【メキシコ】COVID-19状況報告及び対策一覧(8月10日更新)

<TOPICS>
1. 最新状況
2. 移動制限措置
3. 政府によるCOVID-19対策
4. 労務関連
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1. 最新状況(8月10日時点)

☆累計症例数:480,278
☆累計死亡者数:52,298名(世界第三位)
☆感染疑いで検査後、陰性が確定した総数:526,911名

発令中の外出禁止令の対象 : 65歳以上及び20歳以下、慢性疾患のある方
遊園地や映画館、劇場等の娯楽施設やレストランについては閉鎖措置が取られている他、スーパーマーケット、市場やショッピングセンターなど、人々が密集する場所では一定の距離をとる、家族同士での来店を規制するといった店舗も少なくなく、一部地域ではマスク着用の義務化も見られます。

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2. 移動制限措置

【空路移動の制限】
日本・メキシコ間のフライトは、以下のとおり減便となっています。
☆ANA(8月10日現在)8月中、週5便NH180(成田→メキシコシティ):火、日曜日以外運行9月中、週5便

NH180(成田→メキシコシティ):火、金曜日以外運行

8月中、週5便

NH179(メキシコシティ→成田):月、水曜日以外運行

9月中、週5便https://www.anahd.co.jp/ja/jp/topics/notice200206/

 

☆アエロメヒコ(8月10日現在)

成田―メキシコシティ AM57便 運休

メキシコシティ―成田 AM58便 運休

9月より再開予定

https://aeromexico.jp/information/post-9019

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3. 政府によるCOVID-19対策

(1) 13日、連邦政府は、新型コロナウイルス感染症に伴い、現在制限されている経済活動等の再開に関する方針を、下記のように発表しました。
【5/18】第1段階:感染度の低い自治体(15州269自治体)での活動の再開を認めます。
【5/18~31】 第2段階:建設、鉱業、運輸機材製造業(自動車産業等)は、この時点で「必要不可欠な業種」と位置付けられており、地域に関わらず活動再開ができます。
【6/1】第3段階:各地域にて定められた「信号色」に基づき規制解除が可能です。
各信号色での措置について以下の表に示します。

5月29日の発表で、サカテカス州以外は感染者や入院者数が少ない州であっても全て赤信号となりました。この内ハリスコ州やヌエボレオン州を始め、少なくとも7つの州がこの決定への強い反発を示しています。また、グアナファト州やメキシコ市については、引き続き独自での信号運用を続けることを表明しているように、連邦政府の方針に全ての州が従うとは限らないため、各州政府の動向も確認していく必要があります。

(2) 政府は5 月13 日メキシコ大統領による記者会見にて、新型コロナウイルスの感染を抑制しつつ、経済・社会活動を再開していく計画の詳細を発表しました。内容を以下に記します。
1. 建設、鉱業、輸送機器製造を「不可欠な活動」とみなし、また、5 月18 日以降、不可欠な活動においては、労働者を保護するための厳格なプロトコル(取り決め)を設定します。
2. 新型コロナの影響が大きくない地域につきましては、5 月17 日までに周辺市町村との間の人の移動を監視、抑制する措置を講じたうえで、経済・社会活動を再開させます。教育についても同様です。
3. 全ての企業・事業所は、保健省、社会保険庁(IMSS)、労働社会保障省(STPS)が発表
する職場の安全衛生ガイドラインを遵守します。
(3) 自動車産業の操業再開
自動車産業の操業再開が認められるのかは未だ不明確なままです。
この点については現在、自動車部品工業会(INA)が経済省に確認を行っています。操業再開が認められたとしても、3月31日付官報公示保健省令の第1条は順守する義務があります。つまり、50人超の会合の禁止、頻繁な手洗いの励行、呼吸器衛生(咳エチケット)の徹底、その他健全な距離確保について保健省が定める内容の順守が求められています。
(4) 高齢者や持病のある人々の保護を目的に、外出自粛が求められています。症状があると感じる人は、COVID-19と書いたショートメッセージを番号51515まで送ると、市政府のサポートが得られると報じられています。
スーパーマーケットやショッピングモールを閉鎖することはないので、政府は食品・生活用品等の買い占めを行わないよう市民へ呼びかけています。
参考:https://www.mx.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00044.html
*現在操業継続を許可されている対象業種
• 金融          • 徴収
• エネルギー流通と販売  • ガソリンスタンドとガス
• 飲料水の製造と流通   • 食品と非アルコール飲料産業
• 食品市場        • スーパーマーケット
• 金物屋         • 宅配サービス
• 民間警備        • 保育所託児所
• 老人ホーム       • 高齢者用施設
• 通信ならびに情報媒体  • コンビニエンスストア、食料品店、加工調理済み食品販売
• 乗客・貨物運送サービス • 農業・牧畜
• 農産加工        • 化学
• 清掃品         • 民間緊急サービス
• 葬祭サービス      • 不可欠消耗品コールドチェーン
• 政府の社会プログラムオペレーション
• 必要不可欠なサービスの製造ならびに流通に携わるインフラ保護ならびにメンテナンス
ただし下記のような労働者は、職場への出勤および勤務することが許可されていません。
• 60歳以上の高齢者  •高血圧の人
• 糖尿病の人      •心臓病または肺不全の人
• 免疫不全の人

4. 大使館の情報

コロナウイルス感染症の拡大に伴い、引き続き各州レベルでの規制措置が発表されています。州によっては、連邦政府が定めるものを上回る規制を実施しているところがあります。皆様におかれては、お住まいの地域で施行されている措置や解除状況の把握に努め、しかるべく励行するよう、改めてお願いします。
大使館が把握している各州における措置等については、大使館ホームページ「新型コロナウイルス関連情報」/「メキシコに滞在される皆様へ」(https://www.mx.emb-japan.go.jp/itpr_ja/covid.html#dos)/「第3フェーズにおける州別措置」(随時更新)に掲載しておりますので、ご参照ください。
参考:https://www.mx.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/11_000001_00027.html
メキシコ,米国の両政府は,両国間の国境において3月21日以降実施されている移動制限の実施を,6月22日まで延長いたしました。
参考:https://www.mx.emb-japan.go.jp/itpr_ja/11_000001_00125.html

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5. 税務関連

☆個人所得税の年次確定申告・納付
個人所得税の年次確定申告・納付の期限は、毎年、翌年の4月末とされております。
しかしながら、コロナウイルスの影響により、多くの企業様が企業活動を制限されていることもあり、申告・納付の期限を、2020年4月30日から6月30日までへと60日間、延期をいたしました。
4月22日にメキシコ政府よりアナウンスが出ておりますので、以下をご確認くださいませ。
https://www.gob.mx/sat/prensa/sat-extiende-plazos-para-la-presentacion-de-declaracion-de-personas-fisicas-12-2020

6. 労務関連

【従業員の在宅勤務期間の取り扱いについて】
☆在宅勤務を含むリモートワーク時の給与支給
・従業員がリモートワークを行う場合には、通常出勤時と同額の給与の支払いが必要
☆有給休暇の使用
・在宅勤務期間中については、両者合意の上で労働者の有給休暇の使用が認められている
[メキシコにおける年次有給休暇の付与日数及び条件]
勤続年数 有給休暇付与日数
1年以上 6日以上
2年以上 8日以上
3年以上 10日以上
4年以上 12日以上
5年以上 5年毎に2日ずつ加算
※勤続年数には試用期間(最長6ヶ月間)も含まれる
※有給休暇中は、通常の賃金に最低25%割増した有給休暇ボーナス(Prima Vacacional)を支払う
※勤続年数1年未満の労働者は年次有給休暇の付与対象ではない
(=勤続年数が1年を経過後、6日間の有給休暇が付与される)
☆無給休暇としての取り扱い可否
・在宅期間中を無給休暇として取り扱う場合には、労使双方の同意が必要
・労働者の同意が得られない限り、在宅勤務期間を無給休暇とする(賃金をカットする)ことは出来ない
・雇用者が労働者の同意なしに無給休暇を付与した場合、労働者は正当な理由として雇用契約を解除することが可能
・労働当局が再開した瞬間から、当局に対してこの合意を追認する。これは将来紛争を避けるために行う
【従業員に対する給与補償について】
1、 自社判断による業務停止の場合
不可抗力によるものではありますが、政府機関の通達によって実施されるものではない場合、停止時における対応(給与補償等)は各社の判断によるものとなります。
各社の判断については、各種労務規定(就業規則や雇用契約書等)にどのような記載があるかを確認頂く必要があり、それら規定類に業務停止期間中の補償に関する記載があれば、それに準ずることになります。 一方で、社内規定への記載がない場合は、国としてのルールに則ることになりますが、メキシコ労働法(LFT: Ley Federal del Trabajo)の 427~432 条に業務停止における条文があり、それに従うことになります。
2、政府判断による業務停止の場合
最終的に政府支持の下で強制的に業務停止の通達が出されたようなケースです。
※ご存知の通り、メキシコにおいては現時点において、民間企業に対する強制力のある通達は出ていません。
この場合、裁判所等の承認を得る必要はなく、即座に業務停止を実施することとなります。メキシコ労働法LFT429条Ⅳによると、業務停止期間が1か月を超えるまでは、1日あたりの最低賃金を支払う必要があります。
※ちなみに2020年度の一般最低賃金は123.22メキシコペソ/日となります。
こちらは一般的な従業員に対するものですが、これとは別に専門職向け(シェフ、美容師、靴職人など)の最低賃金も設定されております。
今後、政府指導の下、強制的に業務停止がなされた場合、会社は全ての従業員に対して最低賃金を支払う必要がありますが、それ以上のものは強制されておりません。
現時点において会社から従業員に対する補償に関しては法律等で定められておりますが、
政府からの企業に対する補償等についての通達は出ておりません。
そのため、会社の対応に関しては、就業規則や雇用契約、従業員とのコミュニケーションを慎重に行う必要がございます。

 

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Tokyo Consulting Firm S.A. de C.V.

担当:清水 皐 (しみず さつき)

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