当てはまる場合は、

適用売上高及び総収入基準を現在の1,000万INRから5,000万INRへとひきあげることが提案されました。

 

・売上及び収入から生じる現金受領額が総額の5%を超えない場合

 

・費用を含む現金支払いが総支払額の5%を超えない場合

 

 

■個人の居住性の定義の変更点

 

これまでの会計年度において個人が「インド居住者」とみなされる条件としては、以下の通りでした。

 

・当該会計年度において182日以上インド国内に滞在

もしくは、

・当該会計年度において60日以上インド国内に滞在し、

かつ過去4会計年度において365日以上インド国内に滞在

 

また、もしインド居住者とみなされた場合、

その居住者は以下の2つのカテゴリーに分類されます。

 

・通常の居住者

・非通常の居住者

 

以下の条件を満たす場合は、「非通常の居住者」となります。

・過去10年間の間に、9年間において非居住者の場合もしくは、

・過去7会計年度においての合計滞在日数が730日未満での場合

 

しかし、今回の予算案により、2020年4月1日付けで、上記の条件が変更され、上記の非通常の居住者の条件の2つ目にある「過去7会計年度においての合計滞在日数が730日未満」という条件は廃止され、今後は、1つ目の条件が少し修正された「過去10会計年度の内、7会計年度において非居住者であった場合」という条件のみとなります。

 

これまで、変更前の条件のどちらかに該当し「通常の居住者」とみなされていたが、今回の居住性の定義の変更により「非通常の居住者」となる場合、その方は課税対象範囲が小さくなるというメリットを受けることができます。

2019年度予算案と経済、税制

■2019年度予算案の概要

2019時年度予算案
2 0 1 9 日、ナレンドラ・モディ政権は暫定予算案を発表しました。
2 0 1 9 月に下院総選挙が控える中で、農家に対する収入補助や、中低所得者層に対する税負担軽減措置、
公的年金制度の導入など、有権者数の多い層に焦点を当てた内容となりました。
ゴヤル財務相代理は同予算案を国家が発展するために必要不可欠だと発表しており、
インド経済全体のカスケード効果を期待しています。
 
農家全体の約7 2%が同政策の恩恵にあずかるとされ、2 0 2 5 年までにはその対象は9 0% に上る見込みです。
また、当予算案講演では2 0 1 4 月のナレンドラ・モディ政権発足からの実施政策と
その成果が強調されたと同時に、Ayushman Bharat(国民健康保険制度)、
Pradhan Mantri Bhartiya Janaushadhi Pariyojana(ジェネリック医薬品を提供するために開始された
政府によるキャンペーン)、Make in India(インド国内外の企業からの投資促進政策)、
JanDhan Scheme(インド公的スキーム)、 Start-Up India MUDRA IBC 等の
さまざまな機関で特徴的な政策も提案されました。
 
一方で財政赤字の対GDP 比は3.4% と従来目標の3.1% から修正され、当初よりも赤字がやや拡大する見通しです。
20 2 0 年度は3.0% とする目標が堅持されたものの、一部のアナリストからは税収の見通しが楽観的で、
財政面よりも選挙対策に重きが置かれており、ポピュリズムを優先した予算案との声も挙がっています。

■直接税の変更点

■個人所得税(Income Tax Rate for Individuals
 
[ 個人所得税の基本税率]
個人所得税の基本税率に変更はありません。
 
[ 個人所得税の所得控除限度額]
従業員課税所得からの標準控除額(Standard Deduction)については万ルピーから万ルピーへの増額が提案されました。
(所得税法16 条)
 
[ 個人所得税の還付額]
従来、年間総所得が3 5 万ルピー未満の居住者に対する還付額は2,500 ルピーでしたが、
年間総所得が50 万ルピー未満の居住者に対して2,5 0 0 ルピーの還付額が提案され、事実上の税金負担義務の免除となります。
 
年間総所得が50 万ルピー以上の居住者に対しては、還付は認められない見通しです。(所得税法87A 条)
 
[ 住宅売却による長期資産販売差益の再投資による課税免除]従来は、
住宅売却から生じる長期資産販売差益を他の住宅資産購入に充てる場合、購入物件軒に限り、課税所得からの免除が可能でした。
本予算案では長期資産販売差益が2,0 0 0 万ルピーを超えない限り、軒目の住宅投資にも適用可能となりました。
同規定は、生涯の中で一度のみ適用可能とされます。(所得税法54 条)
 
[ 自己占有財産に対する課税免除枠の拡大]
従来、自己占有財産を複数所有している場合は、軒のみ自己占有
財産として認められ、軒目以降は名目家賃に対して課税対象となっ
ていました。本予算案により、軒目まで自己占有財産として課税免
除として認められます。(所得税法24 条)
 
 
■法人所得税(Income Tax for Domestic and Foreign company
 
[ 法人税の基本税率]
法人税率の変更はありません。軽減税率25% を享受できる要件として、
総売上高が25 億ルピー未満の国内法人に限られるという点も変更はありませんが、
会計年度2 0 1 8  2 0 1 9 年度の軽減税率適用の可否は、従来の会計年度2 0 1 5  2 0 1 6 年度ではなく、
2 0 1 6 2017 年の総売上高を基準に判定される旨が発表されました。
 
[ 最低代替税の税率]
最低代替税の税率に変更はありません。
 
[ 住宅開発による収益の益金不参入]
2 0 1 9 3 1 日以前に所轄官庁に承認された開発計画に限り、益金不算入が可能でしたが、
2020 31 日まで期日が延期されました。(所得税法80-IBA 条)
 
[ 在庫物件の課税免除期間延長]
土地および建物の未売却在庫に対する、名目上賃料の課税免除期間は、
所轄官庁より建設完了証明書を入手した会計年度末日から年とされていたが、年に延期する旨の提案がなされました。
不動産開発業者にとっては追い風となる見込みです。
 
 
■個人所得税・法人所得税共通
 
 [ 源泉徴収対象となる利息収入額の基準額引上げ]
銀行、郵便局、およびその他機関から得た利息収入における源泉徴収対象の基準額が、
万ルピーから万ルピーへ引上げられることが提案されました。(所得税法第194A 条)
同提案により、源泉徴収に係るコンプライアンス適用となる取引が大幅に減少するため、各機関の負担が軽減されます。
また、金利収入に対する源泉税額控除が発生するがゆえに、課税収入は持たないものの、
控除額還付のために確定申告を余儀なくされていた、低所得者層の負担も軽減されます。
 
[ 源泉徴収対象となる賃貸料の基準額引上げ]
賃貸収入に対して源泉徴収対象となる基準額の8,0 0 0 ルピーから4,0 0 0 ルピーへの引上げが提案されています(所得税法194I 条)。
 

■間接税の変更点

■関税

 

 モディ政権の掲げる“メイク・イン・インディア” 政策を促進する狙いで、3 6 品目の資本財の輸入に課される関税を撤廃しました。
2 0 1 8 年度輸出額は前年比1 0.1 8% 増の2,4 5 4 億US ドルとなりました。

ゴヤル財務相代理は、輸出は雇用を生み出し、製造を加速させるものだと強調しており、関税局の内部システムの改良も積極的に行われました。
関税局は輸出入取引広域にデジタル化を導入する方針で、施策の一例としてRFID(Radio Frequency Identification)を用いることで、

輸出時の物流改善を図る旨を公表しました。

 

■Goods and Service Taxについて

政府は、2018 年4 月から2019 年1 月の期間に9,710 億ルピーをGST 税制の下で徴収しました。

2019 ~ 20 年は7,610 億ルピーと想定しており、2 年前にGST 税制が導入された当初の目標税収額に達する見込みです。

一方で、GST 税制の基盤が完全に整備されるのには時間を要する見込みで、

2 0 1 9 ~ 2 0 年もGST 審議会は継続されるため、税率やスキームは引き続き変更されるでしょう。

本予算案ではインド経済の大部分を占める中小規模企業に対して、下記の変更が発表されました。

・ GST 登録義務が免除される小規模事業者の基準が、会計年度内
の売上高が200 万ルピーから400 万ルピーに上昇されました。
・ コンポジションスキームが適用となる製造会社・販社の基準が、
年間売上高が1,000 万ルピーから1,500 万ルピーに変更されま
した。適用時のGST 税率は一律1% で、年1 回の申告が認めら
れています。
・ 小規模サービスプロバイダーは、前年会計年度売上高が5 0 0 万
ルピー以下だった場合にコンポジションスキームが適用となり、
現存の18% から一律6%(中央GST3% + 州GST 3%)のGST
税率が課されるようになります。

■社会保障施策の変更点

[ 国家年金制度(NPS:National Pension System)における政府負担額の増加]
NSP の保険料財源を拠出するため、政府負担額が従業員の基本給の14% に増加する提案がされました。
一方、従業員負担額は従来通り10% に据え置く見込みです。
[ 非組織部門就労者に対する賞与額増加]
非組織部門就労者が受給する賞与の下限額を3,5 0 0 ルピーから、7,000 ルピーへ、
上限額を1 万ルピーから2 万1,000 ルピーへ上方修正する提案がされました。
[ 非課税の退職金支給額の増加]
非課税となる退職金支給額の上限が1 0 0 万ルピーから2 0 0 万ルピーに増加する提案がされました。
[ 従業員国家保険法(ESI:The Employeesʼ State Insurance)適用者の拡大]
従来、労働者数1 0 人以上の工場あるいは、労働者数2 0 人以上のその他施設、
事務所に勤務する月間給与が1 万5,0 0 0 ルピー以下の従業員が同法の対象でしたが、
給与要件部分を2 万1,0 0 0 ルピーに増加する意向が発表されました。
[ 従業員退職積立基金(EPF:The Employeesʼ ProvidentFund)
および従業員年金基金(EPS:The EmployeesʼPension Scheme)における死亡時手当額増加]
従業員死亡時に当該機関から支払われる手当額を25 万ルピーから60 万ルピーに増加する提案がされました。

■Latest News & Updates

【GST最新情報】
2017年5月15日に開催されたGST Council Meetingでは、西ベンガル州を除く全ての州において、7月1日付けでGSTの導入が合意されました。これによって、最終のガイドラインが発表されておりますが、申告書のフォーマットについては、物品税関税中央局(Central Board of Excise and Customs)のオンラインサイトにてご確認頂けます。
また、シュリナガール市で5月18日に開催されたCouncil Meetingでは、GST対象項目を98カテゴリーへ分類分けした上で、全部で1211の物品に係る税率が発表されました。
大部分については、18%の税率が適用される事になりますが、それぞれの物品や種類によって、異なる税率が適用されますので、こちらを確認して頂ければと思います。
[概要]
統一対象となる間接税は、相殺関税、特別追加関税、物品税、サービス税、中央販売税、州付加価値税、越境税、娯楽税、贅沢税などがあげられますが、導入以後はこれらの間接税がGSTに一本化されます。
また、企業側のコスト面については、全体的に税負担が軽減されると考えられます。最も大きなインパクトとしては、基本関税を除く二つの関税(相殺関税、特別追加関税)と、州をまたいで物品を購入する際に発生する中央販売税があげられます。
これまで、製造業者以外の企業(ファーストステージディーラーを除く。)の場合、相殺関税や特別追加関税については、仕入税額控除が認められず、商社は多額の関税負担を強いられておりました。さらに、州をまたいで物品を購入した場合は、仕入れ税額控除が認められない中央販売税という税金が課され、企業にとってのコストとなっておりました。
[企業へのメリット]
GSTが導入された以後は、これまで相殺控除が認められていなかった上記の税金についても、GSTに一本化されることによって、仮受GSTから相殺控除が可能となります。これによって、企業にとっての仕入れコストが低下し、最終的にエンドユーザーが税金を負担する仕組みが確立されます。 
[インドに進出する日系企業の課題と今後の留意点]
一方、実務面では、各拠点が所在する州ごとに申告を月3回、年間37回行う必要がありますので、複数拠点を有する企業にとっては、毎月の申告業務が今後の課題となります。
これまでは、州をまたぐ在庫の移動は、間接税の対象とされていなかったものが、7月以降はIGSTとして課税される事になります。IGSTは、仕入れ税額控除が可能な税金ですので、企業にとっての追加のコストにならないとはいえ、一時的に支出が伴う事となるため、キャッシュマネジメントについても十分に考える必要があります。
また、インボイスの変更についても、留意する必要があります。物品の販売、もしくはサービスの提供によって発行方法など異なりますので、以下ご確認下さい。
 《物品の販売の場合》
・ 物品の供給のタイミングで発行
・3枚綴りにて発行(当方控え、運送会社用、先方控え用)
HSN(Harmonized System Nomenclature)コードを記載する必要あり
・供給先の住所を記載する必要あり
・インボイスの番号は英数字にて16桁以下 
《サービスの提供の場合》
・インボイスは、サービス完了から30日以内に発行
SAC (Service Accounting Code)を記載する必要あり

■その他の変更点

 [ 小規模農家に対する収入補助]
2 ヘクタール未満の土地を所有する零細経営の農家に対して、年間6,0 0 0 ルピーの現金配布を行うとする案が提案されました。
受給対象となる農民は1 億2,000 万人に及ぶとされます。
[ 特定業種従事者の融資ローン返済における優遇措置]
畜産業と漁業従事者が融資ローンの返済日を遵守する場合、従来の金利2% 分の補助金を5% に増額する旨を発表しました。
[ 非組織部門就業者に対する公的年金制度の導入]
月間所得が1 万5,0 0 0 ルピー未満の非組織部門労働者に対して、
60 歳から3,000 ルピーの年金支給を行う旨が発表され、対象となる労働者は1 億人に上る見込みです。
[ 映画の検閲窓口の統合]
従来は複数存在したインドの映画製作における検閲窓口が1 本化されました。
[ 漁業省の設立]
海産物の輸出量を増加するため、漁業省を別途設立することが決定しました。
[ 印紙税徴収管理上の変更]
1899 年インド印紙税法が改正され、証券市場商品に課される印紙税の徴収管理を単一の機関、単一の場所で行う旨が提案されました。
印紙税は金融商品毎の課税となり、証券取引所、決済会社または預託機関を通じて単一の場所で徴収されます。
徴収された印紙税は、購入者の居住地に基づき、州政府間の円滑な分配が期待されます。
[ 中小零細企業向けローン申請手続の迅速化と金利優遇措置]
1,0 0 0 万ルピーを上限とする中小零細企業向けのローン申請手続を1 時間以内に行うシステムが導入され、
GST ライセンス取得済の中小企業のローン申請に対して金利2% 分の助成金を認める提案がされました。
[ 北東州のインフラ整備の強化]
北東州のインフラ整備に分配する予算割当額を21%増加する提案がされました。
[ デジタル・ビレッジ政策]
2 0 1 9 年度から5 年間にわたり、電子マネー取引を推進して現金取引を廃止する“デジタル・ビレッジ” の村数を10 万まで増やす意向が発表されました。
[参考資料・ウェブサイト]
・ Deloitte Touche Tohmatsu India LLP “News letter of Glimpses of Interim
Budget 2019″ 2019 年2 月1 日発行
・ Nangia Advisers LLP “News Flash Volume 109 – India Interim Budget,
2019”2019 年2 月発行

■2019年度予算案総論

■2019年予算案総論
 2019年7月5日ナレンドラ・モディ政権は今年2回目となる予算案を発表しました。
今回の予算案では、モディ政権の公約に掲げた財政支出の拡大、投資と消費の促進をメインとし発表されました。

■その他

・借用法が最終決定された為、今後の採択のために州に回覧されることとなります。
・中小企業( MSME )への支払い遅延を解消する為に政府が取るべき施策が提示されました。
・インド国のパスポートを所持する非居住者に対する Aadhaar カードの付与条件を緩和し、180日未満とする事を検討しています。

 

■銀行及び金融業法について

・住宅金融分野に対する規制当局は、国立住宅銀行( NHB )から RBI に移行します。
RBI に以下を行う権限を与えるなど 、 ノンバンク金融会社( NBFC )に対する RBI の規制監督を強化するための財務法案が提案されました。
NBFC の公益化の為、取締役を解任することが提案されています。
RBI 規制対象事業体の監査人の任期の上限である 3 年を排除することとなりました。
NBFC の合併または再構築または分割を伴う可能性のある金融分野のスキームが提案されています。
・外国企業が金融分野経済特区( IFSC )の公的資金を調達できるようにするため 、配当分配税(DDT )は非課税となりました。
・保険取引のオンショアリ ングを促進する為、 IFSC で外国資本の支店の開設が可能になりました。
・外国保険会社の、純保有資金要件を 5 百億ルピーから百億ルピーに引き下げることが提案されました。

■個人所得税

 ・2千万ルピー以上の収入に対する追加徴税
個人の課税所得が2千万ルピーから5千万ルピーまでの実効税率が追加で約3%引き上げられます。
また、個人の課税所得が5千万ルピー以上の実効税率が追加で7%引き上げられます。
・電気自動車ローンに対する利子の控除
電気自動車をローンで購入する場合、金融機関からのローンの利子が最大15万ルピーまで所得税から控除されます。
・スタートアップ企業への投資に対するキャピタルゲイン免税
スタートアップへの投資目的で住宅売却する際に得られるキャピタルゲイン税の免税期間が2021331日までに延長され、免税条件が緩和されます。
・「収入に応じた適正価格の住宅」ローンに対する金利控除
4.5百万ルピーまでの住宅を購入する場合、金融機関からのローンの利子が最大15万ルピーまでが控除されます。
適用期間は2020331日まで有効となっています。
・ブラックマネー法の拡大
ブラックマネー法に明記される「被査定者(Assessee)」の定義が拡大し、インドにおける非開示の所得あるいは資産のあった年において、非居住者または非通常の居住者が「被査定者」に該当します。

■証券法について

・インド証券取引委員会( SBI )は、上場企業の最小株式保有を現在の 25 %から 35 %に増やすことを検討しています。
・外国直接投資( FDI )に向けて 合理化および合理化されるた めの顧客情報( KYC )を共有する事を提案している
    SBI  FDI の更なる規制緩和に対応する為、航空及びメディア( AVGC )の分野における規制緩和が検討されています。
・保険仲介業における FDI の上限が 100 %まで緩和されました。
・単一ブランド小売の分野においてインドの国内調達規制の緩和が検討されています。

■法人所得税

 ・軽減税率25%の適用範囲の拡大
現状、年間売上高25億ルピーまでの企業に適用されていましたが、年間売上高40億ルピーまでの企業へ対象が引き上げとなりました。
これによりインド全体の99.30%の企業が、軽減税率25%を適用できることになります。
・銀行とNBFC(非金融企業)間の取引
NBFCの銀行に対する不良債権に対する利息に対して、利息が発生した年のみ課税されることとなります。
・税金の不正利用防止の強化
現状の対象である非上場企業と同様に、上場企業も自己株式買いの場合(But Back Tax)には、20%の追加税を支払う義務が生じます。
12AA条に定められた信託または機関の登記は、規定に違反する場合、登録が取り消されることが提案されました。
・外国法人への贈与
201975日以降に、インド内国法人による外国法人への金銭または財産の贈与に対して、インド国内で法人税を課すことが提案されました。
・成長/先端技術分野への大規模な投資に対するメリット
35AD条は、特定の事業についてのみ発生した設備投資額の全額に対して税額控除を認めています。
成長・先端技術分野においてグローバル企業を誘致し、大規模な製造工場を設立するような計画が提唱されています。第35AD条の適用範囲が以下に該当する企業にも拡大されます。
半導体、製造(FAB)、太陽電池、リチウム電池、ソーラー充電設備、コンピューターサーバー、ノートパソコンなどの分野の製造業にメリットにおいてメリットが生じます。
しかし、財政法案では第35AD条の改正は提案されていません。
・証券取引税(STT)の賦課金の軽減
STTに対する賦課は、決算価格と権利行使価格の差額のみに制限されます。
FoF(Fund of Funds)への短期のキャピタルゲインに対する税率の引き下げ
長期のキャピタルゲイン税率が引き下げられたように、短期のキャピタルゲイン税率について、中央公営企業(CPSEs: Central Public Sector Enterprises) への投資の削減の為に定められたFoFにも適応するよう提案されております。 *FoF…投資信託のうち、運用会社が別の投資信託に投資を行うもの。
AIFsカテゴリーⅠ/Ⅱに該当する損失の転嫁
AIFsのカテゴリーⅠ/Ⅱ の場合、現在認められている所得の転嫁と同様に、損失の転嫁が許可されております。
・会社分割に係る「税制適格分割」の明確化
会社分割の結果として生じる会社がインドの会計基準に従って、帳簿価額とは異なる価額で資産および負債の価値を記録する事を可能にするために、「税制適格分割」の定義を明確化されました。
・安価な住宅の定義の修正
安価な住宅の定義(セクション80-IBA)をGST法に合わせるために緩和させることが決定いたしました。
・ルピー建て社債(RDB)に関するメリット
2018917日から2019331日までの間に、インド国外企業または事業信託が発行したRDBに対する受取利息に対する源泉徴収税が免除されます。
・新たな電子決済方法の導入
現状、使用されている支払い方法、小切手、為替手形、または電子決済システムに加え、新たな電子決済方法が提案されております。
年間売上高5百万ルピー以上の企業は、電子決済による支払い方法を顧客に提示することを義務化されました。

■源泉税

 ・生命保険金支払に対する課税方法の変更
生命保険契約に基づく満期支払額について、グロスアップに対して現状1%が課税されていましたが、本予算案において、利息収入(受領した満期支払額から支払った保険料を差し引いた金額)に対してTDS5%が課税されることとなりました。
・不動産取得対価の定義拡大
所得税法Sec.194-IAでは、不動産取得対価は、TDS1%の課税取引であると規定されていますが、今回の予算案では、「不動産」の定義の拡大が提案されており、クラブ会費、駐車料金、
水道光熱費ならびに維持費等も新たに定義に含まれることが明らかになりました。
・特定の高額な支払に対する課税
現状、個人又はHUF(ヒンドゥー教非分割家族)に対する代金の支払いについては源泉税が免除されていましたが、本予算案により、年間5百万ルピー以上のプロフェショナルフィーやContractorへの支払いについては、5%の課税取引に該当することが決定しました。
・高額な現金引き出しへの課税
年間10百万ルピーを超える銀行口座からの現金の引き出し源泉税2%の課税が新たに規定されました。

■各種手続きの簡素化

 ・Aadhaar番号による税務申告
PANなしでもAadhaar番号による税務申告が可能になりました。
 ・Pre-filed ITRの導入
 所得税申告の簡素化に向け、pre-filled ITR (法人税にも同じ仕組みあり)が利用可能になることが発表されました。
当該フォームは、給与所得や有価証券から得るキャピタルゲイン、利子所得、配当金、及び源泉所得税などが記載されることになります。
 オンラインによる申告手続き等、所得税申告の簡素化が推進されておりますが、今回のpre-filled ITRによりさらなら簡素化が期待されております。
・デジタル決済方法導入の義務化
 年間売上高が5INR以上の企業は、顧客に対して低コストなデジタル決済方法を提示することが義務付けられました。

■移転価格

事前確認制度による申請が承認され、修正申告書が提出された場合、 審査官は事前確認の判断に従って総所得を修正するだけで良いことが明確化されました。
また、インドにおいて国別報告書の提出が求められる事業体についての「会計年度」定義をより明確なものとすることが本予算案で提案されました。
さらには、第二次調整によるみなし利息について、当該金額に対する年間利息に対する課税に代わり、新たな課税方法が提案され、より簡素な課税が提供されております。

■物品および関税

・ 基本関税 率の改定について
モディ政権下で推進している「 Make in India 」の更なる進歩のため、いくつかの物品の基本関税率が改訂されております。
石油や原油、ゴム製品、電気製品といったカテゴリーは、基本関税率が引き上げられております。
 一方、電気自動車の部品や化学物質、繊維製品の原材料といったカテゴリーは引き下げが提示されております。
 ・ 基本物品税及び特別追加関税について
国家災害偶発税 (National Calamity Contingent Duty、「NCCD」)のもと、たばこ・石油・原油といった品目に対して基本物品税 (Basic Excise Duty : が課されることとなっております。
また、特別追加関税(Special Additional Excise) につきましても、特定の物品について、1リットルあたりの税率が2%ずつ上がることとなりました。
 (改訂税率について、ブランドディーゼルで 18.19%、ブランドガソリンで 21.16%など)
・ 監視の強化
関税法のもと、特定の違反に対して罰金や訴追規定などが強化されることが発表されております。
また、密輸対策と財政収入維持の観点からアダ―番号よる本人確認が導入されることとなりました。

■物品及びサービス税(GST)

小規模事業者の恩恵
小規模な事業者は、簡素な税額算定方式が採用が認められたコンポジションスキームの適用が可能となっておりますが、前会計年度の売上高が500INR以下の事業者が2019年度にコンポジションスキームを適用する場合の期限について、2019430日から2019 731日まで延長されております。
また、コンポジションスキームを選択した事業者は、月次申告でなく、四半期毎の納税及び年次申告を行うことが可能となっており、小規模事業者の申告コンプライアンスの負担が軽減される流れとなっております。
 
・ GST 法における納税、支払の簡素化
GST 登録者は、GST 法における各種GST、利子、罰金、手数料といった支払について共通のオンラインポータル上における電子現金元帳を通じて、Form GST PMT 09という新たなフォームと共に、オンライン上の支払いが可能とな りました 。
 
・ アンチ・プロフィタリング規制について
2017  11 月、 CGST  Sec.17 1 において、 NNA National Anti profiteering Authority )の設置により、アンチ・プロフィタリング規制が整備されました。
今回の予算案において、NNAは、不当利益額の10%相当額のペナルティを貸す権限を持つことが明らかにされました。
 
・ 国立上訴機関( National Appellate Authority )の設置
つ以上の州の Appellate Authoritiesが、同一の事例について矛盾した事前裁定を行ったとき、上訴を中立的な立場より上訴を審理するために、国立上訴機関( National Appellate Authority )が構成されることとなりました。
このような事前判決は、申請者、同じPANを有するすべての登録者、関係役員、申請者の管轄役員、同じPAN を有するその他の登録者に拘束力を持つものとします。
 
・ Sabka Vishwas Legacy Dispute Resolution Scheme の提案
2017年のGST導入から2年が経過しましたが、今だGST導入以前の中央物品税、サービス税等に関する訴訟について、膨大な額がペンディングとなっております。
GST導入後も未解決となっている過去の訴訟の早期解決を目的に、「Sabka Vishwas Legacy Dispute Resolution Scheme」が導入された形となっております。
本スキームでは、自主開示されたケース以外における関与税額の40% ~70%の免除、自主開示されたケースにおける利息及びペナルティの全額免除、このスキームの下で債務免除された事業者に対する起訴の無効等の措置が提案されております。
 
・ その他
GST登録事業者は、アダール認証が必須となりました。
中央政府は、州税に関する還付金の支払いについて権限が与えられています。
税金の支払遅延による支払利息について、正味税負担にのみ課税されることが明確化されました。
GSTコミッショナーは、納税者による年次申告(FORM GSTR 9/9A)および調整報告書 FORM GSTR 9C)、電子商取引事業者による月次・年次明細書の提出期限を延長する権限が与えられています。

■サービス税

 ・特定のサービスに対して徴収したサービス税の還付
物品及びサービス税(以下、 GST )導入以前に施行されていたサービス税について、いくつかのサービスに対して、遡及免除が提案されました。
当該サービスを提供していた事業体は、本予算案2019 年財務法案 No.2 Finance Bill No 2 2019 制定日から6ヶ月以内に申請を行った場合、当該サービスより徴収したサービス税について還付を受けることが可能となっております。
以下のようなサービスに対し、還付が可能となっております。
– 201641日~ 2017630日の間に、州政府がリカーライセンス付与の際に発生した課税対象のサービス
– 2013  10  1 日~ 2017  6  30 日の間に、開発者にサービス金融事業のインフラ整備計画のための長期リース(30年以上)を付与することにより、政府が 50 %以上の所有権を有する州政府産業開発企業、事業のサービス
– 2003  7  1 日~ 2016  3  31 日の間に、インド経営大学院学生に提供した特定の教育プログラム

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